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ミステリ感想-『法廷占拠 爆弾2』呉勝浩

2024年08月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
スズキタゴサクの5回目の公判の日、2人の男が法廷を占拠した。
彼らは警察との交渉を動画配信させつつ、死刑囚の即時の死刑執行を要求。さもなければ法廷を爆破すると脅す。


~感想~
綺麗に完結していた「爆弾」がシリーズ化。
作者はシンプルに小説が上手い。犯人グループは冒頭から正体を明かされるが、しかし到底本気とは思えない要求をし、その動機がいつまでも読めない。
交渉役には期待通りの人物が続投し、人質ながらこちらも期待通りに余計な口を挟むスズキタゴサクが絡み、いわば三つ巴戦に。前作からの続投となる人物にはそれぞれきちんと見せ場が作られ、先の読めないまま物語は進み、意外な決着を迎える。
正直なところ前作の出来には遠く及ばないし、今後のシリーズ化を見据えすぎてあざとい面もうかがえてしまうのだが、「爆弾」の続編に期待するものには十分に答えてくれたと言えるだろう。

それにしてもこのスズキタゴサクが「爆弾」まで何者でもない一般人かそれ以下だったとは絶対思えないので、いずれ学生時代からサイコパスだったスズキを描く外伝とか出ると思うのだがどうか。


24.8.15
評価:★★★☆ 7
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