今朝、6時20分から7時50分まで、法政大学哲学科の学部生15名とストラスブール大学日本学科修士課程一年生13名、法政側のK先生と私も含めて30名で今年度最初のオンライン合同授業が行われた。
法政側は今日が今年度の「国際哲学特講」の第1回目だったが、こちらはすでに演習を2回行った上で合同授業に臨んだ。授業時間を最大限有効に使うために、学生の自己紹介は第1回目の演習のときに録画してあらかじめK先生に送信しておいた。法政の学生の自己紹介も後日録画が送られてくることになっている。だから、K先生の簡単な開講の挨拶後、すぐに本題に入った。
今日の授業のためにこちらの学生には『ケアとは何か』の第一印象を日本語で3分にまとめて発表できるように準備させておいた。出席はしているものの体調不良の1名を除いて、他の12名はそれぞれに自分の考えを簡潔によく表現できていた。先週の授業でその12名はフランス語で第一印象を発表しているからすでに考えはまとまっていただろうし、今日の発表の準備のために生成AIを使った学生もいただろうが、少なくとも日本語での口頭発表に慣れるためにはよい機会であった。
法政の学生たちは今日が初回であったから、教室での講読なしにいきなりの発表だったが、『ケアとは何か』に対する自分の関心の所在をそれぞれに短くよくまとめて発表してくれた。この本を読むまでは、「ケア」についてあまり関心がなかったし、医療や介護に携わる側の問題だと漠然と思っていた人が大半だったが、実は人間の本質に関わるテーマであること、自分たちにもさまざまな仕方で関わりがある事柄であることはすでに全員よく理解していた。
第1回目としては上々の出来であったと評価できる。
今後オンライン合同授業は10月、11月、来年1月の3回が予定されている。11月からはSNSとテレビ会議システムを使って日仏合同チームによる発表準備も始まる。それらと並行してそれぞれの授業も学期末まで継続される。日仏どちらの学生にとっても、他の授業や演習に比べて学習量・作業量が多く、それに遠隔での共同作業のための時間調整も加わるから、負担が大きいとは思うが、それだけ注力するだけのことはあるプログラムだと自負している。
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