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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

伝票はメイエさんに

2012-09-19 13:53:12 | 音楽
先日、ふと見たテレビ番組にレヴァンフランセの面々が出演していた。

レヴァンフランセは、
フルートのパユ、クラリネットのメイエ、オーボエのルルーといった
一流のフランス出身音楽家による室内楽ユニットで、
プーランクを十八番とする大人気グループである。

ちなみに、写真で見たとき、このユニットで一番イケメンなのは
ポール・メイエ氏(クラリネット)なのだが、
実演やテレビでのインタビューの様子を見ていると、
これはもう、ただ、ものすごいいい人である、
ということが伝わってきて、
演奏家というより、頼れる事務局長と言う空気が漂う。

「他の方は心から楽しそうで大騒ぎで、
 何も話を聞いて下さらなかったんです。
 なので、伝票は、端っこでウーロン茶を飲んでいたメイエさんに
 渡したんですよ」
  とはレヴァンフランセ日本公演の打ち上げ会場となった
  「居酒屋・美濃囲い」の女将の証言である。

さらにちなみに、
このグループで一番態度がデカいのは、
おぎやはぎの小木さんに似たピアニスト、エリック・ルサージュ氏である。

パユやメイエのような華々しい受賞歴があるわけではないのだが、
演奏を見ていると、そして、なにより立ち振る舞いを見ていると、
この男が支配者だ、と言う空気が漂うのである。

「明らかに態度が悪いから、ルサージュに
 『お前がボスだろ』って聞いたら、
 『ウイ』って答えたんだよ。」
  とはレヴァンフランセの打ち上げ会場となった
  「レストランバー矢倉」のマスターの話である。

閑話休題。

まあ、とにかく、そんな伝票を渡すならこの人しかいないメイエ氏や
誰がどう見てもボスに見えるルサージュ氏から成るユニット
レヴァンフランセなわけであるが、
私が見たインタビューで、パユはこう答えていた。

パユは、周知の通り、20そこそこの若さで、
ベルリンフィルの首席フルート奏者になり、
数々のソロCD,フルートコンチェルトのCDをリリースした現代最高のフルート奏者である。

技術も表現もあまりに素晴らしいため、
本当にフルートだろうか、と言いたくなる演奏の数々。

あまりにウマすぎてフルートに聞こえない音色を出すフルート奏者は、
最高級の音楽家であることはともかくとして、
最高級のフルート奏者と言えるのか、だって、フルートに聞こえないんだもの、
と、禅問答の一つもしたくなるではないか。


閑話休題。

まあ、とにかく、そんなパユに、ギャラリーの音大生の方が質問をした。

音大生の方の質問は、演奏会後にモチベーションがダウンしてしまうのだが、
どうしたらよいでしょう、的なものであった。

これに対するパユの答えは、

「音楽会の後に、楽しかった、またやりたい、もっとやりたい、
 と思えないのなら、
 音楽へのアプローチを変えてみてはどうか。
 演奏会をすることだけが音楽を楽しむ方法ではない。」

 と、こういうものであった。

厳しい。

いや、しかし、その通りだと思う。ちなみにこの時、
パユの表情は硬く、怒っているといっても過言ではなかった。

厳しい。

およそ何かのプロであるなら、この厳しさに耐えれるよう、努力しなければならない。
私は、このパユの表情を一生忘れないと思う。



ちなみに、番組では、このパユ発言後に、がちがちに緊張する空間を
ルルーが盛り上げていた。

「きっと君は緊張してしまうんだろう。
 僕も演奏会で緊張しちゃうことあったよ。 
 だけど、力を抜くことを覚えれば自然に楽しくできるよ。」
 的な発言で、会場の空気は和らいでいった。

ルルーの笑顔は、素敵だった。
たぶん、モテると思う。

レヴァンフランセは、本当に良いチームだ。

くるみ割り人形

2012-09-13 21:42:44 | 音楽
最近、いろいろあって、ラトル&ベルリンフィルのくるみ割り人形聞いています。

録音については、いろいろ意見のあるところかと思いますが、
やはり一音一音緻密で、どの場面の生き生きとしています。

合唱がまた、素晴らしいのですね。
らーらーらーらら。
このCDかけながら、採点したら、
全員にAプラスをつけてしまいそうです。ははは。

万能感に包まれてみる

2012-07-17 12:46:16 | 音楽
また、更新しませんでした。
もうすぐ、憲法の急所一周年で、記事を書こうと思っていたところ
バタバタしておりまして。

最近、原稿を書き進めております。
なかなかツチノコ祭りの原稿がはかどりません。

なんでだろう?と考え、そして分かったのは、
マーラーの交響曲を聞きながら文章を書くと、
行ったり来たりとうねうねしたものになってしまうということなのです。

これはいけないと思い、
モーツァルトピアノ協奏曲にしてみたところ、
なぜか、捗る。26番とか聞いていると、
もうすらすらかける。

ほら、モーツァルト先生の作品って、
赤ちゃんや植物に聞かせましょうっていうじゃないですか。

私は、モーツァルト先生の音楽からお力を授かるには
赤ちゃんや植物のようなピュアな心がないといけない
と思っていたのですが、
成人男性にも効果があるようです。


さて、モーツァルト先生のお陰で、
文章の進むべき方向性が見えてきました。

構想ができると気持ちよく書けます。
みなさんも、試験で
ばっちり勉強して、論証も考えてきた
というような問題にあたると、
万能感に充ち溢れて筆が進むのではないでしょうか。

そんな時、お勧めなのは、
ルービンシュタイン、バレンボイム&ウィーンフィルの
ベートーベンピアノ協奏曲第五番「皇帝」です。

もう、ばばーんとやって、
文句なしに華やかな気分で、
自分がアンドロメダの皇帝の気分で筆が進みます。

ブログの記事もすらすら書けます。
おそらく、私はこのアンドロメダの皇帝の記事で、
日本学士会賞を受賞することになるはずです。

ただ、アンドロメダの皇帝の書いた文章は
法廷では証拠にしてくれないそうで、少し残念です。
(ほら、最後にもう一回、マーラー聴きながら
 記事まとめたら、最後に訳わからない話になった。)

楽しそうに舞台に立つ

2012-02-27 07:46:52 | 音楽
ひょんなことから
近所のホールで行われていた
ある音楽教室の発表会に行くことになった。

バイオリンやフルート、声楽の生徒さんたちが
集まり発表をする催しである。


私は、古来より、強制参加の芸術鑑賞会というものが嫌いであった。
中学にせよ、高校にせよ、年に一度はそういうイベントがあり、
この強制参加下での芸術鑑賞というのはどういうものでも・・・・・・。

話が私のダークサイドに入り込んでいるので、
話をもとにもどそう。


さて、今回の発表会は、とても楽しかった。

最初に出てきた小学生の女の子のバイオリンは、
なかなか上手で、
次に出てきた男の子のバイオリンも
良く演奏できていると思った。

そのあとも出てきた子どもたちは
楽器や高学年、低学年を問わず、
とても上手で、子どもたちの学ぶ力と言うのは、
すごいなあと感じたわけである。

また、教室の生徒さんには、
20歳くらいの男女の方々、
おじいちゃん・おばあちゃん、
いろいろな方々がおられるわけであるが、
技術的な上手い下手にかかわらず、
とても楽しそうであった。

この「楽しそうに何かをやっている姿」というものは、
鑑賞者に、良い影響を与えるように思った。


・・・・・・。
さて、ちょっとダークサイドに戻ると、
私は、強制参加の芸術鑑賞会というものが大変嫌いであったわけで、
舞台で演じている人を見て、もっとうまくやれよ、
と怒ることが多かったわけである。

しかし、自分自身が、教壇で講義をする、という立場になってみて、
「舞台」で演目を演じるということが、
どういうことであるか、理解してみると、
過去、いかに無茶苦茶な要求をしていたかが反省されるところである。

新学期は、とにかく、楽しそうに教壇に上がることを
心がけて見たいと思う次第であります。