2024年09月11日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ロシア科学研究機関 NPFCサバ技術作業部会参加者が資源評価について報告]
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロの専門家は、先に行われた第9回NPFC(北太平洋漁業委員会)サバ資源評価技術作業部会の概要等について報告を行った。
この技術作業部会にはロシア、カナダ、中国、EU、日本、そして米国の専門家が参加した。
北西太平洋のサバは、南部日本列島からクリール列島の沿岸沖合まで分布している。
近年、当該資源の成魚は餌を求め北東海域への移動が拡大している。
今回の技術作業部会では、サバの資源量と予測シナリオが議論された。
これは、当該資源の合理的な利用と調整された管理措置の基礎を形成するものとなる。
ロシア、中国、そして日本の参加者は、漁業活動のレヴューと、単位努力あたりの漁獲量(CPUE)の標準化作業の結果を発表、データに基づき、2023年のサバの資源量が近年の平均レベルと比較して50%近く減少していることを報告した。
これらについて報告者が、サバ資源の減少は卵量の減少、つまり繁殖レベルの低下との関連を示唆、加えて、死亡率の上昇を指摘した。
また、これらの報告から、状態空間評価モデル(state-space assessment model:SAM)草案が作成された。
SAM は、各年の漁獲量、資源重量、成熟率に関するデータを使用し、水棲生物資源の年齢と豊度のインデクスに関する情報の不完全性や誤差も考慮されることになる。
今回の技術作業部会の重要な成果の1つは、資源規模に応じて北西太平洋のサバ漁業を規制するための動的モデルを開発することを意思決定したことにある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます