ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代
いつか、どこかに、どこでもなく、いつでもなく、それは存在している。
それは通路だ。 其の国へと続く 通路だ。
それは扉だ。 其の国へと開く 扉だ。
スクリーンだ。 それはスクリーンなんだ。
そして、そのスクリーンはどしゃぶりの雨に濡れている。
「雨族」
断片74-
◎ひまわりごはん◎
ふざけてばかりいて、何もしないでいたら、皆、いなくなって、一人きりになりました。
まわりの景色も月影に滲んで、ズドン!と地面に落っこちて来そうなのでした。
しょうがないからボクは昔の記憶に色を付けて頭でぐるぐる回して寝転んでいたのです。
ずぅ~~~~~~っと、そうしていたんです。
月影の庭の花壇をぼんやり見つめて、又、目を閉じます。
過去の切れ切れに着色し、組みかえ遊びを繰り返します。
そんな事をずぅぅぅ~~っと何年かやってたら、ますます一人っきりで、なんだか産まれて以来、ボクは誰にも出会った事がないような気がしてきました。
どこもかしこもガランとして、中性子爆弾を逃れて、たった一人になっちゃったのです。
まだボクの他に人はいるのか確かめようと思いました。
だから、ボクは何年かぶりに外に出たのです。
わあ、まぶしい事、まぶしい事。ああ、昼間だ。
まぶしくてボクの目はすぐに閉じてしまうので、目蓋をクリップでとめて見回してみると、いるわ、いるわ、いるのです。
人がたくさん、いるのです。
あんまりたくさんの人を見て、感じて、ボクは、ゲロを吐いてしまいました。
涙が滲んで両手がふるえて、立ってらんなくなっちゃいました。
他の人間の人たちは、皆、何やらザワザワ動いて生きているのです。
水星人か木星人みたいです。
ボクは恐ろしくなって、バルコニーから這い上がって部屋に入ってシャッターをおろして真っ暗の中で目を瞑って、心臓をバコバコさせて唾を何度も飲み込みました。
でも、大丈夫です。
ひまわりごはんは、吐き出しましたから。
断片74 終
あ~ピッカピッカの良い天気だ、人々もニコニコ気持良さそうに、ゾロゾロと咲き乱れる向日葵みたいにお出ましだ!
オェー!反吐が出る!死にそうだ!雨族諸君に告ぐ!
ひまわりごはんを食べたなら、それがどんなに美味くとも、吐き出したまえ、今すぐに
This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)
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