旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

トレジャーハンター

2020年01月18日 11時52分49秒 | エッセイ
トレジャーハンター
 男の夢でしょ、トレジャーハンター。この国に来て働いている人、住んでいる人の内、何人かはこの夢に取りつかれる。
 骨董?宝石?それとも銀貨?金貨?自分の友達は小柄な女性で、多分自分の半分くらいの体重だろうに、目の細かい柄の長い網を手にして、エイヤワディー川の河口、汽水域を歩き廻り、うなぎの稚魚(シラス)を探した。
 日本への空輸を企てたのね。かっけー。まっ見つからなかったのは、仕様がない。でもその冒険に、俺も加わりたかった。
 自分が考えたのは、伽羅。伽羅(きゃら)の原産地は、圧倒的にベトナムだが、極く一部ミャンマー産と称するものが、たまに市場に出る。品質の高いものは、数十万円する。

 他の先生(英語のお嬢さんたち)に話したら、それなら直ぐに手に入る、という。数日後の受け取ったのは、ニッキだった。ニッキ、いい匂いだね。これはタダみたいな値段だ。カレーに入れて、風味をつける。
 やっぱ、こういうの中国人の漢方薬屋でしょ。場所を調べてもらい、休日にダウンタウンに行った。カビくさいような、薄暗くて大きな店に入ると、棚に感じで見慣れた数十の薬品。あった、あった。沈香(じんこう)だ。伽羅になる(長いと500年かかる)前の木の木片が、つぼの中にぎっしり入っている。
 値段は一掴み3,000チャット(210円)。でもこれ、もちろん伽羅じゃあない。木片そのものだ。それでも興奮したなあ。一歩近づいた。9,000チャット分買った。カウンターの後ろの数十の引き出しの中に、キャラはないのか?無いそうだ。ついでに龍涎香(りゅうぜんこう)も聞いてみた。これもない。しかもこの沈香、中国産だと。

 ま、いいや。今日はここまで。やっぱ、北部の山岳地帯に行かねば。学校に戻って、沈香を燃やしてみた。火を消すと煙が出る。んっ?木の燃える匂いだけじゃん。待てよ、ちょっと線香っぽい匂いが?やっぱ、しないか。
 まあ、こんなんじゃあ、何にもならない。でも、ケケケ、今に見てろよ。他にもお宝は山ほどあるぜ。見つけても、ここには書かないけどね。
 
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