先週金曜日のメディア・リテラシーの二つ目のグループの授業を終えたとき、機材の片付けをしている私のところに出席学生たちのうちの何人かが来て、「先生、ありがとうございました。これ、私たちからです」とリンツのチョコレートのパッケージをくれた。思いもよらぬことだったので少し戸惑ったが、「ありがとう。とても嬉しく思います」と型通りに応えた。私のちょっと大げさな反応に、彼ら、笑っていたけど。
十二月に入ると、日本ではこれがおそらく年内に最後に会う機会であろうというときに「良いお年を」と互いに言うのと同じように、フランスでは、 « Bonnes fêtes de fin d’année »と言うのが一般的だ。彼らもまさにそう言うので、まだ翌週に一回授業が残っているのに、翌週は来ないつもりで今日くれたのかよと思ったが、そういうことではなく、単純に、今学期の授業ありがとうございました、ということらしい。
そして昨日、これが本当に年内の最終授業だった。出席者はいつもの顔ぶれ全員だ。授業の終わりに、先週とは別のグループの学生たちが来て、ヴァンドームのチョコレートのパッケージをくれた。「ありがとう。でも、先週もうもらったよ」と言うと、「これは私たちからです」と言う。どういうグループがクラス内にできているのか知らないが、それぞれに相談して決めたことらしい。
どうしてですかと聞くのも野暮なので、昨日もただ一言礼を言っただけだった。おそらく、自分たちのために無償で一時間授業をしてくれたことへの感謝の徴ということなのだろう。私が自分で勝手に決めたことだから、そんなに気を遣ってくれなくてもよかったのにね。
でも、もし私の授業がまったくクソつまらなかったらこうはならなかったであろうから、学生たちがこのように気持ちを形にしてくれたことは素直に嬉しかった。この二つのチョコレートのプレゼントは、彼女・彼らたちが受けている他の授業とはかなり毛色が違い、やたらに哲学っぽい私の授業に対する肯定的な評価を意味するのであろうと、このうえなく楽天的に解釈している。
君たちのおかげで気持ちよく前期の授業を終えることができたよ。ありがとう。
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