森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

ささら語り で生死の世界を行き来する精神世界

2012-09-03 00:20:46 | 文化芸術
 泉野図書館と連携したささら語り説経「おぐり」(小栗判官と照手姫の物語り)の公演が成功した。私たちの気心知れた仲間でもある戸水さんの尺八、寺本さんの琵琶語り「壇ノ浦」が、日本特有の幽玄の世界を演出し、その後「五説経」を編集し、第一人者として語る横山光子さんの一時間に亘る素晴らしい語りに聞き入った。

 近代文明社会が失わせた中世・近世の人々の精神世界を垣間見る機会を与えて頂いた。無常な生と死、その間の行き来、先祖の魂への供養の行為、因果応報、盛者必衰 それらが物語りに巧みに織り込まれている。そかも、それらは言語のない人々によって口述されて伝承してきたことのすごさである。

 横山光子さんは、教員出身者である。説教も世界に魅せられ、説教を極め、子どもたちの世代に継承したいと、日々精進を積まれている。それは、一時間、没入したかのような語りそのものから聴く者を圧倒する。現代に説教を聴く意味について、横山さんを囲む交流会で、議論が深まった。

 しかし、この子ども世代への継承の回路は、ほとんど閉ざされていると言って過言ではない。合理主義から成果主義へと傾斜著しい教育の価値観を問題にする必要がある。失われてきたものは何か。いじめ問題の背景にも通じる洞察が求められている。

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