きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

平成くん、さようなら

2019-04-18 | 


今日は家で仕事しました。図書館で借りて、古市憲寿の「平成くん、さようなら」を読みました。平成の時代が終わる時に、ちょうどマッチしたタイトルの本です。図書館で予約していて、平成の間に読めて良かったです。ワイドナショーなどでよく見かける古市氏のコメントが好きで、興味があったので読んでみました。読みやすかったし、思った以上に面白かったです。「平成(ひとなり)くん」という男性とつきあう愛ちゃんが語る、安楽死をテーマにした物語です。時代の象徴のような平成くんは、平成時代の終わりとともに安楽死したいと希望しています。物語の中では安楽死が合法化されています。平成くんが著者と似ている感じがして面白いです。洋服のブランドやお店やテレビ番組など、固有名詞がたくさん出てきて、「なんとなく、クリスタル」を思い出します。著者がインタビューで「平成は昭和と違って、終了する日があらかじめわかっている、その点が安楽死的だなと思って」というのがなるほどと思いました。安楽死を望む平成くんと、理解できない愛ちゃん。平成くんの本当の気持ち、そして愛ちゃんとの関わりで感じたこと、そして彼が作ったもの。著者がインタビューで語る通り、「平成はアーカイブの時代、情報だけを入手して生きていくことができる」、それが伝わるラストでした。最後はせつなかったな。現代風な乾いた切なさで、私は好きでした。
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