南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

反面教師

2007-01-09 18:21:08 | Weblog

『ホワイトカラー・エグゼンプション制度では労働時間の歯止めがなくなり、残業代も払われない。
今でさえ長時間労働が横行し、不払い残業が絶えない労働現場。
違法行為を取り締まる第1線の労働基準監督官からは「刑法から殺人罪を削るようなもの、労働基準法が空洞化する」
と批判の声が出ている。』

赤旗の記事ではなく中日新聞の記事である。
ここまで激しく批判する記事は一般紙には珍しかった。
しかし、この「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」には財界ご用達の「日経新聞」ですら懐疑的である。

さすが自民党も慎重論が噴出、「企業寄りでは参院選戦えぬ」と一転して棚上げの見込みも出てきた。
(柳沢厚労大臣はいまだ法案提出の考えであるが・・・。)
そもそも、なぜこの時期にこの制度なのかという説明ができない。

経団連は制度導入により「能力を発揮するため時間にとらわれない働き方」を実現でき「集中的に働き休む」ことで総労働時間は短縮できるとしている。
断じてありえない。

政府の経済財政諮問会議の八代尚宏氏はチラリと本音をのぞかせた。
『経済のグローバル化で低賃金の国との競争にさらされている。
・・・成長促進のためには労働市場をより自由、柔軟にし、非正社員も含めて雇用のルールや働き方を大きく変える必要がある。』と。

『米国は今、自ら推進したグローバル化の副作用に苦しんでいる。
激しい国際競争の影響を受けたのは、特殊な技能を持たない「普通の人々」。
崩壊した中間層の多くは格差社会の下部へと押しやられている。
グローバル化の加速は米国の労働者に中国やインド、ベトナムとの賃金競争を強いる。』
(朝日新聞 「3億人のアメリカ」 より)

目と鼻の先に日本社会の近未来図が見える。
悪しき未来なら変えることでこそ、「反面教師」も生きてくる。