お父さんの底力。

寅さんとか長島監督とかによく例えられるお父さん。ついに脳梗塞で倒れました。しかしマイペースさに変わりなし!

もうやけくそだ〜。

2016-11-01 10:04:27 | Weblog

病室に行くと、お父さんは私の顔を見るなり

「もうやけくそだ〜」

と言いました。

水とお茶だけ700ccだけ、という毎日にがまんできず、

ついにこっそり病棟を抜け出して(!)缶コーヒーを買って

飲んでしまったというのです。

「でもなー」

と情けなさそうに

「あんなに飲みたかったのに、思ったより全然おいしくなかったんだ」

と。

町をぶらついて、ふらりと喫茶店に入る。

回りの人のおしゃべりとか店に流れる音楽を聴きながら、

入れたてのコーヒーの香りをかぎながら、今買ってきた本を読む。

あるいは家でのんびりしていて、喉が渇いた頃合いに

コーヒーを入れて、飲みながらおしゃべりをする。

 

やっぱりそういう環境じゃないとおいしくないんだなあ、と。

 

「そんなことは当たり前のことだと思っていたけど、

いざできなくなるとそのありがたさがわかるなあ」

としみじみ言って、

ああ〜いつになったら帰れるんだろう〜。

と心からの声、と感じでため息をついていました。

 

暴飲暴食はぜったいだめだよ、と口を酸っぱくして言っていたのに、

にやにやしながら聞き流して、あげく勝手にもう治った、と

自信満々で、入院直前には同窓会でお酒を飲みまくったあげくのこの始末です。

自業自得だよ!と思いつつ、

やっぱり気の毒です。

好きな物も食べられず、飲めず、外出もできずに日がな一日過ごすなんて。

外に出て、人と遊ぶのが大好きなお父さんならなおさらつらいだろうな。