「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナ南部戦線・異常あり<ウクライナ紛争2023年6月

2023-06-26 15:32:08 | ウクライナ紛争

ウクライナ軍、南部前線を切り崩し 国防次官
2023.06.22 Thu posted at 07:05 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35205547.html

『ウクライナのマリャル国防次官は21日、ウクライナ軍はロシアが支配しているウクライナ南東部のメリトポリとベルディアンスクの方面で「攻撃作戦」を展開していると明らかにした。
 マリャル氏はウクライナ軍が前日に「狙って獲得した前線で塹壕(ざんごう)を掘り、前線を切り崩すという部分的な成功を収めた」とSNS「テレグラム」に書き込んだ。
 メリトポリとベルディアンスクはロシアが占領する地域の奥深くに位置する。』

これは、すごく変なコメントです。
どうしてかと言うと、ウクライナ軍とロシア軍の軍事的境界線を考えると、メリトポリとベルディアンスクにウクライナ軍がいることは、あり得ないからです。

現在、戦闘が行われているザポリージャ戦線の南にロシア軍の軍事拠点のトクマクТокмакがあり、メリトポリМелітопольは更にその南に位置するアゾフ海に近い都市です。
そこに到達するには、カミャンスケKam'yans'ke方面の戦線のウクライナ軍が、ルートE105を南下しなければ行けないはずです。

しかし、ウクライナのマリャル国防次官はメリトポリとベルディアンスク方面でのウクライナ軍の「攻撃作戦」についてコメントしています。

そのコメントが正確であるなら、ウクライナ軍は現在、主要なザポリージャ戦線の激戦地のオレホボОріхів付近の戦闘地域を迂回してアゾフ海沿岸のメリトポリ付近まで南下していることになります。

その意味は、ウクライナ軍は既に南部戦線においてザポリージャ州を南北に分断しつつあることになります。ウクライナ軍は、オレホボの西のカミャンスケ方面にも戦線を形成しています。ここを突破して南下しなければ、メリトポリには進出できません。

ウクライナのマリャル国防次官のコメントが正確であれば既にウクライナ軍は、カミャンスケKam'yans'ke方面を南に突破してメリトポリ付近まで進出していることになります。

その意味は?
ロシアの占領地は、東と南に分断されつつあります。ここを分断してしまえば、ヘルソン州は孤立します。補給もクリミア経由でなければ不可能になります。ヘルソン州のロシア軍は弱体化します。そして、現在はロシア軍が防衛している軍事拠点のトクマクにも西から圧力が加わります。

これが本当なのかどうかは不明です。しかし、ウクライナのマリャル国防次官が嘘のコメントをするとも思えません。
ザポリージャ戦線では、ロシア軍にとって飛んでもないことが起きつつあることになります。もし、ウクライナ軍がロシアの占領地の東と南の分断作戦に成功すれば、ウクライナ軍は圧倒的な優位に立つことになります。

そうなればウクライナ南部は自然にロシア軍が不利になり、結果としてヘルソン州のロシア軍はクリミアに撤退するしか方法がなくなると思います。クリミアに撤退しても補給の不利が解消する訳ではありません。ダムを爆破したためにクリミアは水不足です。水すらロシア本土から輸送する必要があります。クリミア半島は、ロシア軍の自爆攻撃のために今ですら水不足です。

そして、これこそが今回のウクライナ軍の最大の軍事目的であると思います。南部解放には絶対に必要な作戦です。

更にロシア軍にとって不都合なことは、ダムを爆破した後ヘルソン州の守備部隊の一部を南部や東部の激戦地に移動させています。ヘルソン州のロシア軍の守備部隊は手薄になっています。ヘルソン州のロシア軍は、かなり危うい状況になります。補給に難があり守備部隊の数が少なければ?普通に立ち枯れます。

ただ、この件に関する情報はこれ以外ありません。他は、他の戦線に関する情報ばかりです。



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