黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

2004-05-21 12:49:53 | Weblog
今週末、台風の上陸もささやかれていましたが、気象庁の甘い見通しだったのか、無事上陸することもなく健やかな皐月晴れを味わうことが出来そうです。

さて、またしても私事なのですが、非常に甘いものが好きです。甘いものといえばすぐお菓子を思われる方も居るかもしれませんが、それに限らず甘いものが好きです。

「美味い」という言葉の語源は「甘い」(うまいと打って変換されると甘いも候補に上がってきます)です。昔、甘味が野山の果実などに限られていた頃、砂糖などは大変な貴重品であったのでしょう。それだけに口にしたときの至福感は、現代とは違う、格別なものがあったに違いありません。

その時の感情の影響かどうかはわかりませんが、食べるもの以外にも甘いという形容詞がつく場合が数多くあります。「甘い時間」、「甘い誘惑」、「甘い情事」など。単なる名詞を幸せに導きます。また「不幸」や「痛み」などの尖った言葉に付けるとその言葉本来の意味とは違った、微かに爽やかな心象を漂わせたりもします。

物質的な甘さは十分にあるこの時代も、言葉が持つ「甘さ」の香りは不足しているのではないだろうか、殺伐とした世相にそんなことを感じます。
コメント (3)
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