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小金沢ライブラリー

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映画感想―『呪怨 白い老女』

2010年04月12日 | 映画感想

~あらすじ~
ディーフェンス! ディーフェンス! しょーほく! しょーほく!


~感想~
「呪いつづけて、10周年」のアホなコピーにふさわしい、呪怨らしいある種、頭の悪いホラーに仕上がっている。
バカ映画なので遠慮なくネタバレしていくと、まずバスケ老女。白塗りムンク顔の老女がバスケットボールを抱えてちょこちょこ走り寄ってくるというキャラで、出てくるたびに爆笑を誘われること請け合い。なぜバスケットボールかという説明は作中に一切ないのだが、これがもし手鞠だったらもうちょっと怖かったろうにと思えてならない。
バラバラになった時系列が最後まで観ると一つにまとまるのを褒める心の広いレビュアーも多いが、冷静に思い返してみると、まさにそのバスケ老女の部分で時系列的に説明の付かない点が出てくるのも(おそらくは意図的にやったのだろうが)マイナス要素。順序立ててきちんとまとめるのならば、むしろ正確にすべきであった。

整合性が無いといえば、呪怨名物の「関わったものは皆殺し」テイストも徹底していなくて、今回は温和になったのか目こぼしが多すぎる。こっくりさんで少女の霊を呼び出した三人のうち、一人は殺して(?)おきながら、同じ立場のもう一人には全くのノータッチ。残る旧友のアッキーナには心温まる恩返しだ。売り出し中のアッキーナを呪い殺させるわけには行かないと事務所の圧力が働いたのかと勘ぐってしまう。
そのくせただ殺人犯が利用しただけのタクシー運転手とか、ケーキの配達員の恋人など関連の薄い人間は殺すのだから、まとまりに欠ける。そりゃ説明がつかないのがホラーだけども。

そして極めつけは連続殺人で、殺人鬼と化した男の叔母(? これも作中で無駄に説明されないのでいまいち関係性がはっきりしない)が床に軽く叩きつけられ、髪をつかんで引きずられただけなのに瀕死のダメージを負っていて、浴槽に放り込まれようが灯油をかけられようが「痛いー痛いー」となぜか無抵抗。それなのに火をつけられると今度は「熱いー熱いー」と苦情を訴えるだけで、主に毛根にしかダメージを受けていないのに全く浴槽から逃げ出そうとしない、異常な熱耐性を披露しながらもそのまま焼け死ぬというコントを見せられ、笑い死にしそうになった。

冒頭の不穏な空気を漂わせた屋敷の描写なんかは非常にすばらしく、引きつけられたのだが、後半になるにつれバカ度が加速していったのが残念。だいたい首を切られた少女はともかく、あの老女は化けて出るほど別に怨んでないと思うんだ。
呪怨シリーズをモンスターパニック映画として観ている僕のような人種はいいが、真面目に怖いもの見たさで鑑賞すべきではないだろう。

あと犬のおもちゃと鳴きまね対決をするためだけに、白塗りでパンツ一丁になった俊雄くんにはいろいろと同情したい。


評価:0 なし
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映画感想―『ゲーム』

2010年04月04日 | 映画感想

~あらすじ~
巨万の冨を持ちながら、満たされない私生活を送る富豪の社長。誕生日を迎えた日、音信不通だった弟が現れ、お祝いにあるゲームに参加できるというカードをプレゼントされる。
半信半疑でゲームに参加した彼だったが、次々と奇妙な事件に見舞われる。やがて現実と虚構の世界の狭間で、彼の精神的なバランスは崩れていくのだった。


~感想~
これは感想を書くべきではなく、興味があるなら観てもらうのが一番。
この映画について事前になにか情報を得ていても、それでも十分に楽しませてくれることは間違いない。
一から十まで無茶なのは確かだが、映画でしか描けない、実に面白い物語である。豪華版世にも奇妙な物語とか言うな。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『チェンジリング』

2010年04月03日 | 映画感想

~あらすじ~
1928年。ロサンゼルスの郊外で暮らすシングルマザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていた9歳のウォルターが失踪。
誘拐か家出かわからないまま行方不明の状態が続き、そして五ヶ月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き駆けつけると、そこにはウォルターだと名乗る息子とは似ても似つかない少年が待っていた。


~感想~
実話をもとにしたのはいいが、展開まで現実をトレースするようにゆったりと流れてしまい、長すぎる上映時間とあいまって、どうしてもだれてしまう。
実話だけに意外性や超展開を求めるのは酷で、事件後は予想の範疇を出ないストーリーが最後まで描かれ、結末にちょっといい話で締める頃には飽きが来てしまった。
こういう映画をあまり楽しめない自分は、やはり良い映画ファンではないのだろうなあ。


評価:★★ 4
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映画感想―『CUBE』

2010年04月02日 | 映画感想

~あらすじ~
謎めいた立方体の部屋へ閉じ込められた職業も性格も違う6人の男女が、死と隣り合わせの脱出劇を繰り広げる。


~感想~
パズル映画(?)の金字塔として知られる作品。
低予算ながらそれを全く感じさせない、考えられた構成で、飽きずに最後まで観られるだろう。
しかし噂ほどではないというか、トリックや知的ゲームの妙味といったものは薄く、後半からのあるキャラの暴走からパニック映画に転じる展開も難点で、投げっぱなしのラストもいまいち。期待しすぎて観てはいけなかった。


評価:★★★ 6
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