ごっとさんのブログ

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ネコの腎性貧血治療薬を開発

2021-05-22 10:27:28 | 
ネコは高齢になると腎臓が悪くなり、食欲がなくなって死に至ることが多いようです。

私の家の多くのネコもこの腎不全によって亡くなってしまいました。現在はこの治療薬がなく、獣医さんによると皮下点滴により老廃物を出してやるのが唯一の治療法としています。

家でもこの皮下点滴をやっていましたが、腎機能が低下している以上尿の量を増やしてもあまり意味が無いような気がしていました。

最近このネコの腎性貧血治療薬が開発されそうです。科学技術振興機構は、化学企業のカネカに委託した猫用の腎性貧血治療薬の生産技術開発に成功したと発表しました。カネカは技術を国内の動物医薬品企業に供与し、国の承認を経て1〜2年後に製造販売される見込みのようです。

高齢のネコに多い慢性腎不全から生じる貧血の初期段階から継続投与できるため、食欲が低下し元気がなくなる症状の改善が進むと期待されています。腎機能が低下すると、腎臓で分泌されて骨髄で赤血球の生産を促すホルモンである「エリスロポエチン」が減り、腎性貧血となります。

人間の場合は、ヒトのエリスロポエチンを遺伝子組み換え技術を使って動物の細胞で生産した治療薬があります。ネコの腎性貧血治療にもヒトのエリスポエチンが使われますが、アレルギー反応などの副作用があり末期に数回しか投与できませんでした。

私はこのエリスロポエチンは使ったことがありませんが、普通の動物病院では使用していないのかもしれません。ひとつにはこういったタンパク製剤はかなり高価になるため、保険が無いペットは全額負担となりますので、かなり高価になってしまうのかもしれません。

さて科学技術振興機構は、ネコのエリスロポエチンを生産して治療薬にするため、当時名古屋大学や愛知工業大学の研究成果に基づき、2011年からカネカに技術開発を委託しました。エリスロポエチンを生み出す遺伝子を、ウイルスを利用してニワトリの有精卵に注入します。

この遺伝子は卵白を作るメスの輸卵管のみで働くよう工夫がしてあり、卵からかえったメスが成長して無精卵を生むと、卵白に猫のエリスロポエチンが含まれるようになります。

精製して治療薬にする際には、ネコの体内で分解が遅くなり、薬効が長続きするよう医薬品用の高分子化合物を結合させています。実験では60匹に投与すると、22匹で赤血球が増える効果がありました。

家では高齢猫が多く、血液検査で腎機能が低下しているネコもいますので、実用化されれば使ってみたいのですが、このネコ用エリスロポエチンが腎機能を回復させるのでなければ、単に延命的な治療になりそうな気もします。


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