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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

浜田靖一防衛大臣「昭和37年の政府の憲法解釈答弁によると」立憲奥野総一郎さん「平和安全法制で何が変わったかをテーブルに出してもらわないと議論できないしましてや増税など国民は納得しない」

2023年02月06日 18時03分23秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]防衛省、4年前、宮崎信行撮影。

 安住淳国対委員長が、わずか1時間だけの野党一致団結の審議拒否で、予算委員長の「遺憾と今後の与野党協議の尊重」発言を勝ち取るあざやかな手腕を見せました。「月曜朝の顔と言えば安住淳」という印象です。

【衆議院予算委員会 きょう令和5年2023年2月6日(月)】
 「令和5年予算案」の審議は7日目で、そのうち一般的質疑3日目。次回は、あさって8日(水)午前8時55分から集中審議。

 まず、逢坂誠二さんの理事辞任ですが、コロナ感染だそうです。意気に感じて筆頭理事兼党代表代行をされていたので、影響が出ます。

 荒井前秘書官の更迭について、官邸で行われた政府与党首脳会議で首相が「国民に誤解を与えた」「不快に感じた方におわびしたい」という表現をしていたようで、SNSでずれているとの指摘もあり、あさって攻められそうです。

 防衛予算5年で43・5兆円をめぐって、立憲民主党の奥野総一郎さんが「超えないのか」と問うと、鈴木俊一財務大臣は「今の時点ではそのように考えています」と答弁し、奥野さんは「やはりそういうことになるんですよ」と語りました。浜田靖一防衛大臣は「安保3文書は、平和安全法制のホルムズ海峡の機雷掃海意外に想定しておらず、仮に他国において武力行使による自衛権発動の3要件を満たすことは憲法上許されない」とする、昭和37年の政府答弁を持ち出しました。奥野さんは「平和安全法制で、これだけ変わりました、というのをテーブルに出してもらわないと議論できず、ましてや増税など国民は納得しない」と語りました。

 日経新聞に「雨宮・次期日銀総裁本人に打診」の報が出ましたが、首相が早朝から、三菱UFJ代表らに会い、その後記者団に「観測気球だ」というやや不思議な反応が表面化しました。

 きょうは黒田東彦総裁が答弁。「地域金融機関の収益性は常にモニターしており、経費節減の必要性はあるが、十分な資金量と融資活動を活発に行っている」と断言しました。立憲の小山展弘さんへの答弁。

 鶏卵を含んだ畜産業の破綻が過去最多となった年から明けて、農水省への質疑が多い印象があります。立憲の野間健さんは「鹿児島3区で、野村大臣と同じ鹿児島出身だ」と切り出し、「畜産局はもっと現場の近くに移転してほしい」と語りました。

 前日党大会を終えた日本維新の会の和田有一朗さんは「G7で日本だけという言い方が最近非常によくされるが、G7でロシアと狭い領海だけで国境を接しているのは日本だけだ」と指摘しました。

 れいわ新選組は大石あきこさんが「異次元の少子化対策予算と言っているが、異次元の売国棄民予算だ」と切り捨てつつ、立憲の支持があついとされる教職員の過剰労働問題に絞って、文部科学大臣と議論しました。

【参議院行政監視委員会  同日】
 定例とされる月曜午後1時から開会し、参考人質疑をしました。タイトルは「国と地方の行政の役割分担について」で、以前は「小委員会」が設置されていた時期もありますが、親委員会で行われました。

 日本経済新聞編集委員の谷隆徳参考人は、「過疎法など法律のリストラが必要だ」「建設国債で防衛施設をつくるという話はよく分からないが、あえて言えば離島振興法の対象なら安全保障関係の予算も使えるかもしれない」「地方自治制度で、一般市が人口規模がかなり広いので見直しも必要ではないか」といった意見や答弁を語りました。

●衆議院総務委員会理事懇談会が開かれました。

このエントリーの本文記事は以上です。
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Ⓒ2023年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
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【訃報】横路孝弘・元衆議院議長・民主党総務会長が逝去 享年82 北海道新聞号外

2023年02月06日 15時54分05秒 | その他
[写真]北海道札幌市、おととし2021年10月、宮崎信行撮影。

 北海道新聞はさきほど「電子号外」を出し、横路孝弘・元衆議院議長(北海道1区で12期当選)が逝去したと報じました。享年82。

 電子号外はさきほど2023年2月6日に出ましたが、逝去日はまだ入っていません。[追記 17:10]2023年2月2日、都内で逝去。[追記おわり]

 民主党結党に参画し、総務会長。政権交代を目指した野党・民主党の「権威だ」とも言われました。その後、衆議院副議長を経て、政権交代後に衆議院議長に「昇格」。その後は、衆議院法務委員などをつとめました。

 ケガの後遺症で長く、歩行に支障がありましたが、議長席後ろに手すりを特設してもらうなどして克服。長期間の議員活動を全うしました。

 社会党で初当選後には、「安保5人男」「外務省機密公電」など予算委員会で活躍。北海道知事に転じて3期12年。その後、衆議院議員に復帰しました。

 民主党結党時から旧総評系議員のリーダー格。政権与党時に「横路グループ(新政局懇談会)」があると報じられましたが実際には「赤松グループ(サンクチュアリ)」が当時から既に主流で新聞各紙の報道は間違いで、党内での政局的な動きはしていなかったと、私は認識していました。

 心より哀悼の意を表します。

 以上です。
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「ちょうど1時間遅れ」で審議再開、根本匠委員長「反省」発言に追い込まれる、自立国対委員長会談を受けて40分で正常化 土曜日の荒井前秘書官更迭問題

2023年02月06日 11時06分24秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
 審議ストップ(今国会初の審議ストップ、立憲が野党共同動議「官房長官に説明を求める」提出後に退席で20分以上遅れに、自民党議員の自らの問いに官房長官「荒井元秘書官辞任させた」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)は40分間で正常化しました。

 衆議院予算委員会は、10時20分から審議がストップしましたが、11時に「ちょうど1時間遅れ」で再開しました。根本匠委員長は「速記をおこしてください。この際、一言申し上げます。本日、委員会がこのような形で開会するかたちになりましたのは大変遺憾に思っております。これからしっかりと与野党間の協議をいただきながら、委員会を進めてまいります。質疑を続行いたします。奥野総一郎君」と語りました。

 奥野さんは「野党を代表して質問する」として、荒井勝喜前秘書官について質問。松野博一官房長官は「遺憾に思います」などと説明。奥野さんは「ここからは(野党全体でなく)私の質問だ」としつつ、荒井氏更迭問題の質問を続けています。奥野さんは「あさって総理にも聞く」と8日の集中審議で首相に答弁を求めると通告しました。先週執筆の関連(来週水曜日(2月8日)に衆議院予算委員会集中審議、岸田文雄首相が出席、荒井勝喜前秘書官問題でも答弁へ - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)。

 衆議院予算委員会はこれまで、私の計算では、36時間の質疑をしており、「中盤」。きょうは基本的質疑3日目。きょうは公明党と有志の会は初めから時間が割り当てられていません。日銀総裁の答弁は11時50分以降の見通し。

[追記 11:15]
 奥野さんはLGBTQ同性婚について「総理の考えか、荒井(元)秘書官の考えか」と質問。先週水曜日の基本的質疑3日目(テレビ中継無し)での西村ちなみ委員への答弁は荒井さんが書いたのではないかと質問。

 きょうは残りは野党の質問時間だけですので、各党は持ち時間をすべて使い、午後6時前後まで続くとみられます。

 安住淳国対委員長はわずか1時間弱の審議拒否で、根本予算委員長の「遺憾」「今後は与野党協議」発言を引き出しつつ、野党欠席戦術の世論の批判を抑える、手練れぶりを発揮しました。
[追記終わり]

 以上です。


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今国会初の審議ストップ、立憲が野党共同動議「官房長官に説明を求める」提出後に退席で20分以上遅れに、自民党議員の自らの問いに官房長官「荒井元秘書官辞任させた」

2023年02月06日 10時26分41秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]立憲民主党の後藤祐一さん、6年前の2017年、宮崎信行撮影。

 衆議院予算委員会は7日目、一般的質疑3日目となりました。

 朝9時開議の予定でしたが、18分遅れでスタート。逢坂誠二理事が辞任し、大西健介さんが補欠選任されました。

 この後、9時22分頃に、後藤祐一・立憲民主党中堅幹部が、「野党一致結束だ」として動議を提出。荒井勝喜前首相秘書官について松野官房長官の説明を求めました。

 委員長はこれを認めず、自民党の田畑裕明さんが質問。田畑さんは自ら「性的マイノリティーへの発言に強い憤り。松野官房長官に政権のスタンスと人事を問う」としました。松野さんは「岸田政権は持続可能な多様性を尊重する包摂的な者かいを実現する」とし「荒井元秘書官の発言は、オフレコのためすべて詳細を把握していませんが、隣に住んでいたらどうだといった政権の考え方とあっていないもので、職を解いた」と語りました。松野さんはこの一問だけで退室しました。

 この後、田畑さんは30分の持ち時間を消化。25分遅れで、終わり、同党の本田太郎さんの質問が始まりました。この場で本田さんは性交同意年齢より若い実子を性虐待した父親が無罪になった事案を提示し、斎藤健法相は「性犯罪刑法の改正案」を今国会に提出するべく、法制審総会にはかることを、今国会で初めて答弁しました。

 午前10時20分、本田さんが「政党間協議にもとづいて私の質問を終わります。質問通告した大臣に聞ききれず失礼しました」と5分短く質問を打ち切りました。

 20分遅れで、奥野総一郎さんの質問時間になりましたが、立憲民主党が退席しており、委員長は速記を止めました。時間の「空回し」はしておらず、理事が協議する見通し。

 筆者がインターネット中継で確認できる範囲で、野党のどの党が退席しているかは不詳。また、自民議員の自らの質問に対する官房長官の答弁をどう認識したのかは分かりません。

 この記事本文には、今後追記はしないと思います。

 以上です。



 
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日経新聞「日銀総裁を雨宮正佳副総裁に打診」と報道、今週2月10日金曜日にも発表か

2023年02月06日 05時12分59秒 | 経済
 日本経済新聞はけさの朝刊=著作権法41条を根拠に一部画像掲示=で、政府が、日本銀行の次期総裁候補案として、雨宮正佳・現副総裁に打診したことが分かったと報じました。

 日銀総裁の候補案は、今週金曜日令和5年2023年2月10日の衆参両院の議院運営委員会理事会で提案される見通し。なお「2・10提案」の日程を断定的に報じられていますが、確定していません。野党が衆参本会議でどのような行動をとっても、提案された人物が99%以上の確率で次期総裁になります。雨宮さんだと過去5年間も副総裁だったの新たな事実が発覚することもないでしょうから、99・9%以上と言えるかもしれません。

 17日以降に、衆参の議院運営委員会で「所信聴取」と「それに対する質疑」があります。候補者が承諾した場合は、市場取引時間中にインターネット生中継されることもあります。野党はこの質疑での存在感発揮だけに注力します。

 「雨宮総裁案」には懸念もあります。日銀職員として企画局で、政官財との企画を担当してきましたが、20年デフレを回避できなかったとの批判は前からあります。また過去5年間「ステルステーパリング」とも呼称された、「年80兆円ペースの国債買い取りによる金融緩和をすべきだ」との金融政策決定会合の議決通りに執行していないのは黒田総裁ではなく雨宮副総裁の指示だとの憶測がずっとありました。

 雨宮さんは説明能力は極めて高いため、「金融緩和ペースの段階的削減」に向けた「市場との対話」では期待できるとの向きもありそうです。

 なお、あすの衆議院本会議でも「国会同意人事」がありますが、公正取引委員会の古谷委員長と会計検査院の田中検査官の「続投」の採決で、日銀がらみはありません。

 以上です。
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