「北の山・じろう」日記

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ポクロウシクPokrovskの手前でロシア軍が進撃停止、その理由は❓<ウクライナ紛争2024/09/10

2024-09-10 19:07:39 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ポクロウシクPokrovskの手前10km未満の地点でロシア軍は、いったん進撃を停止しました。
これについてはシルスキー司令官の手前みそ評価があります。
『シルスキー総司令官、ポクロウシク方面で敵の前進を食い止めること成功』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/general-shirsky-succeeds-in-halting-the-enemys-advance-in-the-pokrovsk-area/
『ウクライナメディア、本当にポクロウシク方面から危機が去ったのか?』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-is-the-crisis-really-over-in-the-pokrovsk-area/

これに関してウクライナの国内の新聞が、色いろ推測しています。はっきり言ってどれも的外れで❓❓❓と思ってしまいます。
シルスキー総司令官の主張は、その場しのぎの言い逃れです。そう言うしかないのでしょうね。

実際のところどうなのか❓
ロシア軍は、進撃予定地点に到達したから進撃を停止したのだと思います。
現在は、ポクロウシクPokrovskから10km未満の位置まで進出してデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskに砲爆撃を加えているようです。
地上戦の前に砲爆撃を加えてウクライナ軍を徹底的に破壊するのがアウデイーイウカ攻防戦からのロシア軍の攻撃手順です。砲爆撃で徹底的にウクライナ軍の拠点を破壊した後に総攻撃が始まります。
今は、その準備段階です。

そして多分ウクライナ側が見落としているのか、敢えて無視していることがあります。

ロシア軍の目的は、単にポクロウシクPokrovskを攻略することではありません。
中部ドネツクから南部ドネツク全域を占領することが大きな目標です。そのためにロシア軍は、活発な軍事行動を展開しています。

そして戦況略図を見ると、よく分かりますがポクロウシクPokrovsk方面のロシア軍は、大きな突出部を形成しています。余り大きな部隊運用として好ましい状況ではありません。突出部の側面を埋めて突出部を安定させる作業が必要です。

その分かりやすい軍事行動がヴォブチャ川~クラスノホリフカKostyantynivka方面です。
『ヴォブチャ川~クラスノホリフカの戦い>ベルヴォマイズケとクラスノホリフカのロシア軍が進撃開始<2024/09/08』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/783741545e8c620537439b462254a840

このエリアを制圧しないとロシア軍の南側の側面が安定しません。
だからロシア軍は、ルートE-50を南に超えて北からヴォブチャ川沿いのウクライナ軍の拠点を攻略しつつあります。

ポクロウシクPokrovskのロシア軍にとっては、今はこれが優先事項です。ポクロウシクPokrovsk市街地の攻略は、今は優先順位が低いことになります。
ポクロウシクPokrovsk市街地の攻略を目指すのは、最後です。
現在は、ヴォブチャ川からクラスノホリフカKostyantynivkaの北側のエリアを制圧しつつ、マリンカMar'inkaの西にある大きな貯水池の北側をセリダブSelydove南部まで進撃して、ポクロウシクPokrovsk方面の突出部に厚みを持たせるのが最優先だろうと思います。

その後セリダブSelydoveから、その北西にあるポクロウシクPokrovskの南にあるウクライナ軍の拠点集落を制圧して始めて、ポクロウシクPokrovsk攻撃の準備が出来上がります。その意味でロシア軍のポクロウシクPokrovsk攻撃の準備は、まだ整っていないと見るべきでしょう。

ウクライナ側のスケールとロシア側のスケールは、大きさが全然違うと言うことです。
ウクライナ側はポクロウシクPokrovskしか見ていません。
ロシア側は、中部ドネツクと南部ドネツク全域との整合性を考えながら作戦計画を立てていると言うことです。

ウクライナ側は、そのような視点から部隊移動を行いますので、部隊移動した戦場が弱体化してそこからロシア軍が進撃するという流れが、ず~と続いています。
結局、予備部隊がいない状態で他の戦場から危ない戦場に増援部隊を送るので、また危ない戦場が出来てしまうという悪循環です。

そんな事を繰り返すなら東側にいるウクライナ軍を撤収して西側の拠点に集めて西側の拠点を防衛するべきだと思います。
しかし、その決断がウクライナの参謀本部には出来ません。だから、その日暮らしの戦闘を繰り返して結局は、ズリズリと後退を繰り返しています。

個人的には以上の理由からロシア軍は、ポクロウシクPokrovsk制圧を急がないと思います。
中部ドネツクと南部ドネツクの制圧を先にすると思います。

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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