南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

実体を脅かす株価先物

2008-11-01 13:54:19 | 経済

31日産経新聞1面の囲み記事「市場破壊に転じた株価先物」でこの数日来の異常な株価の動きが少し理解できた。

『財務体質は健全なのに日本の優良企業の株式が一方的に投げ売られる。
そこで暗躍するのは、「日経225」と呼ばれる株価指数先物を売り浴びせる投機筋だ。』
・・・「日経225」とは日経平均株価を算出するために選ばれている日本を代表する225銘柄を現す・・・・

『日本の株価指数がグローバルに取引されることは日本企業の国際化にもつながる。
ところが最近は、「日本では尻尾(先物)が胴体(現物)を振り回し急落させている」との見方が市場関係者の間で広がっている。』
・・・「日経225」は個々の株式の売り買いではなく、“日経平均株価”の先物取引だ・・・

『「円高は日本株売り」というプログラムが世界の投資家たちのコンピューターに組み込まれている。
円高が進めば、平均株価の先行きは下落とみれば間違いないのだから、投機筋は安心して先物市場で売り浴びせる。』
・・・サイコロ博打で壷の中身が見えているような状況であるから、レバレッジを使った巨額なマネーが空売りに走り、健全な会社の株も急激に下落する・・・

『それをみた国内外の投資家はますます悲観的になり、個別の株式現物を慌てて売る。
味をしめた投機筋は先物をさらに売る。
現物の株式を借りてきてそれを売り飛ばす「空売り」でさらに儲ける。』
・・・投機家たちは頃合を見て安値で株式を購入し借りていた株式を返す、まるで“濡れ手で粟”状態だ・・・

『株式の空売り規制に乗り出した政府も株価先物市場についてだけは、「自由市場」原則をいまなお尊重している。
しかし、米国式の自由放任原則の歯車が逆回転し始めると、市場経済全体を破壊するという現実は、日経平均先物市場をみても明らかだ。』

円高は資源の少ない日本にとって考えようによってはチャンスであるはずだ。
しかし円高を危機としかみない、強欲的な金融ルールを自らが考え直さないような日本はハゲタカたちの絶好の餌食だろう。