昨日の帰りの便では、座席が中央非常口のすぐ後ろ、前に座席のない三座席の真ん中で、脚が自由に伸ばせるのはとてもよかったのですが、左右両側から巨神兵のようなスペイン人父娘に挟まれる格好になり、それにはちょっと窮屈な思いをしました。感じの良い物静かなお二人ではありましたが。
非常口の脇ということはトイレの目の前ということでもあり、ほとんど常にトイレを使う人が脇を通るか、目の前でトイレが空くの待っているかするし、そのトイレの向かいにはキャビンアテンダントたちが忙しく立ち働くカウンターがあって、常に目の前の空間に人が立っているか動いているかして、とてもじゃありませんが、よく眠れませんでした。
それに、小物を入れる前座席背面のポケットがなく、その代わりに窓際の壁面に縦に二つポケットがあるだけで、窓際の座席ならともかく、真ん中の席ではそれさえ自由に使えないという不便さもありました。
でも、そんな不平を書き連ねたくて今日の記事を書いているのではありません。
今回の搭乗で改めて思ったことなのですが、長時間フライトのキャビンアテンダントというのは、ほんとうに重労働ですね。僅かな休憩時間を除いて、12時間超のフライト中、ほとんどずっと立ったままで、しかもじっとしてることはまずなく、食事のサービスのためやら乗客の個別の注文に応えるためやら、狭い通路を行ったり来たり。人一人やっとすれ違えるほどの小さなカウンター内で、必要なものを取るために、しゃがんだり背伸びをしたりして、細かく別れた棚を開けたり閉めたり。身勝手な要求をする客に対しても常に笑顔で対応し、疲れた素振りなど微塵も見せません。
今回は、彼女たちのそんな仕事ぶりをつぶさに観察できる座席だったというわけです。
私が座っている通路側を主に担当してくれたCAさん(華奢な容姿のそれはお綺麗な方でした)は、新人らしいその不器用さが微笑ましい二人のアジア系のCAたちに細かく指示を与えていましたが、それもいつも笑顔でした。このCAさんが、搭乗して座席に落ち着くとすぐに私のところに来て、「本日はご搭乗ありがとうございます。客室乗務員の〇〇でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます」って挨拶してくれたんですね。最初はなぜだかよくわかりませんでしたが、離陸時と着陸時にちょうど私の席の真向かいになるCA用の折り畳み式の座席に座ることになるからだったのだろうとあとでわかりました。このCAの方が休憩を取られたのは離陸後9時間以上経過してからだったと思います。もっとも、こちらはその間ときどきうつらうつらしていましたから、確かなことは言えませんが、見たかぎり、終始一貫、それはきびきびとスマートに動き回っておられました。
これらすべて、プロなんだから当然でしょ、とも言えます。が、今回は、その徹底したプロフェッショナリズムを間近に観察して、ほとほと感心した次第であります。
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八方美人でヘラヘラ、チャラチャラしていたら危険ですから。