HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

カラタネオガタマ(唐種招霊)

2019-05-29 | 春 樹木 果実・葉

風に乗って匂いが落ちてくる。
何処に木があるのか探している。
これがその木だと知ると、こんな花なの?と一様に不満げな顔になる。
花に不満があるのなら探さなければ良い。


(2019.05.23 須磨離宮公園)


▲ 花被片6枚(内花被、外花被が各々3枚だが、萼片・花弁の区別はしない)はすぐに脱落してしまう。
山渓の「樹に咲く花」では花弁12になっていた。


(2019.05.04 須磨離宮公園)

花が咲いていることは匂いで気づく。
まだ花は咲かないのだけれど、匂っているような気がしてしまうから不思議だ。






▲ ハクモクレンやコブシなどと同じく、冬芽は毛の多い芽鱗に包まれている。▼





(2019.04.21 船上)


カラタネオガタマの冬芽が上がっている。
常緑だから葉に隠れるように花芽が見えている。
奇妙な姿に見えるのは、托葉が変化して花芽(蕾)を包んでいるから。

だから蕾の上に葉が出ているように見える。


▲ 托葉由来の構造物が剥がれ落ち、同じように毛に包まれた芽鱗が見える。

▲ 去年の花後が残っているのだけれど、結実確率は低いのか、ここで果実(種子)を見たことは無い。
外観が似ているので、モクレンの特徴がありますね…などと口走る人も多い。
モクレン(マグノリア)属とオガタマノキ(ミケリア)属は分類上では別属。

▲ 花は葉腋に付くし、めしべ群に柄がある点でもモクレン属とは違った構造をしている。
果実も一つずつ分かれる(胚珠が多数)のだが、結実した状態をここで見たことがない。▼









(2019.03.11 船上)


▲ 葉芽 ▼





▲ 花芽 ▼





カラタネオガタマ(唐種招霊)
 モクレン科オガタマノキ(ミケリア)属 Michelia figo(=Michelia fuscata)
英名 Banana bush、Banana tree、Banana magnolia
中国名は含笑、含笑花 同属のミヤマガンショウ(深山含笑 Michelia maudiaeは小石川で蕾を撮った。
花の構造は似ているように見えるだけで、モクレン(マグノリア)属とオガタマノキ(ミケリア)属は分類上では別属。
基本を覚えていないと、見た目だけで花の構造を説明するのは危険?だ。

(2019.03.01 須磨離宮公園)


▲ 花の頃
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奇妙な姿 カラタネオガタマ



2 コメント

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奇妙な姿・・・ (こいも)
2019-05-29 10:38:39
林の子さん
奇妙な姿・・・可愛いですね。
「托葉が変化して花芽(蕾)を包んでいるから」
蕾の上に小さな葉が一枚~~~
ますますファンになりました。
「モクレン(マグノリア)属」
「オガタマノキ(ミケリア)属」
別属なのですね。
カラタネオガタマ…お花は葉腋につき・雌しべ群には柄がある・
胚珠多数なのに結実した状態が見られないのですね。
構造が似ているように見えても別属・・・
こちらのミヤマガンショウはたくさんの実をつけます。
色々教えていただきました。
カラタネオガタマ…大変勉強になりました。
いつもありがとうございます♪
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しっかりと区別。 (林の子)
2019-05-29 16:36:47
同じ科だから花の咲き方も果実もそっくり同じです…と
大昔説明されたことがあります。
それでも、科名は同じでも属名が違っている…、大船植物園で園長に質問したことを思い出しました。
学名だけで物事は説明付かない場合も多いけれど
やはり学者が体系立てて調べた結果だから同列に扱ってはいけないでしょうね…
それが答えでした。
それ以降、外観が似ているだけで同じものだ…などと安易に植物の説明はしないようになりました。
詳細な中身まで調べることは要らないと思うのですが、めしべの集まりについてもどことなく違うな、そう感じますね。
ミヤマガンショウがたくさんの果実をつけているのに、カラタネオガタマの果実は今まで見たことが無いです。
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