辞めてしまってからの労働相談が目に付く。
会社の退職勧奨にうまく乗せられてしまう例も聞くが、辞表を出してしまうと労働者は弱い。
退職届けは使用者に到達した時点で効力が発生し、撤回を求めても原則としては使用者側の同意がなければ撤回できない。
もちろん騙されたり脅迫されたりして退職を強制されたことを証明すれば別であるが、それを裏付ける証拠類の収集が必要である。
辞めることはいつでもできるから、辞める前によく考えよう。
人間関係が希薄化し、成果主義導入による軋轢などで、メンタルヘルス不調者も増加している。
あなたがそういう所に追い込まれないという保証はなにもない。(もちろん私自身も・・)
自殺の背景には精神障害が大きく影響(75%)しており、その半数がうつ病であるという。
最近、県がスポンサーで流しているテレビCM“睡眠キャンペーン”は、精神障害の初期サインである不眠にスポットを当てたものだ。
不眠に悩む人はどうすればいいか?・・病院に行きましょう・・というアピールだ、と私は思う。
もしあなたが精神的に参ってしまって病気(不眠や気力減退など)になったらどうするか?
会社側があなたの病気を理由に言葉巧みに退職を勧奨したりしてきたらどうするか?
迷惑がかかるから辞めよう、耐え切れないから辞めよう、などと考えてはいけない。
まずは病院へいって相談する、治療に入る。
会社へ行くのが辛ければ、「休職願い」を出す。
健保に、「傷病手当金」を申請する。
こうすれば会社から給与が出なくとも、給与の約2/3は健保から支給される。
在職中にもらっておけば、同じ病気で働けない状態が続く限り、会社を辞めても支給される。(支給金額・期間には上限あるが・・)
この制度を悪用した労働者もどこかの○○には居たようだが、本当に病気になった場合は利用することが必要だ。
大半の会社では、病気が判明すればこの制度利用を進めてくれるが、そうではない会社も案外多い。
最長で1年半は、この制度を利用して治療に専念できる。
健康体で復職し、心気一転がんばればよい。
自らが辞めてしまってからでは何事も遅いことをまず知ろう。