~あらすじ~
北海道出張中の牧編集長から電話を受け、間宮緑は単身、杵槌村へ取材に赴く。
ここで春華亭古秋の後継者を決める口演会が開かれるのである。
ところが村は豪雨で孤立無援になり、やがて後継者候補が見立て殺人の犠牲に……。
04年本ミス大賞候補、このミス14位、本ミス4位。
~感想~
落語界の日常を描いた前作『三人目の幽霊』から一変して、どんどこ殺人の起きるいたって正統派の本格ミステリ。
一般感覚からずれた落語の世界を舞台にしながらも、過去の不思議な事件、見立て殺人、蘇る死者、遅れてきてもったいぶる名探偵ときわめてオーソドックスな展開をとり、名跡争いではなく富豪の遺産争いに見えてくる。
一から十まで真相に奉仕する、非常に本格ミステリとしておいしい作品なのだが、いまひとつ乗りきれなかったのは自分の問題だろう。それがド本格に対する飽きか年齢的な問題かはとりあえず措いといて。
とはいえ、誰も気づかないわけがない真犯人の正体とか、あまりに犯人の思惑通りに運ぶ展開とか、スムーズに行きすぎる連続殺人などは、初長編だけに(?)やはり造りは粗いと思うのだがどうか。
11.7.10
評価:★★★ 6
北海道出張中の牧編集長から電話を受け、間宮緑は単身、杵槌村へ取材に赴く。
ここで春華亭古秋の後継者を決める口演会が開かれるのである。
ところが村は豪雨で孤立無援になり、やがて後継者候補が見立て殺人の犠牲に……。
04年本ミス大賞候補、このミス14位、本ミス4位。
~感想~
落語界の日常を描いた前作『三人目の幽霊』から一変して、どんどこ殺人の起きるいたって正統派の本格ミステリ。
一般感覚からずれた落語の世界を舞台にしながらも、過去の不思議な事件、見立て殺人、蘇る死者、遅れてきてもったいぶる名探偵ときわめてオーソドックスな展開をとり、名跡争いではなく富豪の遺産争いに見えてくる。
一から十まで真相に奉仕する、非常に本格ミステリとしておいしい作品なのだが、いまひとつ乗りきれなかったのは自分の問題だろう。それがド本格に対する飽きか年齢的な問題かはとりあえず措いといて。
とはいえ、誰も気づかないわけがない真犯人の正体とか、あまりに犯人の思惑通りに運ぶ展開とか、スムーズに行きすぎる連続殺人などは、初長編だけに(?)やはり造りは粗いと思うのだがどうか。
11.7.10
評価:★★★ 6