南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

国会議員の素性

2008-03-21 17:20:22 | 政治

昨年の臨時国会、そして開会中の通常国会の討論・議論を聞きながら、自民党なるものの正体が分からなくなった。

先日、国会議員要覧を調べていて、ふっとその正体が分かった。
自民党は政策をもって成り立つ政党でないことがよく分かった。
この集団の論理が、追い求めるものが、「金」と「ポスト」であることもよく分かった。

国会要覧の「国会議員出身別一覧」を見てみよう。
衆議院議員は総数480名、そのうち自民党は304人である。
304人中、現・元国会議員に連なる“世襲議員”は151人、“霞が関”出身は56人だった。
参議院においては総数242人中、自民党は83人。
83人中、“世襲議員”は20人、霞が関は18人であった。
合計すると、、“世襲議員”“霞が関”合わせてなんと63%。

“世襲議員”は地元に道路や橋を造り続けねば票を失うし、、“霞が関”出身は業界に縛られ、霞が関の天下り先を確保しなくては用無しとなる。
これじゃ日本は救われるはずがない。



 


幸せの国“日本”

2008-03-20 12:49:49 | 政治

「同じ民族がまとまって一つの国家をつくる」
国際社会の理想はおそらくそうであろう。
しかし現実世界は大違いだ。
コソボチベットなどのニュースを見ると、理想と現実のギャップは耐え切れないほど大きい。
周囲を海で囲まれて大陸のように隣接する国境を持たない日本、ほぼ単一民族国家である日本、多神教で宗教観念の少ない日本、世界には珍しい国家だ。

同じ地域の中で違った民族の人々が入り組んだようにして暮らし、かつ共存しているのが世界の常識。
一つの国家に民族・宗教・言語が異なる様々な人々が住んでいるため、絶え間なく繰り返されてきた人類の戦争の歴史は、これらの対立から始まることが多かった。

現在、世界には200を超える国と地域が存在するが、民族数はこれをはるかに上回る。
民族を識別するうえでの指標のひとつが言語であるが、現在ある言語の数は約6800あると言われている。
国家を持たない民族の数は限りが無く、理想とする「1民族1国家」の夢は、夢のまた夢なのかもしれない。
それでも“自らの国を持ちたい”という夢に向かって彼らは闘うのだろうか。
平和の国“日本”にいる我々には正直判らない。

バルカン半島で起こっているコソボ独立運動も複雑な民族紛争である。
かつてバルカン半島には建国の父と呼ばれる「チトー大統領」のリーダーシップの下で、6つの共和国からなる「ユーゴスラビア連邦」という国家があった。
独自の社会主義国として成り立っていたが、「チトー大統領」の死去とソ連の崩壊によって一挙に解体への道を歩み始めてしまった。

民族の対立はどちらの側にも「正義」が存在しない。
コソボ問題も歴史をさかのぼるとローマ時代まで行き着いてしまう。
共存の道を探らない限り、民族間の憎悪と不満の連鎖が続くだけである。


イチロー選手の本気度 ②

2008-03-19 13:10:58 | 政治

日銀総裁問題も政府の代案で一件落着と思いきや、ヤスオ総理のご乱心(?)で総裁空白が確定。
心配されていた株価は下がると思いきや急上昇。
なんだこりゃ?
今後の焦点は「ガソリン税暫定税率」に移っていく。

イチロー選手の本気度は日銀総裁問題でも見えてきた。
ヤスオ総理の覚悟のほどがまだ掴めないが、いよいよチキンレースの様相になってきた。

(ここから先は私の想像の世界である。)

3月○○日、参議院で08年度予算案民主党対案が一部修正されたうえで与野党賛成で成立。
道路特定財源の一般財源化についても条件付で認め、「ガソリン税暫定税率は廃止」されることになった。
これで衆参議長のあっ旋どおり「年度内に一定の結論」が出されたことになる。

この成立に対して自民党○○議員はこう語った。
『内閣法制局の見解が想定外だった。
当初参院で否決されても衆院で再議決の道が残されていると考えたが、「対案の可決をもって政府案を否決したとは見なせない」とされてしまった。
そうなると参院で与党が反対しても対案は成立するので意味がない。
結局、堂々巡りの果てしない世界に嵌ってしまう。
(参院で野党が対案を出さない、出せない、出す必要のない状況をつくるしかないのである)
大パニックを引き起こさないようにするためには民主案に賛成するしかなかったのだ。』

その後、自民党若手・中堅議員や公明党の同調により、「ガソリン税暫定税率」問題は、税の根本的議論をしながら“環境税”としての検討が始まっていく。
ヤスオ総理は指導力を失っていくが、結局解散権を行使できないまま死に体に近づく。

イチロー選手はチキンレースの疲れを癒しながら、好物のおでんを食べるため静岡県へ遊びにいくのであった。
おでんを食べながらイチロー選手は次の一手を考えた。
その一手とは・・・・。


労働法のしくみ

2008-03-18 13:03:48 | ユニオン

読者Tさんからメールいただきました。
3月12日のブログ「
新法・労働契約法」に関連してのメールです。

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
契約法取り上げていただき感謝します。
機会があれば、もう少し触れていただきたいことが2点あります。
①労働基準法18条の2「社会的相当性がない解雇は無効」の部分が、労働基準法から削除され、労働契約法の16条に移行されたこと。
②就業規則の変更による労働条件変更(切り下げ)が可能になったこと。
これは、既存の労働組合があっても、みちのく銀行事件、秋北(シュウホク)バス事件の判例に見られたことが、法律になったことから、労働組合役員がしっかり認識しなければならないものです
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
メールありがとうございました。

労働法の中核は労働基準法ですが、時代の流れの中で労働環境の変化などにより、法令が増える傾向にあります。
私たちもこれらの新法や改正についていくのは至難の技ですが、お互いにがんばりましょう。

私自身が常に意識していることは全体的な法体系のなかにおける労働法の位置づけと意義です。
一言でいうならば「労働法」の概念です。
憲法は国の最高法規であり、民法も労働法も憲法の下にある法律のひとつですから、なんびとも憲法(民法や労働法)に違反することは許されません。
しかし民法には、憲法の定めた“勤労の権利”や“児童酷使の禁止”“勤労者の団結権”“団体行動権”などは触れられておりませんし、守られてもおりません。
ですから労働に関する争いを民法で裁くことには無理が生じます。
労働法の根底にあるのは“健康で文化的な最低限度の生活を営む権利”(憲法25条)と“法の下の平等”(憲法14条)を守ることです。
 
日本国憲法というと「9条」だけが頭に浮かぶ人たちが多いかと思いますが、実際にはもっともっと意味深いものをもつ国の最高法規です。
この憲法を完全に読み取ることができれば新法も改正も恐れることは無いと私は思います。

イチロー選手の本気度 ①

2008-03-17 12:58:31 | 政治

いよいよ佳境にはいってきた国会を振り返ってみながら“イチロー選手の本気度”を見てみよう。

政府与党は、昨年末15日までの臨時国会を、年明け1月16日まで再延長した。
1日空けた18日には通常国会を開会するが、臨時国会でどうしても成立したい法案があったからだ。
昨年11月1日参議院で否決され失効していた「旧テロ特措法」を、1月11日衆院与党による再可決で成立させた。

「新テロ特措法」成立までの大騒動は記憶に新しい。
9月12日のシンゾー総理“突然の出社拒否騒動”。
11月2日のヤスオ総理とイチロー選手の“大連立構想事件”と、“イチロー選手出戻り事件”。
まあそれでも海上自衛隊は、特別休暇を終えたかのように何ごとも無く颯爽とインド洋へ出航していった。

通常国会は“テロ特措法”以上の大荒れとなる。
3月末までに予算関連法案を通過させないと日本中が大パニックに陥るからだ。
予算関連法案の中には「ガソリン税暫定税率」だけではなく様々な“日切れ法案”が存在している。
与党側は、これらが仮に参議院で否決されても60日間の「みなし否決」規定(憲法第59条:法律案の議決、衆議院の優越)を使い、最悪でも3月末には法案を成立させることを念頭において戦略を練った。
しかし、1月末にはどうしても衆院通過をさせなくてはならなかった“ガソリン税暫定税率日切れ法案”も、次々と明るみに出てくる道路財源の不適切な利用などで世論の反発が強まり強行採決を断念せざるを得なくなった。

苦肉の策「ガソリン税暫定税率2ヶ月延長」という議員立法も封じられた与党は、1月30日衆参両院議長のあっ旋に縋ることとなる。
そのあっ旋とは「年度内に一定の結論を出す」という内容を与野党幹事長が合意するというものであった。

2月29日夜、08年度予算案は衆院予算委員会で与党単独で可決される。
野党は審議不十分であると抗議、民主党は同日、参議院に《道路特定財源の一般財源化やガソリン税の暫定税率撤廃》などを盛り込んだ予算案対案を提出。
数多くある“日切れ法案”のうち「ガソリン税の暫定税率」に関する部分だけを削り取った法案ともいえる。
ここに「政府案」vs「民主案」が出揃った格好となり、参院での審議に注目が集まる。
まずは日銀総裁の人事問題をかたづけての第2幕、いよいよ正念場である。
                                              (続く)


早期解散を求めよう

2008-03-16 15:15:32 | 政治

12時から2時まで行われた民主党県連主催の「道路特定財源改革に向けた緊急街頭活動」。
静岡市の青葉イベント広場を会場にして、1区から8区までの現職を含む全立候補予定者と参議院議員、地方議員有志がリレー方式で街頭演説を繰り広げた。
署名活動も同時に行われていたが、市民の反応はイマイチという感じ。

約2時間の街頭演説を聞かせていただき“お勉強”する。
室内の演説と街頭演説では話し方や内容にも工夫を要するね・・・。

それにしても衆議院を早く解散し、国民に信を問うことを求めたい。
今日的な政治テーマは「道路特定財源の是非」をめぐる与野党の闘いであると同時に、「霞が関主導体制の是非」、「税の使い方の是非」をめぐる与野党の闘いでもある。
言い換えれば『国のかたち』を決める闘いでもある。

政権交代はやはり時々為されなくてはならない。
政権交代が起これば、秘密が暴露される。
政治家も官僚も、政権交代が可能な社会ということはそういうことだと知るから、好き勝手はできなくなる。
暴露されたら困るから自民党は絶対に政権を手放さなかったのである。
イデオロギーの異なる日本社会党村山富市氏を首相に担いだ“自社さ”3党連立政権(94年)も、イチロー選手を“悪魔”と呼んだ野中官房長官自らがその“悪魔”の足元にひれ伏して成立した“自自公”連立政権(99年)もそう考えれば納得できる。

これからは政権交代が起こりうるとなれば、政治家も官僚もいずれ情報はすべて開示されるということを前提にして仕事をするはずだ。
まだまだ未熟な民主党だが、『国のかたち』『政治のかたち』を根本から変えるためにも早期に衆議院解散を願いたい。
その結果がどう出てもそれは有権者の責任、とにかく国民の声を聞くべきだ。
みんなで声をあげよう!衆議院早期解散せよ!


朱にまじわれば赤くなる

2008-03-15 19:14:22 | Weblog

福岡県の中学校で男子生徒が授業妨害などを繰り返し、校長と教頭先生が休職・自宅療養している事件。
学校側は暴力行為に対しての被害届けを出し、中学生二人が逮捕された。
この中学生たちも、産まれたては純粋無垢な赤ちゃんだったはずなのに、なぜかこうなってしまった。

「法句経」の中に「聖者に会うやよし、共にありて常に楽し、愚者に会わずば常に安楽なるを得ん」という言葉がある。
聖者とか賢者といわれる人と一緒にいることは幸せであるけれども、愚かなるものと一緒にいることは危険なことだという意味で、友達の大切さを説いている。
“朱にまじわれば赤くなる”ということであり、“類は友をよぶ”ということであろう。

裏返していうならば、「愚かなる者が友として集まってくるのは自分自身が愚かだった」ということであり、私自身も過去を振り返るとその意味がよく判る。
良い友達が欲しくなって努力したり精進したりしたお蔭で、なんとか世間に対して恥ずかしくない自分になれて、現在は良い友達に恵まれている私は幸せだ。

逮捕された中学生たちよ、君たちも自分を変えてみよう。
君が変われば友達も救われるよ。


でっち上げ事件

2008-03-14 17:26:48 | Weblog

映画「それでもボクはやってない」を彷彿とさせる様な事件が大阪で起きた。
大阪市営地下鉄の電車に乗っていた男性(58)が、大学生と交際相手の女性が仕組んだ痴漢でっちあげ事件にはめられたというものだ。

男性はポケットに両手を入れて立っていたが、駅に着く直前に隣の女性がしゃがみこんで泣き出し、近くに居た大学生が「触りましたね」と言ったそうだ。
「はめられた」と感じた男性は自ら駅員に声をかけて事務所まで行くが、駆け付けた警察官はほとんど大学生と女性の話を鵜呑みにし、とうとう彼は留置場に放り込まれてしまった。
寒さと不安で一杯になった男性は家族への連絡も絶たれて一睡もできなかったそうである。
幸いにも翌日は釈放され、女性の自首によって無罪放免となったが生きた心地もしなかっただろう。

留置場で彼は思ったそうだ。
(犯罪者にされてしまい、汚点が残る。
嫁入り前の娘がいるのにどうなるのか。
会社もやめなくてはいけないかもしれない)
この事件では無罪が証明されたが、同種のでっちあげ事件は東京都心でも多いと聞いたことがある。

はっきり言わせてもらえば私は東京出張が嫌いだ。
その理由のひとつがここにある。
朝のラッシュの凄まじさ、自分の手足の自由を奪われて、そのうえでっちあげ事件に巻き込まれたら死ぬに死ねない。
せめて男性列車と女性列車をラッシュ時だけでも分けてもらいたい。

東京1極集中の弊害が取り沙汰されて久しい。
都心にある連合本部だけでも東京から抜け出してもらえないものでしょうか?
熱海に来てもらえたら家賃も安い、温泉もある、食べ物も美味しいから、全国の仲間たちも喜ぶのではなかろうか。


春闘真っ盛り

2008-03-13 12:41:45 | ユニオン

12日、春闘の相場形成に影響力を持つ金属労協(IMF-JC)加盟の自動車や電機など大手企業の回答が一斉に出された。
最も影響力を持つトヨタ自動車の1000円が今後の中心相場になっていく。
日産自動車の回答額7000円は1人当たりの賃金改定原資総額であるから、トヨタ自動車のそれは・・・・であろうと推測する。

大幅賃上げの期待には応えられなかった回答との評価ではあるが、交渉する立場から言わせれば毎年のことではあるが、精一杯の努力の結果であろう。
問題はこれから始まる中小企業の交渉である。
連合静岡が算出した300人以下定昇実績値(1人当たりの賃金改定原資)4800円を軸にして、どれほどの積み上げができるかである。

天下のトヨタ自動車と比較しても交渉にはならないから、連合静岡調査2万2千人の個人別賃金分布図をうまく使いながらこれ以上の格差が広がらないような回答引き出しを期待したい。

問題は全雇用者の半数2600万人を抱える100人未満の春闘である。
労組組織率も1.1%であるから要求すら出されていないのが現状だ。
ひたすら経営者の良識と福田首相からの賃上げ要請に期待するしかないが、昨年の結果を見ると約半数は賃金凍結、定昇ゼロであった。

円高がますます進行している。
いよいよ内需中心型経済にシフトしないとやっていけなくなってきた。
がんばれ!中小労組のリーダーたちよ。


新法・労働契約法

2008-03-12 17:24:35 | ユニオン

今年の3月1日から「労働契約法」が施行された。
4月1日から施行の「改正パートタイム労働法」の陰に隠れて目立たない存在だが、その法律の意義は大きい。

連合静岡に寄せられる相談で回答に悩むケースに対しても、その紛争解決のための民事的なルールを「労働契約法」は提示してくれている。
就業形態が多様化し、労働者の労働条件が一方的に決定・変更されるケースも多くなっている。
またこの法律では、紛争を防止するために労働契約の内容をできる限り書面により行うことを求めていたり、一方的に就業規則を変更し労働者に対して不利益を与えることを禁止している。

出向命令や懲戒命令についても、権利濫用した場合の無効を規定している。
有期労働契約についても契約期間中の解雇無効や、必要以上の細切れ契約に対しての疑義も強めている。

最近増えてきたパワハラ紛争についても、第5条で『労働者の安全への配慮』を規定したことで、会社側が個人間のトラブルであるとする逃げ方はできなくなる。
しかし現実問題としてパワハラを認定する基準については難しいものがある。
上司から何回も注意や叱責を受けたからという相談もあれば、上司から無視されているという悩みの相談事例もある。

昨秋、職場の上司から暴言を受け続けていた会社員が鬱病になり自殺した事件で、労災を認める判決が東京地裁から出された。
この根拠となったのは①言葉の内容の厳しさ、②嫌悪の感情、③言い方の問題、④被害者の勤務形態、であったという。
①から③は文面どおりだが、④は同僚らとの接点が少ないためストレスのはけ口がなく、周囲もパワハラの状況に気づきにくい勤務形態だったという点だ。

トラブルが発生したら毅然として闘うことも大事だが、日常の職場生活の中で労働組合や働く仲間たちがパワハラに対して目を光らせていくことこそ最も大切だと思う。

個別労働紛争が社内において解決しない場合には、「労働委員会」や「労働審判」の場に委ねられるが、「労働契約法」がその際の強力な助っ人になることは間違いない。
しかしこの法律の最終目的が労働者の尊厳を守ること、であることを私たちは忘れてはならない。