俺は実は医者だ。外科医だ。毎日毎日人間を切り刻んで、さばいてる。だが俺という人間と職業としての医者とは関係ない。別だ。俺は一個の人間として、この年末に1人ぼっちで考える。「先生、カテーテルが」、じゃかーしゃい!俺という人間と職業は関係ない!ないったらない!又、大晦日が来た。俺は毎年、一人ぼっちで考える。人生を。人間を。俺を。俺を。
偽善とは人間に与えられた特権である。他の生物にはない。そして、それゆえに人間は滅びるべきなのだ。俺も一個の偽善だ。フフッ 飽きれたもんだぜ。ニタニタ笑って、実は他人を見下して、怒り狂って、掲示板見て何にも知らないくせに勝手な憶測で悪意だけを撒き散らしてバーカ。何が情報だ、ゲス野郎め、てめぇらデータだけの知識自慢で何にも中身がねぇじゃねぇか?あぁ?有名人と知りあいだぁ?だからどうした?てめぇで何か創ってみろ!バーカ。自慢したいかぁ?自慢したいか?幸せですって自慢したいかぁ?こんな仕事をしましたぁ?バーカ、てめぇ以外に誰が興味を持つってんだよ。地獄に落ちろ。バーカ。ゲス人間!ゲス人間!ゲス人間の見分け方は簡単だ。年賀状に自分の糞可愛くもねぇ子供の写真だけ印刷してくるゲス!いらないというのに中元歳暮を送ってくるゲス!TVやアイドルには興味がないと何度も言ってるのにTVやアイドルの事を知ってて当然のように話しかけてくるゲス!結婚式や葬式に来なかったと、いつまでも根に持つゲス!結婚式なぞ誰が行きたいか?葬式なんぞ誰が行きたいか?見回してみろ、世の中ゲス糞人間ばっかりだ。 でぇ?俺は、どうしたらいいんだ!どうしたいんだ?クズが頭一杯に詰まって、その中から一つの考えを取り出すのも困難だ。そうだ!もう、どうでもよいのだ。人間なんて結局どうでもない。だから俺は、どうでもよい。死ぬのを待つため生きればよい。どうでもよい。 だけども俺は偽善が、とっても憎らしい。だから自分も他人も全て憎い。だから恥かしくてたまらない。だから、どうでもよくはない。どうしたらよいのだろう。国家も世界も、2人以上の人間関係の極大化だって分かっている。人間を変えることは出来ぬことか。俺をぉぉぉ、俺をぉぉぉ変えたぁぁぁぁいぃぃぃぃっ・・・・・くそっ! どうしたらよいか、・・・・・どうでもよいのかもしれない。
正体知って何になる。 怒り狂って何になる。 死ぬ事だけが人生さ。 子供の純血を気取ってる俺であります。世の中、ひどいもんだ。人間は皆、社会の愚劣さに屈服して愚劣の中に自ら飛び込む。俺は、そうはいかぬと逆らってみたところで、甘えてんじゃねぇのかぁ、おい、どうにもなりゃしない。一人苦しむ。誰を恨むでなし、憎むでなし。物悲しさが本当は街にいっぱい溢れている。優越と劣等の軋轢に苦しみ続けるのが人生であるのならば人間とは何てくだらない生き物なのだろう。どうでもよい。 俺という存在と俺を別個に考えてみよう。俺のおかげで俺の存在は、とてつもなく情け無い、くだらぬ。俺の存在が、かわいそうだ。せっかくこの世に俺という存在が生まれたのに俺はそれを、つまらぬ堕落したものにしてしまっている。あまりにも、こりゃむごい。そりゃないぜ、ベイビー!俺の存在を、引き上げる唯一の者は俺なのだ。俺の存在は、すべて俺によって良くもなり悪くも大きくも小さくもなるのだ。この肉体に宿った俺によって・・・・・。俺は俺の存在(肉体.etc)を苛めすぎた。何故こんなにいじめにゃならんのか。もっと大事にしろー! 否!このままいけば、このままいじめまくれば俺は俺の存在を殺してしまうところまで行き着くだろう。俺はサドであり、マゾでもある。己に対して・・・・・。 そう、そういえば恋人が出来たっけ。自分はギリギリと罪悪感の歯車に巻き込まれてゆく。恋人が可哀想で、可哀想で、たまらない。涙が出そうだ。肉欲が憎い!俺は自分で自分を蹴落としている最低の野郎だぞい、ほれ。何故、俺に従う?俺を好きか?どーこーがー? 君は何も知らないが、すぐに分かる。俺は、もっと惨めだが、君もいくらか惨めになるんだ。俺には、それが辛いのだ。ああ、涙が出そうだ。 一日は無為に終わり、次の日は容赦無く、やって来る。どうしろというのか?「陽気」に憧れるが、出来ぬため、むやみに心は暗くなる。…..矛盾。勉強をしなければいけないのは俺の事か?俺と他人の差はどこにある?外見だ。“内面が、どのようにひん曲がっているか”だ。自分の都合のよいように思想や信念が形成されるならば、それはエゴの作り出した怪物である。人間は全部そうなら、もうどうでもよい。何でもよいんじゃ~あ~りませんかぁ。 青い透明な空と、広い空間、静かな風のささやき、気持ちの良い人間が欲しい。全ての人はバカだ。俺もバカだ。バカになれないもっとだらしない飽きれたバカだ。そろそろバカになる努力をしなければ。偽者のバカは生きてゆけない。この世なら・・・・・ 又、2004年なる1年間が俺の前にパックリと黒い口を広げて待っている。何かを期待させておいて、そして絶望させるために。ああ何故、俺は恥かしがるのだ。何故、怖がるのだ。 ああ、「待つ」という言葉は人間、人生、全てのものを含蓄している物凄い言葉だ。すべての人は待ち、待たされ、くたびれ死んでゆく、死んで死を待っていた事にやっと気がつくのかもしれない。だが俺たちは今、決して死を待っているのではない。生を待っているのだ。本当の生を教えてくれる何かを待っているのだ。0歳から1000歳まで、全ての人が。 悲しいから涙が出るんじゃない。優しさに感激するからだ。人間に感激するからだ。だから悲しみたくない。笑いたい。笑える人にしてくれぇぇっぇ!本当に笑える人間にしろ!唯、顔の筋肉を作為的に動かすのは疲れた。もうそろそろ本当に笑えてもよいのじゃぁあーりませんかぁ?でぇ?何を笑う?・・・・・感情が欲しい。感情を表現する能力が欲しい。 どこにもないなら俺は、どうしたらいいのだ。 どっかにあると思ってるからこそ 今、こうして生きている きっとどっかにある俺のユートピア ユートピア ユートピア っと!振り向けば! 子供の頃に見た、真っ赤なドロドロの太陽、じゅるじゅるじゅるじゅるオレンジの空いっぱいに煮たって溶け出してこぼれ出してきそうな夏の太陽が、そこにあったぁーーー! 現実の太陽はこんなんじゃなーい! でも、あったぁーー! ドロドロ、じゅるじゅるの背後からとてつもない巨大さと迫力で真っ赤にバチバチ燃えながら覆い被さってくるみたいだった夏の夕暮れのとろける太陽が、あっという間に俺の目の前にやってきたぁー! あんまりの激しい逆光で真っ黒い影になった人間たちが1cm前の太陽と俺の間にゾロゾロと現れて、言ったぁーーーー!
うんざりするほど、おかしいね。何がおかしいかって?何もおかしくない程おかしいものってないんだよ。笑い飛ばして!笑い飛ばして!笑い飛ばして!笑い飛ばして!笑い飛ばして!涙を流して!笑って生きてやれぃ!笑おうが悲しもうが怒ろうが、どってことはない。 人生ってぇのはナスカ高原の地上絵のように真っ只中にいたんじゃ皆目わからぬ。真上だ。ずぅっと上に昇って見下す時、ああ、こんな人生かと知って、驚いたり何ともなかったり?へ?おかしなもんだ。 純朴に縛られてるなら、そうだ!純朴になりゃいいんだ!へんにスレちゃぁいけません。自然にスレるのを待ちましょう!静かに静かに待ちましょう! |
人には、それぞれ何か特技らしきモノが、あるはずである。昔から、そう決まっているそうだ。 私が自分の才能を、最初に発揮したのは、8才の時だった。私は友だちと公園で遊んでいた。何かが、きっかけとなり、私と友だちは喧嘩になってしまった。 私は、置いてあった木材で、彼の後頭部を殴った。 “ボコッ”と言う鈍い音と共に、彼は倒れて動かなくなった。私は、しまったと思い、彼の死体を、しばらくボンヤリ眺めていた。 陽が沈んでくると、私は彼の死体をズルズルと引きずって、道路の真ん中に寝かしといた。誰も見ていなかった。そして、家に帰ってお母さんに“お休みなさい”と言って寝た。 次の日、小学校に行くと、友だちは交通事故で死んだことになっていた。
ああ、何て私は幸福なのだろう。最高の殺人の才能に恵まれ、それを生かして殺し屋を続け、全ては順調、裕福な暮らし、美しい妻。私は人生の成功者だ。 そんな事を考えていると、電話が鳴りだした。 「雲子 太郎 という男を殺してくれ、5000万だ。」 依頼者の声が言った。 「よぅっし!引き受けた。」 と、私。 「写真と、その男の経歴書は送った。金は今、送るところだ。よろしく。」 とクライアント。 私は電話を切って、すぐにポストを調べた。大きな封筒が届いていて、写真と雲子太郎の彼の経歴を書いた書類があった。その雲子太郎という男、どこかで見たような気がした。
私は送られてきた手紙を読んで、その男は神田に住んでいる事が分かった。私が2年前に住んでいたところだ。 神田駅にも、いや~な空気が立ちこめていた。いや~な気分だ。 その時、私は目の前に、その男を見た!ガラスのオブジェの向こう側だ。私は、すぐさま内にまわったが、もう男はいなかった。 私は、又、歩き出した。 ハッ!私は目を疑った。またしても目の前に、その男が現れたのだ。私は、そおっとガラスのオブジェを回り込み、その男に近寄った。 幸い、いつも通り、あたりには人はいなかった。私は、彼の心臓をナイフで突き刺した。その時、彼も動いた。 ブスッ! ブスッ! ・・・何という事だ。彼も私のことを突き刺しているのだ。私のと同じサバイバルナイフでだ。・・・気が遠くなる。
極秘解説:は~い、また、お会いしますたね~♪こんちわ、こんちわ、ちんこわ、きっぷるオジサンですよ~!「雲子 太郎」とは果たして二年前の自分なのか?次々と経歴を変え整形し続ける「私」。パラレルワールドの罠なのか?謎は深まるばかりですね~!それでは、また、お会いしましょう!きっぷる、ぴっぷる、くるくるぱ~! |
ガキが、ギャーギャー泣いていやがる。 くそっ! うるさくて、映画の音声が聞こえねぇっ。 何とかしてくんねぇかなぁ。 親は知らん顔して、映画を見てやがらっ。 “あっ” このガキ、俺の手にしがみつきやがった。 ・・・・・・ 思いっきり親の顔を睨んでやる! ・・・・・・ 親が、やっとガキの手を引っ込めさせた。 しかし、また親は知らん顔しだした。 ガキは相変わらず“ギャーギャー”うるせえ。 もう俺は映画の内容が全然わからなくなってきた。 ちくしょう!このガキのせいだ。 その時、俺の頭の中に光明が、ほとばしった。 素晴らしいアイディアが浮かんだのだ。 このガキを静かにさせる方法。 俺はガキの首を絞めた。 “グィッ・・バギッ” かなりでかい音が映画館に響いた。 一回でガキは死んだ。 俺はホッとした。 俺の顔は喜びで、ひきつっていた。 ・・・・・・ その時、俺は首に痛みを感じた。 隣の大男が俺を絞めている。 俺は、ぐったりとなった。 死ぬ瞬間に、大男の喜びでひきつった顔が見えた。
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僕は、あいつが、まったく憎らしい。 あんな奴、死ねばよいのだ、くそうぅ。 奴は、僕の事を完全になめやがっている。 バカにされまくりだ、何とかしなけりゃ。 奴に、かかっていったところで、 負けたらもっと惨めになるだけだ。 殺そう。 そうだ、殺してしまえばよいのだ。 しかし、どうやって? 僕は学校の前で立ち止まり、色々殺人の手段を考えた。 最後に僕は最良の手段を見つけた。 死体も残らず、僕も凄く得をする。 僕は、そのアイディアに興奮した。 そして思い切り殺気だって、そいつの教室まで行った。 すると例の通り、奴は僕になめた口をたたいた。 僕は、可哀相だと思った。 あと、5分も、こいつは生きてられないのだ。 奴は、まだしつこく僕をおちょくり、 僕の頭をポンポン殴る。 僕は、ニカッと笑って決心した。 殺そう。 僕は、あんぐりとでっかい口を開けて奴を呑み込んだ。 そして思い切り噛んだ。 とたんに奴の息が僕の口の中で止まった。 僕としては、奴は決していい味とはいえない。 ちぇっ。 そして奴の骨が喉につっかえて危うく吐きそうになった。
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君の脳から次から次へと引き剥がしてゆきたまえ! 笑うな! 自分を客観視する人間こそ最高の役者なのだ 一つの表情もたくさん寄り集まる事によって 無表情という恐ろしい怪物となって躍動し始める 群集は僕にとっては耐えられない怪物なんだ!
僕は東京という都会で、二十年間暮らしていた。しかし二十年間、僕の夢は一度も実現できなかった。誰かが、いつも実現を許さないのだ。いつも僕の近くには、誰かが音もなく忍び寄っているのだ。そして耐えず監視し邪魔をする。 そう、僕の夢とは、僕自身の空間を作りたい、唯、それだけのことなのだ。一人でいることによって僕は、それだけの自分自身の存在感を持てるのだ。 お前だ!そこのお前!お前だよ!邪魔するな!僕の空間を汚すな!あっ・・・・・突然、僕は気がついた。顔の筋肉がひとりでに、もこもこと動いて僕に笑い顔を作らせようとしているのだ。目じりが、ぴくぴくと震え、肉体の諸機関が無意識に近い潜伏的な意識内の命令意志と、今、この部屋の中にある、ピリピリした皮膚が切れてしまいそうな焦燥と隠匿意識から来る緊迫感によって、急にぎこちなく活動しはじめた。 ・・・・・ああ・・・・・こんな狭苦しい、ちっちゃな・・・・・それでも僕の空間を・・・・・お前は、又、汚しに来た。そう、僕は確かに感じた。ドアを開け、お前は、今、僕を見ている。 僕とお前の約1mくらいの空間に僕は、どうしたら敷居を作れるだろうか。又、壁でもいい。遮断するものなら何でもいい。僕は、さっそく考えた。高さは2m30cm、横幅3m50cm、材質・・・ベニヤ板で良い。ベニヤ・・・・・ポスターを貼る。ああ、これで又、僕の空間は狭くなってしまうのか・・・・・プツン・・・・・ああ・・・又だ、又、心のスイッチが切れた。切れた。又、切れた。早く治らないか! 僕の心の悶絶を、よそに顔はいかにも親しげな形相を作っていた。お前も少しは僕の顔の下の顔を感じとったらしく、お茶を置くと、そそくさと逃げるように、それでも善意のホホエミを忘れずに、この病室を出て行った。ここは病院だよ。精神病院。 分かってくれたかね。僕は、この病院の一室を与えられたことにより少しは、夢を実現させたのだよ。壁一枚でさえぎられた薄く霞んだ現実だが、とにかく空間はある。・・・・・だが、これは僕の見落としによって失敗になったのだ。僕は知覚における重大な見落としをしてしまった。僕は一方向の偏った考えでしか、隔絶された空間をこの部屋に照らしてみなかったのだ。 要するに視覚的効果でしか、この部屋は役だってくれなかったのだ。僕は今、聴覚的恐怖におびえながら毎日を送ることになってしまった。それは微かな音であり、ヒソヒソ話の声であったりするんだ。音もなく音声が忍び寄ってきて僕を監視し邪魔をする。あるいは僕のことを中傷したりバカにしたり、こそこそこそこそ悪意を向けている。幻聴じゃないんだ!本当に隣の部屋かドアの向こうか、どっかで誰かがしゃべっているんだ! まあ、いい、さて、今、僕の過ごしている時間は後にして、まず、僕の20年間の生活の波の上で、キラキラと白く光って飛び跳ねる記憶の魚を一匹づつ拾っていくことにしよう。 僕は青森の金木という町で産まれ、なんとなく育って来た。物心つくまでの記憶は非常に断片的であって確実に語れるものがない。何だか昔、ドロドロのじゅるじゅるの真っ赤な夕陽の日に何かあったような気がするけど確実じゃない。問題は、僕が上京してから数ヶ月間に受けた非常に大きな衝撃と屈辱から始まるのだ。 その女とは歌舞伎町のキャバクラで知り合った。どちらからともなく一緒に暮らし始め、僕は毎日、彼女のアパートでTVゲームをやっていた。やがて、どちらからともなく「死のうか」ということになった。そして二人で「死ぬなら鎌倉だろ、どう?」ということになって、鎌倉の海に行き、ケータイの赤いストラップで御互いの小指を結び合って、入水しました。
なーんちゃってぇ!なーんちゃってぇ~! あは、あは、アハ、アハ、アハ
あれれれれぇなぁんにもわかりゃにゃくなって、なぁんにもわかんないや。 なんのはなししてたっけぇ~?うそで~す、ほんとうで~す。 おやすみなさーい。
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復活の音 |
地球最後の男が地球最後の女に出会った。
ぼっきんぼっきん、ぼっきんなぁ~♪ |
kipple
私がはじめて、その少女を見たのは、3月も終わりの、ある暖かな午後のことでした。 少女は天使のように、お花畑の中にしゃがんでいました。 私は、しばらく少女から目が離せませんでした。 少女は花をいじくっていました。 私は少女に近づいていきました。 少女はお花をいじり続けていました。 そして私は爽やかなスポーツマンの笑顔で言いました。 すると少女は勢い良く立ち上がり、いじっていたお花を引き抜くと、こう言いました。
私は何て時代になったんだと、この世を嘆き泣きました。 この世は腐っているぅぅぅ! そして少女を監禁する予定だった私の家の地下室で詩を書きました。 ああモラルはどこに、目上の者を敬わぬか、ふぇんふぇんふぇ~ん。 |
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街で見かけた小さな暴力。 |
あたたかい家を出た。 冷たい街に出た。 冷たい炎を感じた。 オブラーゼで美化されてるな。 だまされないぞ。 頭の中でデモンが、つぶやいた。 書店の雑誌部に群がる、 沈黙の人々。 お花畑の可憐な少女。
悪意の雨。 黒い傘の花が、街に咲く。 |
ある日、一人の男が、ボロボロの服を着、破れた靴を履いて家路についていた。その男は貧しい家の息子で、金が無く、服も靴も買えなかった。 ふと道を見ると、新しい綺麗な靴が一組、置いてあった。彼は喜んで、その靴を拾った。 その青年は、いそいで家に帰って、そのピカピカ光る靴を履いてみる事にした。彼は靴を履いた。見事にピッタリだった。しかし、彼は、まわりの様子が変なのに気づいた。 彼は、青い青い、広い広い、空のまっただ中に、ポカンと裸足で浮いているのでした。靴はありませんでした。
時が過ぎ去って行った。もう5000人くらいの人間が、空に浮いていた。そのうち1/50は飢えて死んでいた。最初の青年も死んだ。 しかし、死体は腐敗しなかった。死んだ時の状態で、死んだまま、ずっと浮いていた。 みんな拾った靴は、こっそり履くのか、どんどん空に浮いてる人間は増え続けていった。地上の人間蒸発事件の原因不明のまま、長い長い月日が過ぎて行った。
ある日、ジェット機が、空に浮いている人間たちを発見した。しかし、そのジェット機は、どこからか飛んできた鋭い閃光に撃たれ、すぐに落下し粉々に爆発してしまった。 その後、空に浮かぶ生者と死者の大集団は、何度も発見されたが、再び閃光に直撃され、発見者たちは、すぐ死んだ。全員、死んだ。
アメリカはソ連に向けて核ミサイルを発射した。うっかりボタンを押してしまった係員は、「しまった」と思ったが、それはもう遅かった。 それを知ったソ連は、すぐさま500発の核ミサイルをアメリカに向けて発射し、アメリカもヤケクソになり、1000発の核ミサイルを撃った。 しかし不思議なことに、弾は一発も両国に当たらなかった。弾は、みな、空に浮いている人々に当たったのだ。
「どうだ、空の神。私の「靴作戦」は。うまくいったじゃろう。もっとも、そのため2000万人くらいの人間は殺したがな。ハッハッハッハッハァア!」 その時、神様たちは次々と倒れ、死んでいった。 核爆発の時の放射能が、風で上に上がってきたのだ。
極秘解説:はい、またお会いしましたね!こんちわ、こんちわ、ちんこわ!きっぷるオジサンですよ~!これは、こういう事なんですね。→「細けー事は気にするなぁあああ!」 はい、それでは、また、お会いしましょうね、きっぷる、ぴっぷる、くるくるぱ~! |
南極に眠る我が一族の興亡 未来永劫、久遠の流れの中で 虐げられし恨み必ずや果たそうぞ あらん限りの苦痛と屈辱の果て 人類が死滅し、我が一族は生き残る 蘇りし人にして人であらぬ我ら一族 積年の幽閉から今、解き放たれん
これから行為しようと思った。 しかし行為しない事が分かっていた。 お前は賢い。
白昼に水銀灯が輝いた。うそだ。うそだ。 そうさ、うそさ。私は昼間にゃ輝かない。 青い闇に包まれて、ひっそりと光り始める。 人間は、それにどんどん引っ張られて不完全な部分にのみに気をとられていく。現在、行なった行為を修正してゆくのに手一杯で過去には手が回せない。 ともすると過去に気を取られ、今の行為も置き去りにしてしまう。過去の行為の不良部分に引っ張りまわされ人間はしまいに気力を失う。人間どもは、その過去を捨て去るために死を望みはじめる。 人間どもは解決策は死のみであると考えるのだ。
私の名は、無だ。私の名は過去だ。 我らが一族を忌み嫌う人間どもよ。よく聞け。 私の名は、お前だ!
ある夏の昼下がり、1人の男がシャープペンシルを飲み込んで死んだ。蝉の鳴き声がドリルで金属を削るように激しかった。その耳をつんざく大音響の中、その男の周りには修正されずに置き去られた過去の行為の亡霊が、ゆらゆらと舞っているじゃないか!
行為には気をつけるがよい。 行動主義を礼賛するものは我らが思う壺。 行為の前に思考を。行動の前に熟慮を。 できるか?
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私のことを、奇形児と愚かな者たちは思っただろう。 時に諸君よ。私の顔半分が、どうであろうと、この広い大宇宙と何の関連があろうか。まあ私自身が宇宙である場合は別として、いかなる因果関係があろうとも、この多細(彩)な肉体的異形事実を、それほどまで、明確、多大に指摘する事もなかろうに・・・。 まあ、私は一般的に言われる奇形児なのである事は確かなのだが。 私は今、巨大なフラスコのような容器の中に漂っている。全宇宙の奇跡として地球上で話題になり、かつ低脳どもに悪夢のようだと気味悪がられていた私。では、その私の体を説明しようではないか。 私は若い頃から狂ったように、この研究に熱中した。何度も何度も失敗を繰り返した。時には、足を爆風でもぎ取られ、耳をちぎられ、もう私が60才になった頃には、残っているのは顔と胴体と右手一本という始末だ。それでも、この私の狂気は、ますます加熱する一方だった。 もう自分の年齢さえ分からなくなってきたある日、電送台の上に灰皿を乗っけて、スウィッチを入れると、別の場所へ転送されたではないか!成功だ!ついに成功だ! 私は狂喜し、さっそく電送人間第1号として電送台に乗り、スウィッチを入れたのだ。 さあ、それから何がおきたか、私にはよく分からなかった。気づいた時には暗闇の中で、何も見えず、聞こえず、何が何やらさっぱりだった。永劫の暗闇の中に私は放り込まれ、この闇の中で狂っていくのか、これが地獄か、と思った。 そして、どの位の時が流れたか、ある時、突然パッと明るくなり、まわりが見えたのだ。私は、産湯につかっていた。回りの人々は、私を驚嘆と恐怖の表情で見つめていた。 私の体は、3本の腕と2つの胴体と1つ半の顔と2つの足で、出来上がっていたのだ。考えれば、すぐに分かる事だ。電送の途中で何らかの事故があり、どこかの妊婦の母胎に入ってしまい、その中の胎児と合体してしまったのであろう。 私は、もともと片目片耳で、頬も下半分が飛び散った半分の顔で、胴に右手だけが付いていたので、この考えが成り立つのだ。 私が病院で母胎から出てきた時の事を考えると、涙が出る程うれしいのだ。何と、2つの首がまず、にょっこりと出てきて、しかも片方は年老いた顔半分を失った老人の顔、そしてうしろも前も腹でできた胴体、しかも腕が3本あるのだ。いひひひ、これは怪奇の世界~♪ まあ、そのショックで母親は死に、父親は気が狂い、結局私は特殊孤児院に引き取られ世界中の見世物にされることになったのだ。 それから何年か経つと、私のもう一つの首が喋りだした。私は不思議にも、あの真っ暗な母胎の中でこの子供と合体した時から年を取らなかった。この偶然の合体によって特別な能力が身に付いたのかも知れなかった。 その頃からだ。私の知能が急激に発達しだしたのだ。もう、昔の電送方程式なんか、ちょちょいのちょいだ。軽々と私の頭に浮かんできた。 私の隣の首の方も、どこか常人と別であり、5才にして、奇跡の天才である私と同等な大真面目な議論を交わせるようになった。 そして2人して色々なモノを考え出した。次々と頭に浮かぶのだ。殺人プラズマ・レーザーや超光速マシンや異形化装置など、軽々と考え出せた。実際、次々とそれらを我が同胞の首と共に作り出したのだ。 何故だ!?・・・そう復讐のため。私や、同胞の首野郎を、その異様で醜悪な奇形というだけで恐れ差別し排斥した、私たちよりもっと醜い心を持った普通の身体の人間たちを皆殺しにするためだ!決まってるじゃねぇか! そして私は悪魔より何よりも醜い心を持った人間共に究極の破壊兵器の数々を売り渡し、ハルマゲドンを起こさせて全滅させてやったぁああああ!地球も二度とこんな人間なんて生物が登場しないように、ズタボロにしてやったぜぇぇええええ! 廃墟の巨大地下シェルターの最下層の巨大フラスコの中で、同胞の首と共にかろうじて生き残った私は今、叫ぶ!
ざまあみろぉ! ざまぁあみろぉおおおおお! 地獄の紅蓮の炎に焼かれちまえ! 私は神だぁああ!神だぁああ! 諸君! って、もう誰もいないの?
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