内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

寒春雑記

2023-04-20 23:59:59 | 雑感

 この春は寒い。もう四月も下旬だというのに、朝方三度、午前中はせいぜい十度前後までしか気温が上がらない。晴れていても曇っていても気温はさほど変わらない。雨も時々降る。春雨には違いないが、温みは乏しい。午後、晴れ間が広がっても十五度くらいまでしか上がらない。
 真冬の寒さに比べればなんでもない。でも、来てほしい春が来てくれない恨めしさか、ひどく寒く感じる。街中や公園の樹々には、花が咲き、新緑が広がりつつある。が、どこか寒々しい。
 今日の記事のタイトルにある「寒春」という言葉は気象用語としては使われるようだが、あまりお目にかからない。「かんしゅん」という、ちょっと硬い音の響きが今の天気に合っているように思う。私的語感に過ぎないが。
 「春寒」(はるさむ)は春の季語。角川ソフィア文庫の『俳句歳時記 春』には、「立春後の寒さ。余寒と同じであるが、すでに春になった気分が強い。」とある。同じ項に「料峭」(りょうしょう)が関連語として挙げてある。「春風が冷たく感じられること」で、これは今ストラスブールに吹く風にぴったりとくる。
 ジョギングには好適とも言える。一月下旬に転んで肋骨に罅が入り、二日間休んで以降、一日だけウォーキングのみにしたが、それ以外は毎日走っている。
 ただ、この二月余りの間、走っているとき、心臓部位に若干の圧迫感があったり、軽い目眩に襲われたり、それ以前にはまったく経験したことのない変調を感じることがあった。そういうときは、走るのをやめ、歩く。歩きながら、様子を見て、違和感がなくなればまた走り出す。調子がいいときは、十二、三キロ休まず走ってもなんの違和感もない。
 一日十キロという原則は守っている。それどころか、この二ヶ月で三十キロ以上の「貯金」ができている。が、速度は落としている。それでいい、と思っている。心身のバランスが第一。数値的な記録向上など今更目標にはならない。無理して体を壊すのは愚かである。
 来週は春期休暇。月と金には授業のない私にとっては明日金曜日から五月一日の月曜日までの十一日間休める。天気予報によれば、今週末と来週後半はこの季節に相応しい陽気になるようだ。花咲き新緑匂う春の温みの中、ゆるゆると走りたい。