意外に見ていない部分が雑草にはある。
きれいな花を咲かせる訳でも無いから真剣には見ないのだろう。
否、集まって咲きすぎるし、開花の期間が長いから
いつでも見ることが出来る…と思っているからだ。
ヒメオドリコソウやホトケノザなどはその最たるモノかも知れない。
似た花だけれど違う種類…、それ以上には誰も関心を示さない。
中には二つの区別が出来ない人もいる。
おしべ4個、垂れ下がるように見えるのがめしべ。
橙色の花粉を出し終える頃にはおしべは黒く見える。
花粉は橙色だが、葯の基部は黒いのだろう。
ヒメオドリコソウとホトケノザの花の構造は似ている。
受粉後の花筒は萼片から抜け落ちる。
抜け落ちた後には四個の種子。
未熟な種子は黄緑色。
☆
ホトケノザよりも少し湿った場所、日陰に集まって咲く傾向が強い。
茎頂の葉は密に付き、赤紫の葉が目立つ。
下の葉は濃い緑。
長く伸び上がる茎は明瞭な4稜を持ち、下向きの鉤がある。
茎の途中にある葉腋にも花をつけるのだが、閉鎖花。
萼片は5個、痛くはないが尖っている。
時に、葉に切れ込みのあるタイプが見つかるそうだが残念ながら未見。
モミジバヒメオドリコソウ(キレハヒメオドリコソウ)と呼ばれる。
花筒は尖った萼に収まっている。
めしべの子房は深い切れ込みがあり、4個の種子が出来る。
橙色がおしべの葯、4個見える。
訪花昆虫にはこの花粉の付き方が最も効果的なのだろう、ホトケノザも同じ。
その下にめしべがある。
真横から、或いは花期の終わり頃にめしべがお辞儀する頃(下図に詳解 ↓)でないと見えにくい。
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草) シソ科オドリコソウ属 Lamium purpureum
(2017.03.22 林)
☆
詳解
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ヒメオドリコソウ シロバナヒメオドリコソウ ホトケノザ
葉にも花にも毛の多い植物だとは、思っていましたが、
四角い茎に下向きの短い棘があることは、気がつきませんでした。
3ばんめの写真の萼は、もう花の落ちてしまった後の様子でしょうか。
花は、下から上の方へ咲き上がっていくようですし・・。
閉鎖花というのがヒメオドリコソウにもあるのですね・・。
「いつでも見られるから・・と注意を払って見てこなかった。」と言われると、全くその通りです。反省しています。
全部説明して下さいとは、全く申しません。長くなりすぎますものね。
今回のようにポイントを決めて教えて下されば充分です。有り難うございました。
微細なことを取り上げるのは図鑑などの不得手とするところなので、確かに「マニアック」で愉快です。
専門家で無い人たちがあれこれ言える部分もまだまだ幾つもあるのでしょうが、やはり基礎部分をしっかり積み上げた専門家の分野までは立ち入らないのが賢明だと思っています。
ですから自分で確認出来た部分だけを記述して残したいと思っています。