
秋が好き。
澄み切った空を見上げると、心の中を涼やかな風が吹き抜けていくような心地がする。
少しだけセンチメンタルな雨の香り。
自分という人間を強く感じさせてくれる、そんな季節。
最近は自分の恋愛事情はとんと変わり栄えがしないものの。
周りの友人達には、いろいろな山谷が生まれているみたい。
結婚した七犯。
別れてしまったバーチャー。
一人に焦がれる新人君・・・。
誰もが、それぞれの事情を抱えて行過ぎる季節の足音に耳を澄ます。
哀愁はほろ苦く。
抱擁は暖かく。
苦しみは研ぎ澄まされ。
秋という時候に沈んでいく。
そんな秋に誘われて、ついぞ最近は夜遊びが激しい。
古い石畳を歩いたり。
危険なおもちゃと戯れてみたり。
懐かしい歌を口ずさんでみたり。
そんなひと時を、誰かと一緒にすごしたいような。
一人で過ごすことがいいような。
人恋しさに酔いながらも、ちょっとニヒルを気取ってみたり。
嗚呼。
秋はいいな。
10月は、大きくいろいろなことが変わっていく。
変化のない月なんてないけど、これだけ明確に変わることが分かる月ってのもなかなかない。
気を緩めると不安と喜びと焦燥が、ないまぜになって胸に迫ってくる。
今日は少しだけ、他人に優しくなろう。
今日は少しだけ、彼を受け止めてあげよう。
今日は少しだけ、彼女を支えてあげよう。
ないまぜな私を抑えながら、誰かの何かになろうと背伸びする。
今日は昨日よりも、いい人間であったと思う。
少しだけ、誰かを癒せたのではないかと思う。
ああ、よかったと思いつつ。
たった一人、寒い都会の光の中で夜遊びに興じてしまう。
多分私は、救われたいのではなく強くなりたいのだと。
ふと気がつく。
そんな夜。