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元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

あっしは、kippleってぇケチな野郎っす! 基本、自作小説と、Twitterまとめ投稿っす!

「雨族」 断片10-新・霧暮れⅡ:kipple

2007-10-16 00:14:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


               「雨族」
     断片10-新・霧暮れⅡ


僕は小さい頃から自分が幸福になれるのかという事をとても知りたかった。

誰からも存在感が無いと言われ、不器用で意固地な自分に果たして幸福というものが訪れるのだろうか、それ以前に自分の幸福とはいったいどういうものなのか、発見する事ができるのだろうかと、よく考えていた。

僕は知ってしまう事がとても危険な事だとわかっていながら彼に強く問いつめた事があった。
彼は口を閉ざし、僕を目でぶん殴っていた。

それでも僕は執拗に説得し続け、幸福の問題をすっ飛ばして一気に僕の死に方を尋ねてしまった。
彼は、その険悪な状況に混乱し、一瞬、いつもの堅固なスタイルを失ってポツリと洩らしてしまった。
アルコールもかなり入っていた。トムコリンズ。

「餓死だ。お前は淋しく愛犬とともに餓死する」
僕は沈黙した。

海底にぐんぐん沈んでゆき、人類以前の太古の遺跡、五芒星の刻まれた大伽藍に呑み込まれていく。

深く。深く。

彼も暗黒の星々の深淵に呑み込まれていく。

僕はサッポロ生ビールを大ジョッキ二杯、空け、彼はトムコリンズをチビチビと半分飲み、ようやく潜水艦は浮上しだし、太陽系第三惑星の僕らの世界に帰還する。

その言葉で終わってはいけなかった。

僕も、話してしまった彼も、耐えることができなかった。
二人の感情は、マ・ル・デ、ダブリンに降る静かな雪のように悲しく冷えていった。

僕に絶望的なショックが訪れる前に言葉が必要だった。
そして僕は落ち着いて、震える声で本当に藁にもすがるような気持ちで聞いた。

「それは、僕には、けっして幸福になれる望みがないという事なのだろうか」

彼は半分になったトムコリンズを再びチビチビ飲みながら複雑な表情をして、はっきりと首を横にふった。
首を横に振ったのだ。

首を横に振るということは、まあだいたい日本人でなくとも、NOを意味しているのだ。
僕は、とてもうれしかった。
本当にうれしかった。

そして、ひょっとしたら、これが幸福という事なんじゃないかとさえ思った。
そして、すぐに冗談じゃないやと思った。
彼は明らかに僕が問題の焦点を把握していない事に対して首を振ったのだ。

「もし、君が幸福というものを愛犬とともに餓死する事だと思えば、君は充分に幸福だし、そうじゃなくて、ごく一般的に愛する人々と充実した人生を過ごせる事が君の幸福だとしても、おそらく君は幸福になれるだろう。」

僕は、よく意味がわからなかった。
僕は、ごく一般的なのだ。
一般的な幸福を、おそらく望んでいるのだ。

彼は僕に、たとえ最後は愛犬とともに餓死するにしても愛する人々と充実した人生を送らないとは限らない、と言いたかったのだろう。
そうなのだ、死に方がどうなるにしても、そこにたどりつくまでには様々な事が起きるのだ。

しかし、とても気になる事があった。何故、全知無能力者の彼が「おそらく」という言葉を使ったかということだ。
僕は、それ以上聞かなかった。

「おそらく」というのは、とても有り難い言葉だった。

おそらく彼にも分からない事がたくさんあるのだ。

おそらく、それは人間の情緒という面だ。

おそらく・・・







断片10     終


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片9-新・霧暮れⅠ:kipple

2007-10-15 00:29:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


               「雨族」
     断片9-新・霧暮れⅠ


山の中の小さな火葬場。
僕の唯一の親友にして奇妙な数々の予言を行なったD・クラウネンの肉体的消滅。
初夏の小雨の中でひっそりと、それは行なわれた。

D・クラウネン、彼の名はとても日本人とは思えないのだが、実は限りなく日本人なのだ。
ちゃんと漢字で書くと暗宇念動力(くらうねん・どうりき)になる。
とても漢字として発想しにくい名なのだ。

彼の顔や体格はどうみても、実に日本人していた。
頭が大きく首が太く手足が短く平面的な顔に団子鼻。

さらに、彼は、その名前と外見のアンバランスさと同じように、その凡庸で俗っぽい外的イメージからは全く想像を絶する数々の側面を持っていた。

僕と彼は小学校で同じクラスになって以来、二十五年間ずっと親密な友人関係を継続し、僕も彼も他には特に親しい友人はいなかった。
二人とも結婚せず、僕は幾度か女の子と長期的な恋愛関係をもった事があったが、彼の方は三十三歳になり、こうして小さな山の火葬場で焼かれる事になるまで一度も女性と関係を持とうとはしなかった。

僕と彼の共通点はお互いにこの世界に、うまく馴染めないということで、それが二十五年間の長きにわたる友人関係を成立させたのだと思う。
それがベースだ。

しかし二人が親密でいられた最大の原因は、僕の平凡で少し重い内向性の性格と、彼の恐るべき軽い異常性にある。
僕は、少々協調性に欠ける面はあるが、平凡な考え方をし平凡な生き方を好むごく普通の人間だと思っている。
ちゃんと生活の土台を築き、結婚して幸福な人生を送りたいと望んでいる。
大学を出て就職し結構名の知れた保険会社のシステム課で、十一年間真面目に働いてきた。

彼は、違った。
彼は生活とか人生に対して実に特殊な考え方をしていた。
とても悲しい考え方をしていた。
そして、それは恐ろしいことに彼が様々な真実を神様みたいに知り尽くしていた結果なのだ。

僕は何が真実かなんて想像することはできても彼のように全てを見てきたように知り尽くしてしまう能力はありゃしない。
誰だってそうだ。
皆、何もわからずに生きている。
三秒先のことだって分からない。
だから希望もあるし喜びもあるし幸福を求めようとする。

彼は自分を全知であり人類というデータの通信者だと信じ込んでいた。
そして、実際、本当にそうだった。

今や死体となった彼は何年も前から自分の死ぬ時と場所を知っていたし、そうして小さな冷蔵庫のような焼却炉で焼かれる事も知っていた。

小学校の頃、友人になって以来、僕が特に頼まずとも、いろいろな事を彼は僕に教えた。
最初、生れ付き何でも知っていたと彼は言い、僕の気持ちを配慮してか僕に関する出来事以外は何でも教えてくれた。

たとえば三日後の午後三時二十三分に第三京浜で二十才の青山一夫という男がバイクごとトラックに轢き殺されるとか、十二月八日にジョン・レノンがサウスダコタ・アパート前で、マーク・デビッド・チャップマンに撃ち殺されるとか、あと三十五分後に先生がくしゃみをするとか。

そして、その予言は百パーセント的中した。
一度も外れなかった。
恐ろしいことだった。

彼はとても不幸な能力をもっていると思った。
彼もそう思うと言っていた。
彼は自分のことをこう言っていた。


******** 全知無能力者 *********






断片9     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片8- しゃぼん玉:kipple

2007-10-12 00:30:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


               「雨族」
     断片8- しゃぼん玉


遅延していた売掛金の回収に埼玉の朝霞に行った。

何だか斑に黒いデコボコした灰色の曇り空。

何だか最近、こんな曇り空ばっかな気がする。

晴れた日っていつ頃だったろう?何だか思い出せない。

手形を受け取り、収入印紙を貼った領収証を渡して、帰りに小さな公園みたいなところでカレーパンを食べてたら、いきなり背中を“どん”と押された。

保母さん?幼稚園の先生?とにかく、そんな感じの恰好をしてた。

若く明るく元気いっぱいな女の人。

“サァ~!一緒にしゃぼん玉やろ~~!”
と余りに元気で明るい笑顔と声と勢いに押されて、何故かシャボン玉を子供たちと一緒にやる事になっちゃった。

前掛けをかけた子供幼児たちが、その公園みたいなところの真ん中辺りの水色にペンキが塗られたコンクリートの上に十五人くらいいた。
そして、その保母さんと三~四才の園児たちと一緒にシャボン玉をやった。

明るく元気な保母さんが一生懸命、シャボン玉用石鹸を青い洗面器の中のシャボン玉用の水の中で擦って、そのシャボン玉水に子供たちがシャボン玉用ストローを突っ込んで、吹いた。

私もシャボン玉用ストローをもらって同じようにシャボン玉水に突っ込んで吹いた。

ふぅ~~~!ふぅ~!ふぅぅぅぅ~~~!

みんなで曇り空に向けてシャボン玉を飛ばした。

どんどん、どんどん、飛ばした。

あんまりにもシャボン玉が綺麗にいっぱい、シャボン玉用ストロ~から飛び出すのでビックリした。

子供たちも一生懸命に吹いた。

私も一生懸命に吹いた。

曇り空に向かって無数のシャボン玉が、金色にピンク色に黄色に青色に知らない色にとキラキラギラギラピカピカチカチカと色んな色に輝やきながら、プワプワスゥスゥ~っと上ってった。

曇り空が色んな色のシャボン玉に埋めつくされて、曇り空じゃなくなった。

テカテカピカピカチカチカのプワプワふわふわのシャボン玉空になった。

若くて明るく元気な保母さんが輝く笑顔で歌い始めた。

♪しゃぼだぁま~とんだ~やねぇ~ま~でとんだぁ~や~ねま~でとんで~こ~われて~きぃ~えた~♪
     (作詞・野口雨情、作曲・中山晋平)

子供たちも、みんな一緒に歌い出した。

子供たちは最初、用心深く目を反らし私に接していたが、曇り空を一緒にシャボン玉で埋めてからはすっかり馴染んで目を反らすどころかキャアキャア笑って飛びかかってきたり後ろから飛び蹴りだ。

シャボン玉を飛ばしながら・・・

しゃぼん玉を歌いながら・・・

楽しかった\(^▽^)/ 何だか、とても楽しかった\(^▽^)/
みんなで笑った。\(^▽^)/ ケラケラ笑った。\(^▽^)/

私は一生懸命、シャボン玉を飛ばし、一生懸命しゃぼん玉の歌を歌い、シャボン玉液がなくなってシャボン玉の出が悪くなると、青い洗面器の中に再びストローを突っ込んでシャボン玉液を充填して、また一生懸命、ストローを吹いてシャボン玉を空に向けて飛ばし飛ばし飛ばし続けた。

そしてみんなで歌った。みんなで笑った。\(^▽^)/\(^▽^)/\(^▽^)/

♪しゃぼん玉とんだぁ~屋根まで飛んだぁ~屋根までとんでぇ~こわれて消えた~しゃぼん玉~とんだぁ~・・・♪
     (作詞・野口雨情)

ああ、楽しいなぁ~!ああ!何て楽しいんだろ~!何十年ぶりだろう?

ああ!楽しい!涙が出て来た!みんな!ずっとこうして歌っていよう!

・・・

・・・・・・

あれ?

今、ポツンと来たよ!

ねぇ、みんな、雨かな?

サラサラサラサラ~!

小雨だね、すぐ止むさ、はは、ふぅ~!

あれ?

ザザザサザザザザザザ~!

何だか強くなって来たね、ありゃ、こりゃドどしゃ降りだぞ!
中止だよ!いくら何でも、このどしゃ降りの中でシャボン玉遊びは無理だ!

ズザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ~~!

それより風邪ひくぞ!どこか屋根のある場所へ避難だ!

先生!保母さん!早く!どこかに!


あ・・・

止んだ・・・

急に止んだ・・・

あれ?歌声も止んでる。

子供たちは? ・・・・・? どこへ行った?

・・・いない、一人もいない。

あ!元気印の保母さんは?

・・・

・・・

・・・誰もいないや・・・


嘘だろ・・・

この公園みたいなところには誰もいない。静まりかえっている。

それに乾いてる、あたり一帯、カラカラだ。雨の振った形跡なんて無い。

さっきまで、みんなでシャボン玉飛ばしてシャボン玉歌ったココも、この公園みたいなトコの真ん中辺りの水色にペンキが塗られたコンクリート、この場所も全く濡れてない。

どこも濡れてない・・・

どしゃ降りなんか降ってない。

公園に子供たちなんかいない。

若くて明るく元気な保母さんもいない洗面器も無い。

誰もシャボン玉なんかとばしてない。誰も楽しく笑ってなんかいない。

時刻を見ると、ああ、もう二時間以上経ってる。早く戻らないと。

私は相変わらず斑に黒いデコボコした灰色の曇り空を見上げため息をつくと、あれ?何だ?何でこんなモン持ってるんだ?
あれ?でも、自分は頭の先から革靴の中までずぶ濡れだ。

まぁ、そんな事もあるか・・・

そして、手にしてたシャボン玉用ストローをポイっと捨てて、今日は何だか遅くなってしまったので、会社に電話して直帰にしてもらおうかな?
そう思って、歩きながら、そろそろ暮れ始めた曇り空に向かって、ふと口づさんでいた。

♪しゃぼん玉きえた~飛ばずに消えた~うまれてすぐに~こわれて消えた~♪
     (作詞・野口雨情)

乾いたコンクリートの上に私の濡れた足跡がペタペタと残っていった。


♪風風(かぜかぜ)吹くな しゃぼん玉とばそ♪
     (作詞・野口雨情)

♪雨雨降るな しゃぼん玉飛ばそ 雨族ならば 時計屋さがそ♪
     (改詞・kipple)





断片8     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片7- 霧暮れⅡ-六月三十日-:kipple

2007-10-11 00:17:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


               「雨族」
     断片7- 霧暮れⅡ-六月三十日-


私は愛犬のヨゼフ・Kを助手席に乗せ、細かい雨の降る銀色のハイウェイを気の遠くなるような沢山のカーブを繰返しながら、その火葬場へ車を走らせていた。

対向車は殆んど無く、時折ギッシリと客を詰め込んだ観光バスとすれ違った。

何故、この時期に、このような何の見るべきものの無い山の中を乗客を満載したバスが走っているのか私には、いくら考えても分からなかった。

唯、バスは幾度か正確な間隔をおいて私の青いシビックとすれ違い、雨で白く霞む下り坂を、音もなく遠ざかって行った。
私は、その理由をいろいろと考えた。

どこかの大会社の研修施設がこの山のどこかにあって、社員のほとんどが、その研修に強制参加させられているのかもしれない。

この山の上のほうに何かの宗教の重要な-たとえばベツレヘムやルンビニのような-場所があって信者たちが全国から集まり奇妙な儀式を行なったのかもしれない。

彼らはすべて地球を侵略しにきた異星人で、山の上で観光バスのレプリカ(実は変幻自在の虐殺メカ)を組み立てて、人類皆殺しのために大挙して繰り出したのかもしれない。

自殺志願者たちが集団自殺の場所を探して、ひと気の無い、淋しいところばかりを回っているのかもしれない。

あるいは、恐るべき偶然により、たまたま大勢が、この山に集ってしまっただけかもしれない。

ひょっとしたら私の幻覚なのかもしれない。

私の観光バスをめぐる思考は限りなく続き、おかげで友人の死について、また友人の死後の私の事に関してのもろもろの感慨や想念は細かい雨の情景の彼方で小さく、こっそりと潜んでしまっていた。

しかし、吹き荒れる観光バスに対する思考嵐の遙か遠くの方から、じっくりじっくりと鬼火のように近づいてくる一つの気になる疑問があった。

次第に、それは観光バスの思考迷路を押し退けて、私の意識の沃野を占領し始めた。
考えてみると、それは私が、この山に入ってから、意識の片鱗でずっと奇妙に感じていた事なのだ。

それは、音がないのだ。

あるいは私の聴覚が何らかの-友人の死の重み?-精神的な疎外を受け、音という概念を忘れてしまったのかもしれない。
私は、よく考えてみたが、観光バスの思考ループに入る以前から、一時間ほど音を聞いたという記憶が無い。

私たちは本当に音を聞いているのだろうか?

音を聞いた気がするだけなのではないか?

そんな気がしてくる。

あるいは、この世界は瞬間瞬間がフィルムの一コマのように無数に集められていて、今、この瞬間だけが誰かにピックアップされプレイバックされているだけにすぎないのかもしれない。

過ぎ去りし日々も順列的な意味はなく、ただ現在によって眺められる残像としての幻想・イリュージョンなのかもしれない。

時間を順列づけているのは瞬間的な幻想だけにすぎないという事だ。

そう考えると現実とは瞬間的幻覚以外の何物でもないのだ。

私たちはつねに瞬間に拾い上げられ、現実の連続を錯覚しているのだ。

死んだ友人のエイリアンによって人類と宇宙の成り行きをとてもとても明確に知ってしまったにしろ、私にはこの世界の成り立ちや午前4時に、ふと感じる奇妙な感覚の意味がさっぱりわからない。

たとえば妙に気分が落ち込む雨の日の水曜日の朝や、他人の感じる現実と、自分の感じる現実の微妙なズレなど。

確かに彼は誰がいつどのように死ぬとか、三年後に奥多摩で山火事があるとか、ジーンズを釘にひっかけるとか脱税がばれるとかボーリングで135のスコアを出すなんてことは、今見た事みたいに知り尽くしていたが、実は何一つ外面的な事象以外のことは解っていなかった。

私と同じように何も解っていなかった。

ああ、結局、誰も何一つ、わからないんだ・・・。唯一の友人まで失って・・・。
何も分からぬ、この世界に一人残された。

一人ぼっちで何も分からないで、この得体の知れぬ世界に存在し続けていかねばならない、という事を延々と考え続けていると、私は何だか、ポ~~ンと、一切が存在しない虚空に突き放されたような気分になった。

暗い暗い真っ暗な穴へ落ちてゆくような感覚におそわれ、急に、死んでしまいたくなった。

私は、“ええい、谷底へ突っこんでしまえば、すぐに何もかも終る”と、つぶやき、ハンドルを大きく切って、ガードレールの切れ目に突っこんだ・・・

落ちてゆく・・・落ちてゆく・・・これで終わったんだ・・・これで、いい・・・

あ!何だ?見た・・・。車ごと谷底へ落ちゆく途中で・・・落ちてきた・・・
空から巨大なウンコが猛スピードで、落ちてきた。
かなりの量が、落ち行く私の車の回りを通り過ぎていった・・・

ドボドボドボドボ!ドボドボドドボドボボボボー!ズドドドドドドドドボボボボボ~~!

世界は消えた。


バサバサバサ バサバサバサバサ ふわっ! ふわっ! ふわっ! 3天使飛来。

“あ~あ、死んじゃったぁ~いきなりだものねぇ~これじゃぁ間に合いっこないよ~!無理!無理!無理ぃ~!だ~めね!
もぉ~う!やり直し~!リセットね!あ~あ、無駄に終わったこのウンコ、全部片さなきゃ~。
まったくぅ~!何度でも!何度でも!納得、行くまでやってやるわよぉぉおおおおおお~っ!
無数の枝葉宇宙の中の似通った微妙に違う世界から!プレイバーックPart∞!リセェ~ト!リセットするのー!”

あのぅ・・・もしもし、ところで、君たち、天使みたいなかっこの君たち、私とどこかで会いましたっけ?
どちらさんでしたっけ?ってか、誰?

“あ!幽体だ!あ~あ忘れてやんの!言ったでしょ!言ったでしょ!言ったでしょ!神様のウンコが落ちて来るって!”

へ?君たち、3人、天使?なの?

“ほら!忘れてる!まぁ、しかたないかぁ!この世界で会ってなかったもんね!”

へぇ・・・この世界・・・?

“世界はね!世界はね!世界はね!無数にあるの!”

へぇ・・・無数の世界の、どこかの世界で、お会いしたと・・・で、私は死んだんじゃ?

“だから、この世界のあなたは終わり。やり直し!死なないように!”

へ?へ?へ?ひょっとして、無数の世界のどこの世界でも私は・・・

“しぃぃぃ~~~~!そんなの分かんない!無数だもん!”

君たちは天使なの?どうして私を救おうとするの?

“て・天使よ!天使よ!天使よ!そうね、この系統の世界での何かの縁ね!”

お名前を伺いたい。

“あたし!天使のテっちゃん!あたし!天使のンっちゃん!あたし!天使のシっちゃん!”

あああ・何だか安直な・・・名前ですねぇ・・・。

“やめて!ソレ言うの!みんな、そういうんだから!いーでしょ!名前なんだから!ただの!”

へぇ、宜しく、で、やり直すんすかぁ?

“そうよ!そうよ!そうよ!あなたの友人の「ラ」が死んでない他の世界からね!”

「ラ」・・・誰だっけ・・・

“でも、それだけじゃダメだわ!そうよ!そうよ!危なっかしいわ!あなたが「ラ」と唯一無二の親友ではない世界から、やり直すのよ!そのためには、あなたは、あなたであって、あなたでない、違う人間のあなたとしてやり直してもらうしかないわ!”

私であって、私でない・・・違う人間の私・・・?

“そう、置換可能なの!無数の世界の中の無数の雨族傾向の人間は全て置換可能なの!それでも、本質はあなたなのよ!がんばって!”

はぁ、そいつはどうも。でも、何だかさっぱり意味が分からないんすが・・・でも、この世界ってぇやつは、最初から最後まであらかじめ全て決められてるんじゃ?何だか誰かにそんな事を聞いたような気が・・・

“そんなの嘘よ!バッカだ、やっぱ、こいつ!バカだ!バーカ!今、自分で変えちゃったばっかなのに!あいつは全宇宙でも少しは名の知れた純情派ペテン師なのよ!あなた!そこで死ぬはずじゃなかったんでしょ?この宇宙は無数に分岐してるの!宇宙になる前の無も無数に分岐してるの!人間の頭じゃ分からないの!だぁかぁら~!変えられるんだってば!無数に変えられるの!”

その無数の宇宙も無数の無もあらかじめ決定されたプログラムなんだと・・・誰かが言ってたような・・・

“それは、無数の宇宙、この無数の世界が、統一された場合の事よ!今は、まだ、バラバラなの!全ての世界は不平等なの!怖いのは平等よ!全ての宇宙・世界が均等に並んだ時、統一された時!何も変えられなくなるの!”

ふぅ~ん、それ、誰に聞いたんすか?

“神様よ!”

へぇ、神様ねぇ・・・じゃぁ他の私を、テキトーに宜しくおね・・・

“リセェ~~~~~ット!”





断片7     終


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片6- 霧暮れⅠ:kipple

2007-10-09 00:23:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


                「雨族」
     断片6- 霧暮れⅠ


山の中の小さな火葬場。初夏の小雨の中でひっそりと、それは行われた。

死体は何年も前から自分の死ぬ時と場所を知っていたし、そうして小さな冷蔵庫のような焼却炉で焼かれる事も知っていた。

私は彼に聞いたのだ。

私が、どうしてもと頼むので彼は私に教えた。彼は大抵の事なら知っていた。生まれつきそういう能力があったのだ。

もちろん私の死ぬ時期も場所も死に方も知っていた。私は嫌がる彼を説得して無理矢理に聞き出した。

私は淋しく愛犬と共に餓死するのだ。誰もそれを変える事はできない。すでに全ては決められているからだ。彼は人類の最後さえ知っている。

それは、それ程、遠い先の事ではない。ある日、時間と風景のバランスが狂い始め人類は順列的因果配列から放逐される。シンプルに言えば消えてしまうのだ。

せいぜい、それまで楽しく生きることだ。人類の構築した社会や生活のシステムなんて決定的に無意味なのだ。政治も経済も思想も哲学も常識も流行も完全に、パアだ。

私たちは何のために存在しているのか?その答えは実にシンプルだ。

私たちは何のためにも存在していないのだ。

単に宙に浮くシャボン玉の様に時間の中に単時的に漂っているだけのことだったのだ。

無意味に存在し、無意味な存在に付加価値を期待するのが私たちの存在の全てなのだ。

彼は、そのような様々な絶対的真実を私に教えてくれた。

彼は一見、大馬鹿者のように見えたが実は、五万年も地球上で人類の記録者をやっていたエイリアンだった。

そして、私の無二の親友だった。

彼は故郷に五万年間の人類史を自分の死体の焼却と同時に送信する。

彼の脳髄が焼かれる時、短い電脳波がシリウス目指して出発する。

その短い電脳波には五万年間の人類鳥瞰図が入っている。

彼の故郷の人々は、それをビデオのように再生して楽しむのだそうだ。私たちの存在は彼らの娯楽の一つという付加価値をも持っているわけだ。

しかし、人類のビデオはまだ完結していない。彼は死んでしまったし、まだ人類は順列的因果配列から放逐されていないからだ。

クライマックスが残されているのだ。

彼は山の中でF・クラウネンに撃ち殺され、小さな焼却炉で焼かれる事になる半年前の豪雪の函館で、仕事で出張していた私を呼び出して、深刻な顔で話した。

彼はトムコリンズを、私はサッポロビールを飲みながら。
「あの、さあ。僕はもうすぐ死ぬからね。六月二十八日に伊豆の山の中でクラウネンに撃ち殺されるからね」

彼は、ちびちびとトムコリンズを爪を噛む様に飲み、ニヤニヤ笑っていた。私は、かなりショックを受けた。

全知無能で五万年も地球上で暮らしてきた異星人の彼に死が訪れるというのは、とても奇妙な気がした。

撃ち殺されるというのも変だと思った。それに、彼は私の唯一の親友だった。

それなら、どうして、それを回避しようとしないのか、故郷へ帰ればいいじゃないか、と無駄を承知で私は尋ねてみた。
「それは、そう決まってるんだ。宇宙の法則を変えたら何もかもメチャメチャになる。月が君のにきびになったり、0.0001秒の間に宇宙のはじめと終わりを三十億回いったりきたりして、太平洋と同じ量のサッポロビールを吐いたりする。それは、いけない。君もちゃんと餓死しなければいけない」

思った通りだった。そういう事だ。でも私はショックを受けて涙ぐんでしまった。とても悲しかった。

人間は先の事を知ってはいけないのだ。彼は私にそんなことを話すべきじゃないのだ。

しかし、彼に言わせれば、それ(話す事)も決まっていて、未来を知る事が私の人生というプログラムの一部なのだ。それは、おそらく先行き、何かに繋がっていくのだろうと思う。犬と一緒に餓死するまでの何かに。

でも私は、その何かを知りたくなかった。絶対に知りたくない。彼も教えようとは決してしなかった。

私は函館の町で生きている彼と最後のサヨナラをするとき、一つ質問をした。とても気になった事があった。

「ねぇ君が死んだら、いったい人類の消滅は誰が記録するんだ?これからがクライマックスだろ?」

彼は雪の舞い落ちる夜空にトムコリンズの白い息を拡散させながら、ポツンと言った。
「後継者は、だいぶ前に到着しているさ。まだ夢を見ている。夢をね。半年後に目覚めるよ」

彼は、とても悲しい顔をしていた。とても、とても深い悲しみをたたえていた。

私は彼と中学校の同級生だった頃から親しい友人関係を続けていたが、そんな表情の彼は初めて見た。

五万年間続けてきたように何度も何度も胎児として母胎に侵入し一卵性双生児として記録者を続ける生活は終わったのだ。

彼は私たちと同じように、ただ死に、他人が彼の仕事を引き継ぐ。

そして半年が過ぎ、彼は死んだ。一卵性双生児のかたわれの、クラウネンに撃ち殺されて・・・・・・。

彼の魂に幸あれ。

私は彼と、とても楽しい人生の幾つかの時を過ごし、とても虚しい人生の意義を教わった。

私の人生には三十五才にして、大きな終止符が刻印された。

私は、とても、とても、悲しかったが生きてゆかねばならない。できれば犬と一緒に淋しく餓死なんてしたくない。

私は夢を見るのだ。生きて、生き続けて、いつか幸福をつかむ夢をね。




断片6     終


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片5-出発前:kipple

2007-10-08 00:19:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


                「雨族」
     断片5-出発前


私が目を上げると、男は小さく笑っていた。

二回目に目を上げた時、その男はいなくなっていた。

一瞬、どこかで会ったことがあると思ったがすぐには思い出せなかった。
私はしばらく車内を見回していたが男の姿はどこにもなかった。
再び私は目を閉じて車窓に頭をもたれた。
そして目蓋の裏に映る緑色の残光と遊びながら考えた。
男はどこへ行ったのだろう?
二度目に目を開くまでに他の車両へ移動する間もなかったはずだ。
隠れる場所だってない。
この車両はガラガラだ。
それでは、どこに消え失せたのだ?

私は気味が悪くなり、立ち上がり、辺りを注意深く見回しながら進行方向に歩いていった。
この車両は最後尾だからこうやって先頭車両まで調べていけば見落とすはずはない。
客だって一車両に二・三人しかいないし通勤快速だから次の駅までにはまだ10分はかかるはずだ。
それまでに先頭車両まで行けるだろう。
私はゆっくりと一歩一歩まるで月面を歩くアームストロング船長みたいに進んでいった。
横揺れする床に、慎重にバランスをとりながら。

左右に並ぶ窓は井戸の底を並べたみたいにどす黒く、恐ろしかった。ムンクの「叫び」の口みたいだった。

先頭車両に着く頃には自分は進んでいるのか後戻りしているのかよく解らなくなっていた。

ひょっとすると電車は何時の間にか向きを変えていたのかも知れない。
それとも、揺れと音だけで停車したままなのかもしれぬ。
何だか思考と感覚がブンブンブンブンブンブンと電動大鋸のように震えているみたいだ。
結局、あの男の姿はどこにもなかった。
私は暫らく運転室の外側のアームにつかまって立ち尽くしていた。
足元と同調して、私の思考もブンブンブンブン不規則に揺れた。
私は自分に結論を出した。
それは二つあった。

一つは、私が最初にあの男を見た時点と次に空席を見た時点に電車が一つ以上の駅に停車するだけの時間と経緯が存在していたというものだ。
その間に男は降りたのだ。
そして私にはそれを認識する能力がなかった。
知らないうちに眠ってしまったのかもしれないし、ボゥーッとしていて気づかなかったのかも・・・・・

もう一つは、時間認識は正常で、そもそもそんな男はいなかったということだ。
私はとても疲れている。
疲れた心と脳は時折、無意識の領域からおかしな風景を拾って見せてくれる。
一瞬の夢に落ちていたのかもしれない。

私はまた、この二つの結論が混じり合った場合のことも考えた。
たとえば・・・・・・そして考えているうちに様々な事が気にかかってきた。
まず、この電車は、いくら首都圏を抜けたからといっても10時代の中央線にしては空きすぎている。
東京駅で乗り込んだ時にはかなり混雑していたはずだ。
それに車内の風景が、どこか変だ。
全てが私に迫ってくるような感じなのだ。
大胆な遠近法といった感じだ。

いきなり雑音混じりのアナウンスが響き渡り、私の思考は中断した。
そして、しだいに電車は減速しはじめた。
私は、バランスを気にしながらドアに近づき、窓の外を見た。
顔をガラスにくっつけて黒一色の外景をみつめた。
街は所々に灯りを鈍く光らせ、まるで苔にうもれたように静かにたたずんでいた。
ガラスがひんやりと風景に味付けをしていた。
街には誰も生きていそうもなかった。中性子爆弾が全ての無機物を透過して生物のみを消し去った後のようだった。


***********************

私はビジョンをみた。
まずは、「マツモトタダシ」「マツモトタダシ」「マツモトタダシ」・・・と誰かの名前だろうか?
電光掲示板の文字のような光を私は見た。
私は理解した。さっきの男の名前・・・それは「マツモトタダシ」・・・

次に様々な言葉が聞こえた。
男でも、女でもない、奇妙にブレたホワイトノイズのような声だ。
“相乗効果-共振-融合-絶対パートナー-触媒-S・いずみ-ロミ君-T・ひろし-3天使-クロエ-・・・だれかが風の中で・・・”
いったい何なのだ?聞いているというより見ているような声だ。
未来からの啓示?それとも、ただ疲れているというだけか・・・

次に私は、どこかに立っていた。
遠くから自分を望遠鏡で覗いてるように、それは見えた。
入口の狭い、奥行きのある時計屋?時計屋だ。
そこには数千の時計がある。
しかし、全て一糸乱れぬ正確さで動いている。
全ての針がピッタリと同じ時刻を指し示している。
秒針も一ミリと狂っていない。
店主らしき人物が、それを自慢している。
私も、見事です、と感動している。
私は、その秘訣はなんですか?と店主に聞いている。
「ふむ、実はね、実は実は、誰にもいっちゃダメだよ。この四千五百六十七個の時計は全て一つの中心に繋がっているんだ。
デジタル時計もアナログも全て心臓部から発せられる、ある特殊なパルスに導かれているんだよ。もとは一つさ。」
しかし、あっというまに全ての時計はデタラメに狂い始める。
店主は正気を失っているみたいだ。
発狂しているのか?店主はマシンガンで全ての時計を破壊し始める。

私は、何時の間にか、さっき店主が言っていた心臓部にいる。
そこには、透明なガラスのケースに眠る女がいる。
彼女が・・・眠りから覚めたのだ・・・声が聞こえる・・・
彼女は気持ち良さそうに目覚め、私に言う。
「ああ、眠るたびに、歳を取るわ。」
暗い地下の半仮死状態半覚醒状態コールドルームに、物凄い強風が吹き荒れ始める。
「私は、あなたの世界を制御していたのよ。でも、これで終わりね。あははははは。これから平等な現実が再開するわ。平等とはなによりも冷酷ということよ。」
彼女の笑い声が響く。彼女を目ざませてはいけないのか・・・

次に私は、さっきの展示室にいた。
さっきの店主は左目を撃ち抜いて自殺していた。

***********************


気づくと電車は停車していた。ビジョンは終っていた。
どうかしている、と私は思った。
電車は何だか、最初から停止していたような感じだ。
ガラガラとウガイをするようにドアーが開き、私は何のためらいもなく、何者かに気の遠くなるほど遠い時間と場所から操作されている自動人形のようにプラットフォームに下りた。
するとドアーは異なった二つの世界の唯一の通風孔を遮断するように、ハサミでズバっとちょん切るように容赦なく閉まった。
私は、誰もいないプラットフォームに取り残され、電車は信じられない程、冷淡に走り去った。

プラットフォームには誰もおらず、私の目の前に、黒いトランクが置いてあった。
名札がついていて、そこには、「マツモトタダシ」と記されていた。
覚えている。さっきのビジョンの中に出ていた名前だ。
私は、トランクを開けた。
そこには、一枚の便箋と、大量の札束が入っていた。
便箋には火葬場の場所が記されていた。

分かった。死んだのだ。ヤツが。

人類の記録者。私の唯一の親友と言っていい、人類記録係のヤツが・・・。




断片5     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片4-「究極ペット」Ⅱ~-削ぎ落とす!-大胆に削る!短く削る!-:kipple

2007-10-06 00:35:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


                「雨族」
     断片4-「究極ペット」Ⅱ~-削ぎ落とす!-大胆に削る!短く削る!-


自殺しようと思った。

朝が来た。

死のうと思って、窓の鉄格子を外して、LANケーブルを手摺に結んだ。

鉄格子は、押せども引けどもビクともしないが、上下に揺すると簡単に外れるのを知っていた。

はめ込み式なんだ。

大家のキップルさんがケチったんだと思うんだ、手抜きだ。

さて、そうして手摺に結んだLANケーブルを首に巻き、、
“じゃぁな、ごめんなナオ!励まそうと思ったのにこのザマだぁ!”
って窓から身を乗り出し、飛び降りようと、ふと、見ると・・・


下に巨大なウンコがあった。


最初、あまりにデカイんで、ハリボテか?と思ったが、どうやら本物みてぇだ。

寝てたナオを起こして窓の下を見せると、ナオの顔は、(@Д@) になった。

あ~、こんなの片づけよ~にも片づけらんないよ。

「きっぷる荘」の他の住民も皆、困ったもんだ。

大家のキップルさんに相談しに行ったが、“うんこ~?ウンコって何だっけ~?食べちゃえばぁ?”と軽くあしらわれた。

ああ~!くさい、くさい。

マジっすか?犬の?いやデカ過ぎる・・・

人間?いや、やっぱデカ過ぎるよ・・・

夕暮れ、窓から、ナオと二人で思案に暮れて、ウンコを眺めていると、、、

3人の女の子があらわれた。

2人の女の子は、サッと巨大なチリトリとホウキを出し、

1人の女の子は、大きなゴミ収集袋を出し、

まるで、紙くずでも片づけるようにサッサとウンコを袋に詰めこんだ。


「君らは何者?そのコスプレは、いいとして」
と聞いてみた。

彼女達の背中には青い翼がついていた。

「天使よ」
と3人は同時に答えた。

「それは何だったの?」
ナオと一緒に言葉が出た。

「神様のウンコよ」
と3人。

「ごめんね、たまに、ちゃんと片すの忘れちゃうの」

3人の天使は、揃ってニッコリ笑い、
「迷惑かけたね。ちょっと、おわび」
と言ふ。

彼女たちは、“ふわっ”っと宵闇の空中に浮かんで、ゴミ袋をつかんだまま、最後に再び3人揃って、ニカっと笑い消えていった。



次の日、ナオと一緒にパチンコやると、フィーバーだ!フィーバーが出た!

3人の天使が揃った。

何となく、パチンコ台のガラスに映る自分の顔にキトン君の笑顔がダブって見えた。

何となく、あの3人の天使、キトン君が代わりによこしたな、アイツ、シャイな奴だからなぁ・・・そんな気がした。

んで、死ぬのは止めた。



3天使による「神様のウンコ」についての忠告!
3天使ちゃんたち!せぇ~の!ご一緒に!
“神様が、みんなを作ったんじゃないし神様が、みんなを助けるわけじゃないの。祈ったって拝んだってだめよ。気づいてるでしょう?みんなが神様を飼っているんだよ。
神様は君たちの上位の世界にちゃんと存在してんだよ!だから、ちゃんと世話をしてあげないと神様はおかしくなってウンコしまくって世界を滅ぼしちゃうのよ!
神様は、みんなのペットなのよ!ペットはきちんと世話して飼いましょう!
殺したり自殺したりしちゃだめなのよ!みんな、飼い主としての責任があるんだから。
だから、みんな、ちゃんと生きればいいんだよ。
それがちゃんと神様を世話するって事なんだからさ。真っ当に!真っ当に生きて、ね!

そうしないと、神様のウンコが、物凄い量とスピードで世界中に降り注ぐぞぉぉおお~っ!

神様は、みんなのペットなの。究極ペット!
なっちゃダメだぞぉおお~!ダメー!
雨族にぃ!雨族にぃ!雨族にぃ!”





断片4     終


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「雨族」 断片3-「究極ペット」Ⅰ~-詳細に!-だらだらと余計な事まで、長く細かく-:kipple

2007-10-05 00:24:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


                「雨族」
     断片3-「究極ペット」Ⅰ~-詳細に!-だらだらと余計な事まで、長く細かく-


自殺しようと思った。

何も起こらない日常への反抗とは何かを起こすことである。
無理矢理にでも日常性俗俗惰性生活からの脱皮を計らねばならない。
そう思っていたが、僕には何も起こせなかった。
ひたすら日常に埋没し、暗い穴のなかにどんどん落ちて行った。
僕は、ずっと憂鬱で、闇に沈んでいたが、ごく親しい人以外の他人には絶対に見破られまいと、のほほんと見えるように振舞った。
そして、ごく親しい人たちを自己を正当化するために攻撃するようになった。

僕は幼い頃、世界は自分の存在によって形態づけられていて、僕が目を閉じてしまえば世界は一瞬にして消滅してしまい、僕は虚空を掴んで苦笑いをしているんだと本気で信じていたんだ。
そして、その頃の純真な僕から、現在の僕、ダンボールから僕の形を切りとって、どろどろした絵の具を、ぶっかけたような惨めな僕に至った。
真っ暗な気持ちだ。真っ黒の僕だ。

闇が今まで明るかった、このアパートのこの部屋の鉄格子入りの窓の外の風景の上に、べったりと藍色のセロハンを貼りつけたように静かにやってきた。
僕の部屋の中は放送が終了した昔のTV画面のように灰色だ。
それは夜でも昼でも変わりようの無い永久に無表情な世界なのだ。
でも僕は今、幸福なのだ。たとえ惨めであれ、僕はコレを求めたのだ。いやバチが当たったと言う方が正確かもしれない。
とにかく自分自身がこうなるように持って行ったのだ。
それは自分の中でどこかで望んでいた事なのだろう。だから望みが叶って幸福だと思うのだ。

光が僕の笑い顔を照らすんだ。月の光だ。
都会だというのに月は薄ぼけていず、くっきりと輪郭を持っていた。
僕は自殺した3人の少女の事を考えた。
自殺した親友の事を考えた。
そして、いよいよ明日の朝、今度は僕が自殺しようと思うんだ。
もともと僕には自殺願望があったのかもしれない。
いや逆で自殺したくないために他人に止めてもらいたい為に自分が自殺を肯定し、いかにも自殺しそうにみせかけていたのかもしれない。

僕が、このアパートに引っ越してきたのは、ついこの間。
2007年8月14日、金曜日。気が狂ったように暑かった。
元々ここは数ヶ月前に死んだ僕の親友のキトン君が借りていた。
窓には鉄格子が嵌っている。
でも、ここは収容所でも重度精神病院でも刑務所でも無い。
窓に鉄格子が嵌っているのには、それなりの訳があるんだ。
要するにキトン君が、この窓の外側にある手摺に紐を結んで飛び降りて首吊り自殺したので、大家のキップルさんが、“もう自殺禁止”ってな意味で嵌めたのだ。
“もう”と言うのは何やら、この窓から飛び降りて首吊り自殺したのは、キトン君が初めてでは無いらしい・・・キトン君の前にも、まだ空き部屋だった、この部屋に、3人の少女が夜中、忍び込み、3人揃って、この窓からぶら下がったらしい・・・どうやら、この部屋は、スゥーっと暗くなっちまったヤツを呼び込み、もともと潜在的にあった死への願望を引き出してしまうらしい・・・そして、それは僕により、確実に実証されたのだ。
魔のスポットというヤツかも知れない。
明日の朝、僕は、死のうと思う。
ここ数日、暗い想念が思いっきり膨らみ続き、もう、どうにも止まらない。
僕は明日の朝、死ぬ事にした。

このアパートの名前は「きっぷる荘」。
築推定40数年なのだが、幾度かリフォームを繰り返し、まあまあ住めるようになっている。
見た目も木造で古臭さは否めないが一応部分的に鉄筋コンクリで補強してたり、何度も薄青のペンキを重ね塗りしてあったり努力のあとは伺える。
大家のキップルさんが最近がんばってデジタル時代の若者のためにと各部屋にケーブルを引き込んでくれたのでTVもNETも自在だ。
1本引き込んで後はハブで複数の部屋に分けてLAN接続でもすればよいと思うのだが、大家のキップルさんは、そういう事は知らないみたいだ。
大家のキップルさんは“1人、1人、1本、1本”と言って、こだわりを見せる。
もしかしたら実は知っていて1人につき1本のケーブル、否、1部屋に1本という事に何か意味があるのかもしれない。
でも僕には関係ないことだ。
それは大家のキップルさんの勝手だから。
それによって家賃が高くなるとか、そういう問題があるんなら別だけど。
ここは格安なんだ。
敷金も礼金も無しで、今月分から月の末日に現金で大家のキップルさんに渡せばよい。

アパートは3階建てで部屋は全部で10ある。
1階ごとに3部屋づつあって残りの1部屋は屋上に大家のキップルさんがシュールなダリの絵みたいな小屋を鉄板や廃材を駆使して作って1人で住んでいる。
変わり者だな。
で、僕の部屋は202号室、2階の真ん中。
入るとキッチンルームがあって六畳ほどのフローリングで、その奥が八畳の日本間畳敷きに続き、襖を開けると六畳の薄青の絨毯敷きとなる。
絨毯敷きの部屋が鉄格子の窓のある部屋で突き当たり、細長い構造だが横にトイレとユニットバスが付いている。
古いくせに何だか無理矢理なんだ。
大家のキップルさんの性格からすると、ケーブルの引き込みのように、あとから付け足し付け足しを繰り返しているに違いない。
ちなみに空き室は無い。
けっこう、こういう古いヘンテコなアパートに住むのが御洒落だという輩が居るのだから世の中不思議なものだ。この時代に。

おっと言っておかなけりゃ、いけない。
僕は引っ越してきたのは1人だが、1人で住んでいるわけじゃない。
ある女性と一緒に、この暑い夏を過ごしている。
ある女性というのは、元々、ここに死んだキトン君と一緒に住んでいたキトン君の姉のナオだ。
ナオは風俗で一生懸命に白い体操着にブルマの女子高生の仕事をしている。
ちなみに僕はプータローでキトン君もバイトは時々してたが、まあプータローだった。
僕は死んだキトン君の親友だったので何度も、ここを訪れた。
当然、何度かキトン君の姉であるナオと顔をあわせたわけだ。

おっと、もう1つ言っておかなけりゃ、いけない。
僕たちは人間ではない。
幽霊だ。
え?っと思う?しょうがないから当たり前の事を簡単に説明しておかなきゃな。
僕は親切だから。
幽霊ってのは人間より上位の世界の存在なんだ。
だから僕たち幽霊のやる事為す事、また姿や音や匂いや気配やらなんでもかんでも人間たちは絶対に知覚できない。
逆に僕たち幽霊サイドからは、人間たちのやること為す事は全部お見通しだ。
それが上位って事だ。
たまに人間の中に幽霊を見たとか写真に写ったとか感じたとか言ってる人がいるけど全部、ウソだと思う。
絶対に人間には幽霊の存在を認識できないんだ。
それこそ奇跡でも起こらなきゃ人間が幽霊を見たり感じたりできるわけが無い。
1次元の存在は2次元の存在を感知できないし2次元の存在は3次元の存在を絶対に感知できない、絶対の法則だ。
逆に3次元の存在は1次元も2次元も認識できる、そういう事だ。
知らないだろうから、いっちょうもう1つ親切心で言っておくと、人間が死ぬと僕たち幽霊になる。
すなわち上位の世界に移行するんだ。
じゃあ僕たち、幽霊の世界の上位は?幽霊が死んだら何になるかって?知るわけないじゃん。
だってそれが僕らより上位の世界なら分かる訳は無い。絶対。

え?幽霊は死なないだろって?あー頭が固いと言うか。
幽霊だって死にます。ちゃんとね。
キトン君は死んだんだ。
幽霊が死ぬと何になるかは分からないけどね。
とにかく僕はちゃんと幽霊として生きている。
大家のキップルさんもね。
言っておくけど、人間の世界から、ここのアパートは見えないよ。
幽霊の世界からは人間の世界の諸々は全部見えるけどね。
どういうふうにって?ま、大口叩いたけど、実際はよくわからないよ、立体的な外郭だけしかね。
じゃぁ3次元の世界の人間が2次元の世界の存在や1次元の世界の存在をちゃんと説明できる?
点や線はちゃんと認識出きるけど、その世界の中まで入って中の存在を確認するなんてのは無理だろ?
超微粒子を物凄い高倍率の電子顕微鏡で見たって3次元は干渉してきちゃうからよくわからないんだよ、そんな感じだ。

とにかく僕は幽霊で僕の世界は幽霊の世界で人間の世界の上位にある。
人間の世界は3次元の世界から点や線を認識できるようには、諸々の外郭だけは全部見えてるわけだけど、実は幽霊の世界が干渉してきて、よく分からないので僕が死ぬ前に誰だったとか、そーいう細かい事はよく分からない、OK?だめ?
じゃ何故、人間が幽霊を見たとか言うのを知ってるかって?わかるんだよ!1次元とか2次元とかってのは例えだよ。
基本的に話が違うんだ。
いいかい?じゃあ面倒くさいけど説明すると、こうね、ぐっと頭の芯を凝らすと重なって見えるんだよ。
ぐっと頭の芯を凝らすと重なって聞こえるんだよ。
人間たちの世界の諸々がね。
薄ボンヤリと。
もっともっと頭の芯をぐっと凝らすと、ハッキリ見えてくるけど誰もそんなこと重要じゃ無いし、気にしないから、ようやんないけど。
はっきり言っておくよ。
とにかく、僕たちは幽霊で、この世界は幽霊の世界で、人間の世界は僕たち幽霊の世界の下位の世界だから、人間の世界からは僕たち幽霊の世界は、どうやったって見えない、聞こえない、感じれない。

僕たち幽霊と人間の世界の違いの話はこれで、もう止めだ。
この話は、幽霊の世界の話なんだからね。
え?幽霊なのに1人とか言うのは、おかしいって?1幽って言えっていうのかい?いくらなんでも、そりゃないぜ。
死んだ人なんだから1人とか2人とかでいいのだ。
で、最後に言っておくが幽霊の世界と人間の世界は上位と下位の差だけで他はいっさい変わらない、人間が死ぬと幽霊になって、この上位世界に来て幽霊となって生きる。
僕らはミンナ生きていて地球は回っていて空は青くて夜は暗い。
もう質問は無しだ。

とにかく、僕は、明日の朝に死ぬ事にしたんだ。

「実はね、この部屋には出るんだよ。死んだ幽霊が化けてでるんだぁぁぁああ~!ヒュ~ドロドロ~!いっひっひぃぃいい~っ!」
と、大家のキップルさんは、笑いながら本当にマジに怖い事をいう。





断片3     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)


「雨族」 断片2-二十歳までの僕の恋への関わり方Ⅱ:kipple

2007-10-04 00:46:00 | 雨族(不連続kipple小説)

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                「雨族」
     断片2-二十歳までの僕の恋への関わり方Ⅱ


その後、ボートの転覆事故で死んでしまった女の子について考えると、とても奇妙な心境におちいる。

まるで、ウルトラQの1/8計画に参加したような気分になる。

彼女は僕の人生を何らかの形で予言して死んでいった。

僕は、とりたてて彼女の事も他の誰の事も好きじゃなかった。

どうして誰も好きになれないのか、皆目。見当もつかなかった。

今、思うと、おそらく、面倒くさくて、疲れるからイヤだという思いが先に立ったのだろう。

苦しむのがイヤなのだ。

ただ、付き合っているだけが、いいんだ。恋を、せずに。

二十歳に近づいた十九歳の秋に僕は短大一年生の女の子と知り合って週に一度、映画を観に行ったり、遊園地に行ったり、ビールを飲みに行ったりした。

吉祥寺にあった僕の友人にアパートを開けてもらい、そこで二人で入り込み、一晩中SEXをした事がある。

僕は何故だか、頑強にキスを拒み、彼女を困らせた。

僕はキスをしたくなかった。どうしてだか分らなかった。

ベッドの中で夜明けを二人で眺めていると、おかしな気分に襲われた。

僕はトラルファマドール星で、捕らわれの身となったビリーの事を思い出し、悲しくて悲しくて、たまらなくなった。

「何を泣いてるのよ」
と彼女は言い、

「キスする事も出来ないなんて、あなたは、ド・コ・カ、ト・テ・モ、オカシイわ。」

「おかしいと自分でも思うよ。」
と僕は言った。

「自分でも、どうして、そうなのか、よくわからない。」

「あなたは、永久に自分が分らない。分らない、ワカラナイで、分ろうとせず、取り返しのつかない事になるわ。」

僕は、ビクリと身を震わせた。

「どうなるの?」

ある種の予感があったが、実際、聞いた後も、信じられなかった。


「雨族よ。」
彼女は、そう言った。



断片2     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)

「雨族」は、自分が10代の頃から、何となく妄想してた超バラバラ妄想小説です。ストーリーは特にありません。(ある時もある)時系列も連続してません。(してる時もある)


「雨族」 断片1-二十歳までの僕の恋への関わり方Ⅰ:kipple

2007-10-02 22:43:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


                「雨族」
      断片1-二十歳までの僕の恋への関わり方Ⅰ


僕が、まだ十八歳だった頃。

コンビニのアルバイトで知り合った女の子と蓼科の別荘に旅行した事があった。

とても目の大きなスタイルのいい女の子だった。

僕は、その女の子の事が、少し好きだったけど何だか面倒くさかった。

僕を、求めてくるようなので、とても、面倒くさかった。

その女の子が、僕の事を、どう考えていたのか想像もつかなかった。

蓼科の別荘で僕らは、2人きりで夜を過ごした。

テーブルに蝋燭を立てて、その光に2人で、顔を寄せながら、いろんな話をした。

その殆んどが、生きるスタイルに関する事と、今の恋についてだった。

女の子は言った。
「私たちは神聖な輝やくような恋に、じっと息をひそめて向かいあっているのよ。大きな火の渦の真ん中にいるの。誰か、他の人が近づいてくれば、メリメリと、あたしたちの秘めたブルーの火に、若き恋の炎に身を焦がされて燃えちゃうのよぉ。」

僕は、にっこりと笑ったが、眠くなっていた。

彼女は、こうも言った。
「あなたは特別な人よ。本当に特別な人よ。」

「どういう意味なの?」と僕が尋ねると、

「そういう意味よ。特別な人だってこと。あなたは、それをうまく掴んで、使うのよ。どこが特別かをね。しくじると、ひどい事になるわよ。」

「どうなるの?」

「雨族。」


彼女は次の日、ボート事故で死んでしまった。後処理が、とても面倒くさかった。
彼女は、17歳だった。処女のままだった。



断片1     終


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(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)

「雨族」は、自分が10代の頃から、何となく妄想してた超バラバラ妄想小説です。ストーリーは特にありません。(ある時もある)時系列も連続してません。(してる時もある)