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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

今後の政治日程(後半国会展望版)を更新しました

2012年04月11日 18時51分14秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 今後の政治日程(後半国会展望号)を更新しました。どうぞよろしくお願いします。

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みんなの党渡辺喜美代表が党首討論に登場 自民党政権復帰後のねじれ解消に布石

2012年04月11日 17時40分14秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]自民党国対委員長の岸田文雄さん。

 きょう2012年4月11日(水)、党首討論(QT)がありました。残念ながら、「後半国会の事の運び」についての各党間の議論形成はまったくなかったと言えます。

 自民党総裁でシャドウ首相の谷垣禎一さん(衆院京都6区)、公明党代表の山口那津男さん(参院東京選挙区来夏改選)に加えて、みんなの党の渡辺喜美代表が初登場しました。

 衆参与野党による「国家基本政策委員会合同審査会の運営について」(2000年2月16日制定)という取り決め文書で、どちらかの院で所属議員10人以上がいる野党党首はQTに参加できることになっています。第22回参院選(2010年7月11日)に、11議席をもったみんなの党は党首討論の対象になりました。ただ、衆院議員が5人しかおらず、衆院国会基本政策委員会(30議員)に委員を出せておらず、
党首討論すなわち衆参の委員会の合同審査に渡辺代表が出られませんでした。

 ここで、岸田文雄・自民党国会対策委員長(衆院広島1区)の計らいで、みんなの党から衆院側の委員を出すことにし、11日の委員会で、渡辺喜美委員が選任されました。

 45分間の持ち時間は「野党間で調整できる」と前述の取り決めに書いてありますので、これも岸田裁定で「みんなの党は5分」ということになりました。谷垣30分、山口10分、渡辺5分ということで3党首とも物足りなさ、中途半端さを感じました。

 さて、なぜ、岸田さんがみんなの党に配慮したのか。記者団には「今後の野党連携に良い影響が出ることを期待している」とのことですが、むしろ自民党が政権復帰後の衆参ねじれ対策であることは間違いないでしょう。岸田さんは本音では「政権復帰後の与党連携に良い影響が出ることを期待している」とのことでしょう。

 選挙に「絶対」はありません。ところが、来夏の第23回参院選において一つだけ絶対があることにお気づきでしょうか。それは「みんなの党が議席を伸ばす」ということです。

 
[画像]参院の議席数、参議院ホームページから。

 みんなの党のは10人が非改選で、1人だけ、川田龍平さんが改選になります。川田さんは前回は東京選挙区で無所属で出馬し、5人区で5位となりました。お母さんが無所属で共産党推薦の衆院議員を務めたことと、龍平さん本人が薬害エイズ問題で菅直人厚生大臣がカウンターパートだったことから、共産党や民主党都連の支持層が一部投票していると考えられます。東京選挙区では山口那津男議員も改選になるほか、前回あわや共倒れしかけて組織に亀裂が入ったことから自民党が1人に絞る可能性があり、厳しい闘いです。ただ、いずれにしろ、比例代表48人区でみんなの党が1議席もとれないとは考えられず、みんなの党は11議席から~20議席台に乗せてくる可能性があります。

 公明党は9人が非改選で10人が改選になります。長期低落傾向の同党ですが、創価学会という組織がありますので、9人ないしは8人はとれるでしょう。そうなると18議席前後はとれると思います。そうなると、公明党とみんなの党の「元祖第三極」だけで242議席中40議席となります。

 ですから、民主党・新緑風会が2016年夏まで第一会派で居続ける可能性があるほか、自民党・たちあがれ日本と公明党もあわせて過半数はギリギリ届かない可能性が高くなります。 つまり公明党・みんなの党を含めた第三極が伸びて、二大政党の議席占有率が参議院で80%台に減少するのは確実です。すなわち、今夏に解散しようと、衆参ダブルになろうと、「民主党が勝っても、自民党が勝っても衆参ねじれは2016年夏まで続くのは確実だ」ということになります。この辺で、「ねじれ解消のために衆参ダブルで」と考えている人は認識が違います。とくに300選挙区中280選挙区以上で「自民党公認、公明党推薦候補」が立つ衆院選と、組織の力を見せつける参院選は違います。むしろ、同日にやって、衆院と参院の結果が違った場合は、現行憲法下で初の事態になります。当然、衆院が優先されると考えるべきですが、参院は魑魅魍魎がいます。例えば、公明党の白浜一良参院議員会長は、民主党の輿石東会長、自民党の中曽根弘文会長と仲良く参議院を運営しています。山口代表が参院議員なのに、参院公明党には山口代表よりえらい参院議員がいるんですね。あるいは社民党でも参院という世界では、福島瑞穂党首よりも又市征治副党首の方がえらいでしょう。それが参議院なんです。

 ただ組み合わせとして自民党・たち上がれ日本に公明党、みんなの党の連立というのは新自由主義的なみんなの党と福祉の公明党が相容れない可能性があり、難しい。民主党とみんなの党という組み合わせも難しい。民主党と公明党はあり得なくないですが、民主党が衆院で大きく議席を減らすでしょうから、実はありそうで、ないでしょう。だから、民主党代表で首相の野田佳彦さんがきょうの党首討論で渡辺喜美代表を「アジテーターだ」と呼びましたが、今後はみんなの党とは仲良くしておいた方がいいでしょう。

 現在は政治団体であり政党法人格を持たない「大阪維新の会」ですが、まずは大阪市議会での「大阪維新の会と公明党の連立与党」の維持が大事でしょう。橋下徹代表は大阪市長なんですから、自分の持ち場をイチバン大事にするのは当然です。ただ、来夏の参院大阪選挙区(定数3)ですが、組織や人気からすると、公明党公認候補と大阪維新の会ないし新党の公認(?)候補の2人が当選することは十分にあり得るでしょう。自民党は谷川秀善さんが息子(谷川とむさん)が自民党衆院大阪19区支部長になった見返りに引退すると見られ、自民党の新人と民主党で前回118万票大量得票で評判が良い梅村聡さんが3議席目を争う可能性が高いと思われます。橋下さんが公明党に遠慮して候補者を出さない可能性もありますが、大阪府選出の閣僚経験者は「おそらく両党が出して、棲み分けするだろう」との見方を示しています。

 こういう風にご説明してくると、うんざりして、「政界再編だ」「参議院廃止だ」という世論が出てきそうですが、チャンスがあります。まず、今国会でも与野党とも、力のある衆議院議員と参議院議員は政務三役や法案提出者として、両院を行ったり来たりしています。きょう衆院特別委で可決した「郵政見直し法案」(民自公提出、第180国会衆法6号)について、武正公一筆頭発議者(民主党花斉会、衆院埼玉1区)は、「昭和30年代以降、閣法を撤回して衆法を出したのはこれが初めて」という答弁をしていました。あす本会議で可決した後、武正さんらは参院にも出かけます。武正さんは岡田外相の代理として副大臣として参院でもだいぶ答弁しました。与党経験者が増えたので、「他院で答弁した経験がある議員」も大幅に増えました。民主党政府外衆院議員では、1期生の後藤祐一さん(衆院神奈川16区)が法案提出者として参院本会議で答弁したほか、2期生の稲見哲男さんは法案修正者として参院委員会で答弁しています。参院自民党の森雅子さん、佐藤正久さん、参院公明党の浜田昌良さんも政務三役入りの前に、野党議員ながら衆院で答弁しています。
 そして、日本国民全員にとってのチャンスは、日本共産党をつぶせるということです。共産党は今では選挙区では勝てず、比例区で3人が非改選、3人が改選となります。衆院9人も全員が比例です。第22回参院選で共産党は議席を減らし、参院外交防衛委員会(21議席)の委員の割り当てを失っています。同党の政策からすると、これは痛いでしょう。井上哲士元外防委員は、衆院選京都1区で伊吹文明さんに1000票差と肉薄した経験があり、その後参院に回りましたが、ホームページには「参院内閣委員の井上哲士です」と外防委員の座を失ったことは分からないように書いてあります。以前、イスラエルのユダヤ系の外国人経営者が憲政記念館にある見学者用コンピューターの議員リストに「JCP」という文字を見つけ、「日本に共産党議員がいるのか」と驚愕していました。政治に左右されてきたお国ですから、自由主義の権化である我が国に共産党という遺物がいることが考えられなかったのでしょう。たしか2007年の参院選直前に米ニュース雑誌「TIME」が日本共産党を1ページ取り上げ、志位和夫委員長がテレビ出演で大喜びしていました。私もその記事を読みましたが、どう読んでも「不思議な国日本」を揶揄した記事としか思えませんでした。

 というわけで、共産党を国会から根絶やしにするチャンスです。あまりそれを強調すると、同党が力を盛り返してしまいますから、ほどほどにしますが、共産党を倒せるチャンスと言うことで、なるべく「政界再編だ!」という最終結論に行くのは、なるべく抑えて頂きたく存じます。

 最後に、岸田文雄・国対委員長という方は、あまりよく存じませんが、先を読む目があると感じます。で、岸田委員長内定のときに、週刊誌に自民党国対関係者のコメントが載っていました。おそらく党職員の国対付きのベテランなのでしょう。「国対委員長はテレビに出るなど発進力が必要。そういう意味では、岸田は不向き。岸田というのは所詮は政調会長代理レベルの人材だ」という内容でした。自民党政調会長代理は各府省庁の「さばき」をする大事なポストで、政調会長代理経験者には官房長官に登用されることが多いのですが、とはいえ「国対委員長は不向きで政調会長代理レベルの人材」と言ってしまう自民党を取り巻く裏方さんも古いな、と感じます。政権交代ある政治で、しっかりと人材をフル活用できる日本を、まずは国会からつくっていきましょう。

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