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引越しいたします。

Death on the Silkroad シルクロードに散布された死の灰、諸君!07年2月号

2007-01-03 23:31:57 | ニュース

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追記、諸君!記事はこの水谷尚子先生の著書「中国を追われたウイグル人」にも収録されました。アニワル・トフティ氏のくわしい記事を読みたい方は是非ご購入をおすすめします。(2009年3月)
あけましておめでとうございます。2007年最初のエントリーです。1月3日には相変わらず中共べったりのNHKで青海チベット鉄道宣伝番組が放送されてうんざりする年明けです。

<iframe align="left" marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=truthofsilkro-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=B000LV6B88&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=FFFFFF&amp;f=ifr" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe>さて、昨年末に発行された文藝春秋社の雑誌、諸君!2月号で水谷尚子先生によるウイグル告発レポートがまた、掲載された。
その表題は「シルクロードに散布された『死の灰』核実験場ウイグル奇形児の悲劇」、副題が「ヒロシマを体験した日本は、中国の核汚染の被害に直面するウイグルのために何をなすべきか」と銘打つものである。
新疆ウイグル、ロプノール核実験場。その存在だけは知られているが詳しい核実験の模様などはほとんど日本では伝えられることがない。レポートはこの中国の核実験場の核汚染を告発した1998年イギリスで放映された、チャンネル4のドキュメンタリー"Death on the Silkroad"(シルクロードの死神)に参加したウイグル人の物語である。
漢語教育を受けたウイグル人、いわゆる民考漢のアニワル・トフティ医師。鉄道局に両親が勤めていた関係でウイグル人でありながら漢族のコミュニティの中で育った。意外なことに幼少のころは漢族とウイグル族間の猜疑心と根深い対立はなかったという。しかし成長するに従い大漢族主義の圧迫を受けるようになる。優秀な論文を書いたことが評価されたにもかかわらず、エリートの証明たる共産党入党への道が閉ざされたり、管理職試験に差別的な規定があったり。そこで彼は語学留学を決心し、イスタンブルにわたることになった。
そこでイギリスのテレビ局の「ウイグルへの潜入取材」の協力を求められ、1998年一大決心をしてウイグルに4人の取材チームとともに入り、南新疆の現地調査を行った。
中国は1950年代後半から60年代に「対アメリカの政治手段として」核開発に躍起になり、1964年の「自主」開発のときから1996年の核実験一時凍結宣言までの32年間に46回の核実験を行ったとされ、回数は米国や旧ソ連に比べると少ないが1980年までに地上実験を人のすむ村の近くでくり返しているので環境や人体への影響は懸念されているとアニワル医師はいう。彼はウルムチの鉄道局付属病院で腫瘍専門外科に勤務していたときに、鉄道局に勤めるウイグル人が少ないにもかかわらず鉄道局員のウイグル族の健康状態が漢族に比べてきわめて悪いということに気が付いていた。中国籍のパスポートで新疆ウイグルを告発することは非常に危険なことであるが医師としての良心が彼に決意をさせた。
潜入した村々では医者にかかる機会の少ない農民たちに歓迎され、その実態が明らかにされた。
「核実験は漢人たちのすむ方向に向かって風が吹くときは行われない。その逆のときに実行される。」
「ある村では8割の赤ちゃんが口唇口蓋裂だった。」
「内臓異常で腹や喉が肥大するものが続出」
「大脳未発達のために障害児ばかり生まれる村。」

そして取材のあとウルムチで文献資料を収集し、データを集め番組が作られた。彼のインタビューは取材のその後のことも述べられているので是非、購入して読んでいただきたい。
この番組、「シルクロードの死神」はyou tubeにアップされている。かなり画像が悪く見にくく、音声もはっきりしないところが残念だ。
つづき
http://www.youtube.com/watch?v=G9sCm8t6BEk&mode=related&search=
http://www.youtube.com/watch?v=rJyvp6hVduc&mode=related&search=

最後にアニワル医師は「被爆国日本は新疆ウイグルの現実を知ってほしい。中国が核実験をするたびに日本は非難声明をしてきた。それは新疆の民にとって頼もしかった。日本から知恵をもらい新疆で生かすことを考えている。」と結ぶ。
しかしながらこの諸君!ではこのレポートと並んでグループ市ヶ谷なる匿名自衛官の日本核武装論が語られているのは皮肉なことだ。その核武装は「クルーズミサイルによる戦術核+MD」といった兵頭二十八氏にいわせると「中途半端」だと批判されるようなものだとしてもアニワル医師の希望するところではないだろう。
本来ならこの論文は「世界」「朝日」といった反核の立場のメディアが発表の場でなくてはならない。中国の奴隷のような岩波や朝日は真の反核ではないことが明らかである。(ちなみに著者の水谷先生に岩波は他の水谷先生の書物の出版に関して干渉を行い、狡猾な朝日はフォーリンアフェアーズのウイグル論文なら出版している。)
参考
日本核武装論については産経でも報道。マスコミが民衆を裏切る12の報道さん
最近のイギリスでの反核運動について。大津留公彦さんのブログ

余談になるが「アニワル」はウイグル人男性に多い名前ではあるが、1960年代にアルバニア大統領、エンヴェル・ホッジャ(アニワル・ホージャ)(注、第一書記では?)にちなんで急増した名前であるという。当時アルバニアは中国とだけ友好関係を深めていたが、半ば鎖国状態であるその時代、海外報道が少なくそのため、アルバニア大統領にちなんで多く男子にアニワルという名がつけられたのであるという。これもまた皮肉であるが、例のグアンタナモ基地から釈放されたウイグル人を最終的に受け入れたのはアルバニアであった。現在、どこも受け入れないウイグル人の「中国が言うところのテロ容疑者」をただひとつの国が受け入れたのである。

もうひとつ余談。同じ号に小谷野敦氏の「女流作家の懺悔なき戦中と戦後」という文革礼賛者、豊田正子氏が文革時代に中国の核実験成功の記録映画を見ながら「熱烈な拍手」を送ったことを臆面もなく語っていることを問題としている。こういう中国の核は防衛的なきれいな核、中国を侵略した日本は中国の国防を批判してはいけないという考え方は日本の「知識人」に連綿とうけつがれているのであろう。
小谷野氏ブログ
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/

ラビア・カーディル紹介サイト↓

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