元旦の震災から40日。能登半島の至る処で、まだ痛々しい惨状がそのまま残されていました。
アスファルトの路面はそこらじゅうひび割れだらけ。応急修理で車が通れるようには処置
されてますが、段差や穴をうっかり見落としそうで、かなり神経を擦り減らします。
2階部分が押しつぶされた瓦屋根の民家も、これまで報道されていない羽咋市や富来町でも
かなり多く見られました。
そんな場所で、被災された人々を横目で見ながら釣り竿なんぞ振っていたら、きっと
ばちが当たりますよ。
でも、私だって、将来の、定年後のセカンドライフをこの能登の地で過そうと密かに準備
していたのですよ。
だから諦めきれません。
カレイを釣りたい、だけど地震や津波が怖い、出撃しようか、止めておくかどっちだ?
悩んでました。
8日(木)の夜にネットショップで購入したアオイソメ6パックが届いたので、もうこれは
出撃するしかないと、揺れる心に縛りをかけました。
9日(金)定時で仕事を終えて、夕飯を食べてからPM21:00に深谷の自宅を出発しました。
10日(土)AM4:00 どうにか富来町の西海漁港へ到着しました。
途中、能登半島の能越道、能登里山海道は一般車の通行不可、しかも国道249号線も
至る処で崩落しており、ずいぶん多くの細い旧道や農道への迂回路を走らされましたよ。
西海漁港に到着して、ぱっと見は被害が無さそうに見えましたが、昨年末にカレイを釣った
新しい堤防は、かなり損傷しているらしく、復旧工事でダンプ以外は立ち入れませんでした。
漁港内も海底隆起で浅くなってしまったため、クレーン台船が漁港の底を掘っていました。
大アナゴの釣れた出島もコンクリート岸壁が割れて陥没したため立ち入れませんでした。
なので、釣りが出来そうなのはL字の大堤防のみ。
春になるとマガレイが数釣れるので期待は大きいのですが、2月では寒すぎるし、車から
離れて歩かねばなりません。天気予報によれば、昼の最高気温7℃、曇り一時雨なので、
堤防の先端まで普通なら行きません。
しかし、この日の私の決心は硬かったのです。防寒着を着込んで、ホカロンを体中に貼って
長靴に履き替えて、重たい釣り道具をキャリーに積み込んで、堤防の先端まで歩きました。
大堤防も、地震によって約50cm程度隆起してました。
まだ暗いうちに先端まで歩いて、4本の竿をセッティングしました。
釣りを始める前に、無事故無災害を祈って、まずは海の神様へお神酒を捧げます。
港内へ向けて4本。そのうち2本は養殖イカダ方向、残り2本は漁港入り口方向。
エサのアオイソメはネツトショップで6パック480gを用意しました。
AM6:00 暗いうちからスタート。
風も無く、穏やかな海況です。
4本の竿を投げ込んで、さびいて、底の状態を確認しました。
べつに何も沈んで無くて、平坦な砂底です。カレイよ居てくれ。
2投目からは、投げ込んで15分ほど放置してから巻き取って仕掛けを回収すると、
アタリは出ないのに4本とも何者かに齧られて素バリになってました。
これは活性が高いと見るべきなのか?・・・わかりません。
AM7:03 背後から日が射してきました。
このまま穏やかに晴れてくれれば、今日は良い日になりそうです。
この朝日を浴びて、西のほうから湧いてきた怪しい雲の帯の奥で、
素晴らしく奇麗な虹が現れました。まるでオーロラみたいです。
奇麗な虹だなあ、と思って見とれていると・・・
じつは湧き出てきた雲の帯が拡がってきて・・・
すぐに大粒の雨が降りだしました。
堤防の凹んでいる処に体を縮めて、傘で、雨をしのぎます。
が、寒いし、やる気が削がれます。
開始して90分後、陽が射してから30分後、こんな酷い天気に変わってしまうとは・・・
見える景色が全て雨模様になり、強い南風が吹きつけて、海が荒れてきました。
雨が小雨に変わると、急いでエサを付け替えて、投げ直しますが、
そのうちエサ取りさえも居なくなってしまい、
仕掛けを回収しても、ダラーンと伸び切ったアオイソメがそのまま戻ってきました。
風雨に耐えてAM10時まで頑張ってみましたが、全くダメ。反応無し。
うーん、地震のせいなのか? 低水温のせいなのか?
カレイ、ハゼ、アイナメなどの底に居る魚や、カサゴなどのロックフィッシュ、
みんな何処へ行ってしまったのでしょうか?