【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「4党協議会の案」が衆議院通過、参議院本会議異例の開催で、週内に成立へ 岡田・長妻それぞれの発信、斎藤「異例」

2022年12月08日 16時40分38秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
 統一教会被害者救済法案は、「4党協議会」の案が衆議院を通過しました。

 【衆議院本会議 きょう令和4年2022年12月8日(木)】

 まず「地方議員の請負など兼業を緩和する地方自治法改正案」(210衆法 号)が共産・れいわ反対、自公立維国・有志の会賛成多数で可決し、参議院に送られました。週内成立で3か月以内に施行の見通し。

 「消費者契約法など改正案」(210閣法18号)はれいわのみが反対して、政府原案通り可決。参議院に送られました「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案」(210閣法22号衆議院修正は特別委員会での修正案を共産・れいわが反対し、自公立維国有が賛成して可決し、参議院に送られました

 泉健太代表のもと、政調会長らの4党協議会を担った長妻昭政調会長は4党協議の継続を望むなどとした談話を発表しましたので、社保税3党合意の雪辱を期しているのかも。6党幹事長会談を担った岡田克也幹事長は国民民主党の玉木雄一郎代表の修正は言葉遊びだとのツイートを批判する談話を発表しました。この法案をめぐっては、自・公・国の3党協議会も設置されましたが、私が認識する限りでは2回ないし3回しか開かれていないと思います。


[写真]4党協議会のようす、2022年11月1日、宮崎信行撮影。

[写真]6党幹事長会談のようす、2022年11月18日、宮崎信行撮影。

[写真]3党協議会のようす、2022年11月15日、宮崎信行撮影。

【衆議院消費者問題特別委員会 同日】
 上述の救済2法案を、総理入り質疑を経て可決・緊急上程しました。共産は別の修正案を出しましたが否決された後に、政府原案に賛成しました。

【参議院本会議 同日】
 きのう午後5時の理事会散会後に、石井準一議運委員長が開催を決定。会期末とはいえ極めて異例の木曜日に開催されました。立憲民主党の斎藤嘉隆参議院国対委員長は朝10時に「極めて違例、異例だ。会期末が迫るなか、参院での充実した審議時間を確保するための苦渋の判断」とツイートしました。

 「消費者契約法改正案」(210閣法18号)と「悪質献金防止法案」(210閣法22号衆議院修正を消費者相が趣旨説明。立憲民主党の幹事長部局の本部で西村ちなみ本部長と事務局長のコンビを組んだ、石橋通宏さんらが質問し、岸田首相らが答弁しました。

【追記 同日17時45分】「令和4年度出産育児応援給付金差し押さえ禁止法」(210衆法16号)が全会一致で可決し成立しました。月曜日上程木曜日成立の珍パターン。【追記終わり】

【参議院内閣委員会 同日】
 れいわ新選組の内閣委員が休職していますが、きょうは差し替えで舩後靖彦委員が登場。「PFI法改正案」(210閣法9号)を審査。共れ反対、自公立維国賛成多数で可決しました。週内成立のはこび。

【参議院法務委員会 同日】
 「民法家族法包括改正法案」(210閣法12号)が可決しました。共産が修正案を出しましたが否決された後、政府原案に賛成。本会議ではれいわ反対の賛成多数で可決・成立する見通し。

【参議院厚生労働委員会 同日】
 「障害者総合支援法・精神保健福祉法・難病医療法など一括改正法案」(210閣法17号)がれいわ反対、自公立国維共の賛成多数で可決すべきだと決まりした。採決時に傍聴席から複数の反対の大声が上がりましたが、委員長は意に介しませんでした。
 「薬害C型肝炎被害者救済法延長法案」(210衆法15号)はれいわの山本太郎代表が修正案を提出しましたが否決。この後、れいわが反対して、自公立国維共が賛成して可決すべきだと決まりました。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 「令和5年度の畜産価格に関する決議」が全会一致で採択されました。例年は閉会中審査になることも多いのですが、会期内に済ませました。恒例行事とも言えますが、ことしは大手鶏卵メーカーの倒産が相次いでいることへの危機感もあるのかもしれません。

【衆議院憲法審査会 同日】
 CM規制に関する有識者2人の参考人からの意見表明とそれに対する質疑だけがあり、散会しました。

【衆議院安全保障委員会 同日】
 一般質疑がありました。安全保障3文書への質問がありました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】
 一般質疑がありました。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

【追記有り】谷公一国家公安委員長が緊急搬送「意識ある」「容体不明」警察庁 各メディア一斉報道

2022年12月08日 13時17分23秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
[写真]谷公一国家公安委員長、きょねん2021年9月、宮崎信行撮影。

 谷公一国家公安委員長がさきほどの定例国家公安委員会のさいちゅうに倒れて、緊急搬送されたと各報道機関がいっせいに報じました。報道では、警察庁は「意識はあった」「容体は不明だ」と回答しているとしています。

【追記 同日14時】報道によると、診察を終えて病院を出ました。【追記終わり】

 谷さんは防災担当大臣も兼務。今国会ではマネーロンダリング・テロ資金をふさぐ「FATF実施法」の答弁にあたりましたが、年内の答弁の予定はありません。政府予算案の大詰めを迎えています。概算要求では「G7広島サミットの警備を含めた警護・警備」の今年度比4倍増などを求めています。

 谷さんは二階派。

 岸田首相は1月に内閣改造をするとの観測があります。

 以上です。

【速報】立憲民主党国対委員長、年明けの第211回通常国会は「児童虐待の観点から宗教法人法など見直す手を緩めない」とのプログラム提示

2022年12月08日 12時44分07秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]安住淳さん、おととし2020年、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は、その10分ほど前に「法人等による多額献金の勧誘の防止など2法案」(210閣法18号・210閣法22号)が特別委員会で修正議決したことを受けて、党内会合で「土台はできたので、次の通常国会では、これからの先に、行き過ぎた宗教団体がさまざまな問題を起こすことについて、フランスのような規制や、さっそく通常国会においては児童虐待の側から宗教法人がやっている子どもたちへの虐待の実態があるのではないかと二世の方からかなり聞いたので、宗教団体に対して手を緩めないでこの法案をさらに改良するために通常国会で議論したい」と語りました。

 同党幹部らがこのプログラムを提示したのはこれが初めて。

 召集前に、岡田克也幹事長が年内は霊感商法・多額献金を問題視し、年を越してから宗教法人法の解散要件を見直すとのプログラムを提示。その後、岸田文雄首相が解釈を変更しました。立・維提出の法案をたたき台にして、今回の修正合意が実現したことに自信を強めているあらわれ。

 現在のチーム構成の良さから、泉健太代表も賛同している流れの中での発言とみられます。

 また、安住さんの発言は、立・維「院内共闘」を保持しておいて、自公政権へのくさびと国民民主党へのけん制を含めていると思われます。まずは、安住さんの発言を具現化するような会議体ができるかどうかが注目されます。

 フランスの反カルト法などの規制は、行政の執行においては実態がないとの指摘もあります。

 このほか、同党衆議院議員に対して、10日(土)の在京と禁足を指示しました。

 以上です。