一人想うこと :  想うままに… 気ままに… 日々徒然に…

『もう一人の自分』という小説を“けん あうる”のペンネームで出版しました。ぜひ読んでみてください。

爺ちゃんの旅立ち

2014-11-06 21:50:08 | 日記・エッセイ・コラム

 三日前、義父が永久の国へと旅立った。

 十年以上前から体中のあちこちに癌を患っていたが、別に大したこともなく上手く癌と付き合うように生きてきた。

それが一ヶ月ほど前からさすがに体力が落ち、とうとう入院してしまった。

 三日前、一度見舞いに行こうと旭川に向けカミさんと二人で高速に乗っているとき、義兄からメールがあった。

「今、体調が急変し、危篤になった」と。

 一瞬自分の目と耳を疑った。

 前日まで、普通に会話をしていたのに何故?

 義兄のメールから一時間後、旭川の病院に着いた。

 病室に行くと、爺ちゃんはすでに意識はなく、呼吸もままならない状態だった。

 先に着ていた孫夫婦が献身的に爺ちゃんを診ている。

 正直言ってここの病院の対応はあまり良くないようだ。

 見かねた孫夫婦が見に来た看護師に言った。

「私たちは医療従事者ですので、私たちがやっても良いですか?」

 返事は当然OKだ。

それからは孫夫婦が脈や血圧、心拍数を診たり、気道を確保したり、しまいにはつながっている機械やモニターまで操作していた。

 そして30分。

最初に血圧が下がりエラーがでて測れなくなった。

次には呼吸数が、そしてついには心拍数が下がり、とうとう心肺停止になった。

ここでやっとこの病院の医師が現れ、死亡確認をした。

「まことに残念ですが、〇時〇分ご臨終です。ご愁傷様です」

と。

 あくまで淡々と機械的だった。

 

 人間って死ぬときはこんなに簡単に死ぬのか?

この時は本当にそう思った。

正直言って目の前で人に死なれたのはこの歳になるまで初めてだった。

本当に寂しい。

 

 翌日、通夜があり、次の日には告別式があった。

 孫たちに慕われていた爺ちゃんは、最後まで7人の孫たちに囲まれ、笑顔で旅立って行った。

 享年88歳。

 最期は肝臓への転移癌だった。

 それにしても本当に幸せな人生だったと思う。

 これからは婆ちゃんと二人で天国から見守っていてください。

 

コメント
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