先にこちらからお読みください。
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20051208
カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンおよびパキスタンと境界を接し、新疆はまた中国の中央アジアのエネルギー資源の第一の入り口でもある。中国の石油専門家はアルマトイやタシケントを頻繁に訪れ、今日の世界エネルギー市場でも最大の取引をおこなう。カザフスタンから新疆の国境の町、阿拉山口までの石油パイプラインの延長の第一段階は完成寸前である。両国はまた天然ガスパイプラインの可能性を探査中である。
これらの利益を守る為にはイスラム武装勢力を支配下におく為に力を行使し、脅迫することには何の躊躇もない。宗教学校はまったく禁止され、住民はその禁止は完全に効力を発揮していると報告する。中国は、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、タジキスタンを含む安全保障と商業フォーラムたる上海協力機構のメンバーからその力の行使にたいしての支持を勝ち得た。「政府は今日我々を絞めあげ、」「戦争を起こすことを考えることさえ出来なくしている。」と1人の地方のイマームが嘆く。
中国は漢族中国人に新疆への移入もまた奨励している。この移入が新疆の潜在的に反抗的なムスリム人口を薄める為の意図的な試みであることにはまったく明白な証拠がないものの、それは新疆の都市部ではまさに起こっている事なのだ。かつては新疆の大多数を構成していたが、新疆の少数民族は中国の「西部へ向かえ」政策の以前の時期でさえ漢族とほとんど均衡状態にまで落ち込んでしまった。
共に富裕に
中国の西部開発戦略の批評家たちは、その戦略は単により多くの漢族の移入を促し、漢族はより上部の職をを占め、完全に地方市場を支配し、地域の人々に損害を与える、と主張する。経済成長はあるだろう、ある程度、しかしその成果は新しい移入者の企業に属するものとなる。しかるに新疆の元の居住者は貧乏なままである。しかしこれは実情とは違う。確かに漢族は移ってきて、富裕になる。しかし多くの地域のムスリムたちが新秩序を混乱させることを厭う理由の一つは彼らムスリムの一般人の多くが利権の上で富裕になってしまっていることである。
以前は輝きのなかった町々が交易や地下資源開発、そして飛躍する旅行産業より力を得た好景気を経験し、新疆のムスリムの暮らし向きは物質的な意味において過去の長い間よりも良くなっている。富裕なウイグル人はウルムチのストリートを走る流線型のランクルのオーナーの多くである。Buerjin(布爾津)のような北新疆の田舎ではカザフ人がウシや羊の世話をしているが。しかし、ユルツ(移動式住居)の外では彼らは新しいバイクや車さえ持つ。新疆での大規模な衝突の回避の後ろにある決定的要因は中国一国民としての生活が他の中央アジアの多くの地域に比べて少なくとも有利であるようにみえるという事である。
経済発展は比較的満足した中産階級を創出させることを助けるとしても、万能薬では絶対にない、他の中国の地域と同様に。経済発展はまた未来への諸問題を蓄積する社会分化に油を注ぎ、それは成長を躓かせるだろう。
都市部と地方社会の格差は一つの出現しつつある脅威である。エネルギーと旅行産業を除けば、産業の成長は新疆の現地人をとり残していくほどスローなものである。
新疆の多くはいまだ地方であり、最も印象的な都市でさえも裏手に行くと突然土で作られた家と牧場になってしまう傾向があり、そこに住んでいるのは一部屋に6人家族が閉じ込められて住んでいる。(新疆の少数民族は他の漢族地域の家族よりも家族計画法規がゆるい傾向にある。)
この新疆においての富裕層と貧困層の成長の差は新しい宗教的および民族的な嫌悪感情の燃料を供給するであろう。新疆のムスリムの多くは「飛躍する西部」から利益を得ているが、負け組のほとんどがムスリムであるのも事実である。よりきびしくなった国境警備にもかかわらず、武器の入手あるいはとなりのパキスタンのマドラサ(イスラム高等学院)での軍事訓練でさえやろうと思えばできる。8月には何人かのムスリムがパキスタンから新疆を通じて中国に火器を密輸したとして訴追された。公民権がないと感じる多くの非漢族ムスリムとともに、近隣の中央アジア人の中の再び伸張する大国によって衛星国家にされるのではないかという恐怖は言うまでもない、中国の西部の発展はいまだ北京での爆発事件を伴う1997年式の暴力への回帰にともなわれる可能性が常にある。
それら(の暴力手段)は歴史がガイドとなるならば、国家に力を誇示しはじめさせることを思いとどまらせる為には多分ほとんど役に立たないだろう。
アメリカ西部の発展と同様、中国の発展はあえて抵抗した現地の人たちを鎮圧したか追放に追い込んだ。しかし如何に新疆の平定が残忍でも、中国は今のところなんとか新疆の平和を安全保障上の悪夢に悪化させることを防いでいる。