「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシアの兵器・事情<2023・4・19ウクライナ紛争

2023-04-20 13:04:31 | ウクライナ紛争

新型兵器の製造に困難抱えるロシア、旧型投入で継戦能力維持か CSIS報告書
2023.04.19 Wed posted at 19:50 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35202827.html

ロシアの装備は「過去に後退」と西側当局者 第2次大戦後世代の戦車も投入
2023.04.19 Wed posted at 13:06 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35202810.html

ロシア軍は、これまで比較的型式の新しい戦車のTー72、Tー80、Tー90などをほとんど失っていると推測されます。今、ウクライナ領に配備されている分以外は在庫がないと思われます。新規の製造は、部品不足で困難です。

不足している部品は、砲撃のための光学システム、ボールベアリング、高級工作機械などです。中でもボールベアリングは致命的で品質が低いと耐久性や品質の劣った製品しか作れません。ボールベアリングは、あらゆる種類の車両に必要です。陸上の特殊車両の製造は、困難であることになります。加えて半導体不足があります。だから、旧式の在庫のある武器を使うしかありません。
航空機や無人機、ミサイル、電子戦の装備についても同じです。だから、イランから無人機を輸入しています。

しかし、旧式のT-55シリーズは膨大に数があるので、既に前線に送られているようです。

陸上の戦闘用の特殊車両については、全部同じです。トラックを考えても、旧式の古い性能の劣った製品しか作れないでしょう。乗用車の製造を見ていると、良く分かります。部品一式中国の部品メーカーに全部、依存しています。民生用なら出来るかもしれませんが、軍用の部品は中国も部品の提供には、慎重になると思います。

戦闘機やミサイル、高度な電子戦の装備、通信機器全部、新規の製造は、難しいと思います。

去年のように圧倒的な火力と戦車を投入して、兵器の数で押しまくる戦術を取るのは、難しいでしょう。

だから、冬の戦いの後半では、戦車や歩兵戦闘車は少なかったようです。破壊されると次を送れないことになります。在庫を送ればいいと言う簡単な問題ではありません。旧式でも戦車は精密機械です。1回ばらしてメンテナンスして組み立てなおす手順が必要です。やらないで送り出すと戦場ですぐ故障すると思います。

そのためロシア軍の戦術は、大砲や旧式の多連装ロケット弾を撃ち込んで、歩兵が突撃するようなことになります。そのため歩兵部隊の損害が攻めるほどに多くなります。

今、ウクライナ軍の主力戦車はTー64かTー72です。Tー72は分捕り品とポーランドからの供与分を合計すると結構、数があると思います。Tー64もTー72と比較すると一時代前の戦車です。Tー55と比較するとその次の新型戦車なわけです。

しかも、Tー64ですら故障が多くてウクライナの戦車兵が困っていました。それより古いロシアのTー55は故障だらけになると思います。

☆ウクライナの主力戦車を、Tー62と表記しました。T-64の誤りです。訂正いたします。 古い順に、Tー55~T62~Tー64~Tー72です。


ウクライナ軍は、西側の新型戦車で補強されますから、戦車戦に関しては、ロシア軍は敗北必死です。しかもTー55だと戦車兵が1台4人必要です。1000両投入したら4000人の戦車兵が必要になります。戦車兵の訓練は、6か月から12か月は期間が欲しいというのが、フィンランド陸軍の関係者の話でした。

記事だけ読むと旧式の戦車が膨大に出てきそうですけれど?実際には、それをメンテナンスする手間暇と時間。そして必要な戦車兵の訓練まで考えると、1000両の数を戦場に投入できるのは、かなり先の話になります。それすら、兵器としては格段に劣っているシロモノです。

更に言うなら、ロシア国内には戦争用の特殊車両を整備する人員が不足していると思います。戦車兵を訓練する教官は、当然に足りませんし、訓練施設もほとんどないと思います。一般の兵士の訓練ですら、ベラルーシの訓練施設や教官を頼っているくらいです。

究極の官僚主義的形式主義的ロシア軍は、戦闘の継続にはかなりの困難があると思います。人員や装備を失うほどに訓練不足の兵士や旧式の武器を補給するしかなくなります。

だから、今・南部ではロシア軍は防御施設を建設し防衛陣地を構築して、取り敢えずウクライナ軍が攻めてくるのを待っている状態です。かなり大規模攻勢をかけた東部とハルキウ州の戦いは、ほぼ失敗に終わりそうです。

春になってロシア軍を待ち受けているのは、このような戦いです。

(ロシアの超旧式戦車)T-54とT-55!いざ、出陣か?<2023・3・24>


ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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