韓国の保守的メディアといわれているチョソン・イルポが香港発の記者電として1月5日の新疆公安の「『東トルキスタンイスラム運動』ETIM基地壊滅?」を報道した。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/01/10/20070110000028.html
香港の中国メディアの情報を元にしているから仕方ないかもしれないが、これは検証をほとんど行わなっていない中国よりの報道であると見ざるを得ない。
>今回の衝突は、1998年4月に新疆自治区伊寧一帯で、公安とETIM側が十数回の銃撃戦を繰り広げて以来、9年ぶりに起きた最大の鎮圧作戦だ。
1998年というとクルジャ事件のあった1997年2月からわずか1年後でそんな大事件があったとは知らなかったので検索してみるとこれは西側筋では報道されなかった事件のようで、ウイグル側でははっきりとしたことはわかっていないようである。
ウイグル問題を日本の専門家が詳しく解説している論文「新疆ウイグルと中国政治」にも登場しているのであるが、2002年7月に中国CCTVで放送された、「東突恐怖勢力罪行紀実」(東トルキスタンテロ勢力の犯罪)というテレビ番組にわずかではあるがそのことが報告されている。シルクロード研究というサイトでその番組のスクリプトが英語でですが公開されています。
http://www.silkroadstudies.org/new/docs/CEF/Quarterly/May_2006/Shichor.pdf
また、この記事では1944年成立した第二次の東トルキスタン共和国のことが語られておらず、独立運動ではなく「三区革命」であるとする中国側主張に沿っていることが感じられる。
東トルキスタン情報に関しては一方的な中国からの情報にしか頼らず、韓国は疎いのかと見られてしまうかも知れない。実際には韓国には19世紀のヤークーブ・ベグに関して優れた著書を出した、ハーバード大学卒の著名な研究者がいるし、ソウルにはかの大谷探検隊の収集物がある。東トルキスタン、ウイグルについては情報は多いと思うのである。
韓国の報道筋がもっとウイグル人に目を向けてくれることを望む、しかしこれでも日本の報道よりはましなのだ。
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