東葛病院にて日野いづみ女医さんと向かい合った。先週もお世話になった先生だ。
「歳ですから免疫力を高めろといっても、おいしいものを食べて、英気を養って、お酒を飲んで、とそんなことしか…」
「おいくつですか。あー、70歳? お若いですよ。ここに来る方は80歳や90歳が普通です。あなたはまだ子供みたいなものです」
「はあ」
「とにかく、前向きに考えて、神経質にならずに、おおらかに、そして大いに笑って下さい」
咳と痰がでて3月から3ヶ月も掛かっているが、なかなか治まらない。4月から東葛病院にお世話になったが、2ヶ月の間に、先生が3人も替わった。こんなことってあるのかい?という感じだ。毎週月曜日に行っているのに、先生が次々と替わるのだ。で、あれやこれやの抗生物質を飲まされて、ごく最近ようやく下火になった。でも、先週からお世話になっている日野先生さん、なかなかさばけた先生で、病は気からと言わんばかり。
「この頃、咳や痰が長引く方が多いです。え? 合唱をやっていたんですか。いいですね。素敵ですね。どんどん歌って下さい。そして、楽しくやって下さい」
「はあ」
「で、どんなうたを歌っているのですか」
「この前、レクイエムを歌いました」
「え? レクイエムですって」
「今度、第九を」
「あー、年末の。宜しいですね。そいえば、よい声をなさっています。うなずけます」
診察室でするような会話でなく、普段のお話しだった。この先生、単なる内科医ではなく、褒め言葉も巧みで、精神療法が得意のようだ。患者を気持ちを引き立てて、前向きに。こちらもその気になってくる。少しぐらい咳が出たって、何も言うことはないではないか。
「歳ですから免疫力を高めろといっても、おいしいものを食べて、英気を養って、お酒を飲んで、とそんなことしか…」
「おいくつですか。あー、70歳? お若いですよ。ここに来る方は80歳や90歳が普通です。あなたはまだ子供みたいなものです」
「はあ」
「とにかく、前向きに考えて、神経質にならずに、おおらかに、そして大いに笑って下さい」
咳と痰がでて3月から3ヶ月も掛かっているが、なかなか治まらない。4月から東葛病院にお世話になったが、2ヶ月の間に、先生が3人も替わった。こんなことってあるのかい?という感じだ。毎週月曜日に行っているのに、先生が次々と替わるのだ。で、あれやこれやの抗生物質を飲まされて、ごく最近ようやく下火になった。でも、先週からお世話になっている日野先生さん、なかなかさばけた先生で、病は気からと言わんばかり。
「この頃、咳や痰が長引く方が多いです。え? 合唱をやっていたんですか。いいですね。素敵ですね。どんどん歌って下さい。そして、楽しくやって下さい」
「はあ」
「で、どんなうたを歌っているのですか」
「この前、レクイエムを歌いました」
「え? レクイエムですって」
「今度、第九を」
「あー、年末の。宜しいですね。そいえば、よい声をなさっています。うなずけます」
診察室でするような会話でなく、普段のお話しだった。この先生、単なる内科医ではなく、褒め言葉も巧みで、精神療法が得意のようだ。患者を気持ちを引き立てて、前向きに。こちらもその気になってくる。少しぐらい咳が出たって、何も言うことはないではないか。