「あたし、たぶん死ぬの」
ファンタジーや学園モノが多いライトノベルの中にあって異色の分類に入る「半分の月がのぼる空」。
三重県伊勢市にある病院が舞台で、何の特技もなく急性肝炎により入院した少年・戎崎(えざき)裕一と重い心臓病を患う少女・秋庭里香の切ない恋愛物語だが、これは良い。泣けるよ。うん。クリティカルヒット。
これを書いている時点ではまだ4巻までしか読んでないけどね。読むキッカケは私の1番好きなゲームクリエイターである麻枝准氏が読んだからっていう単純な話。その展開のアップダウンはKey作品に通ずるものがあると思う。
無鉄砲な主人公、病弱でツンデレなヒロイン、元ヤンキーの看護師、エロ本を数百冊持ってるエロジジイ、プロレス選手のマスクを被ると変貌する友人など結構バラエティ豊かです(笑)
1巻ではまだ出てないキャラも多いけど、かなり良い感じ。ヒロインの里香は可愛いです(*´Д`*)b
里香の奴隷と化した裕一が、里香のために色々無謀なことをするんだけど、それが面白い。
そして、大人から厳しい現実を突きつけられるが、悩みつつも前に進もうとする裕一と里香。絶対に応援したくなるよー。
17歳って良いねー。私にもそういう時期があったんだねー(遠い目
あと、17歳の少年少女の等身大な姿を描くためか、有名著作品を引用した部分が多く(この時期はドラマや漫画や小説などに影響されやすいから)、特に「銀河鉄道の夜」は読んだほうがこの作品をより楽しめるようになると思う。
泣ける話が好きな人にはオススメのライトノベル。Key作品が好きな人なら間違いなく好きになってくれると思う。
最後に。ラストの里香の言葉について。
「覚悟、できたから」
この言葉は2回出てくるけど、最初と2回目では同じ言葉なのにまったく違う意味を持つ。
それが嬉しかった。