南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

私たちの福祉活動

2010-05-19 17:18:27 | ユニオン
労働運動と福祉活動はどのように関連付ければよいのでしょうか。
そもそも“福祉”とはどういう意味でしょうか?
辞書を引くと、“しあわせ”とか“ゆたかさ”という言葉が出てきます。
“しあわせ”や“ゆたか”になるための活動が福祉活動であるならば、まさしく労働運動そのものが福祉活動です。
労働組合の誕生とともに、労働者の手によって誕生した様々な「協同組合」もその運動のひとつです。
現代の「労働金庫」や「全労済」もそれであり、そのことが案外理解されていません。
なぜでしょうか?

労働組合はいつ、どうして誕生したのでしょうか?
いつ : 1800年代
どこで : イギリスで
なぜ : 産業革命によって労働問題や社会問題が発生したことから、労働者が集まって、語り合って、相互扶助としての労働組合が誕生した。

相互扶助とは、弱いもの同士がお互いに助け合うことです。
労働組合は徐々に仲間を増やしていき、議会への請願団を結成したりして、労働者を守るための法律を整備していきます。
そのうちにヨーロッパを中心に国家を超えた連携活動が生まれ、1900年代にはILO(国際労働機関)が設置されます。
先人たちの流した血と汗で世界中に労働運動は広がっていきました。
そしていつからか労働組合の組織率は低下しはじめ、新たな労働問題や社会問題が現代に数多く発生しています。
なぜでしょうか?

世界で初めての協同組合はイギリスの「ロッチデール公正開拓者組合」です。
発足当時の組合員数はわずか28人でした。
この小さな組合が掲げた原則は「ロッチデールの原則」として協同組合のシンボルとして語り継がれ、世界を大きく変えていきます。
そのなかのひとつに「教育の原則」があります。
これこそが最も重要な原則だと今さらながら気がつきました。
教育にはお金がかかりますし、効果はすぐには出てきません。
しかし経営は厳しくとも「教育」があればこその「協同組合」ですから、ロッチデールでは「利益の2.5%を教育に回す」ことを厳格に守り続けました。
組合員が協同組合としての“最も大切なもの”を忘れないようにするために教育を欠かさなかったのです。
教育があったからこそ組合の継続・発展があったとしたら、現代の反省点は教育を怠ってきたからに他ありません。

なぜこうなったのか。
私たちリーダーは真剣に反省する必要があります。
「言葉だけきれいなことを言って、自分は実行していないことがあるとしたら、人は私を信じない」
あのマザーテレサの言葉です。

尊敬するマザーテレサが静岡にやってきました。
生誕100年を記念して、静岡市内のシネ・ギャラリーでドキュメンタリー映画7本を上映中です。
メディアを嫌っていたマザー・テレサの実像をとらえた貴重な作品集です。
その崇高な精神性に触れるいい機会ですから、興味ある方はぜひご覧になってください。