森かずとしのワイワイ談話室

平和・人権・地球・子育て・教育・くらし・そしてまちを語る

李光壽さんと春日井のステージで再会!

2008-07-02 22:32:18 | Weblog
 春日井市民会館で開催されたサムルノリ30周年公演に、一泊泊まりで行って来ました。愛知県春日井市には、はじめて足を降ろしました。しらさぎを名古屋で降り、中央線に乗り換えて20分間。春日井駅に降り立ちました。名古屋のベッドタウンの中央の商店街を歩いて、花束を買い、市民会館に向かいました。「シャッター通り」なのか、定休日が重なったのか、地方のまちの共通する悩みを垣間見るような風景でした。

 さて、開演。前列から2列目、最右翼の席が振り当てられた私の耳に、金沢でも、門前でも響いたあの音楽世界の到来を告げるラッパ(テピョンソ)の音が、続いてのりとのような演唱が、後ろから聞こえてきました。村の出入り口にたって、「門をあけたもう!」とはじまりを伝える「門クッ」です。その声は、李光壽そのひとでした。賑やかな五つの楽器を鳴らしながら、5人の奏者たちが、ステージにやってきました。会場は、歓声と拍手につつまれました。ステージ場では、名手と称えられる李光壽の「ピナリ」が朗唱される中を、この地での公演に関わる人たちが祭壇に向かって、焼香するのです。これが、平和とやすらぎを祈るサムルノリの演奏開始のセレモニーであることを初めて知りました。
 こうして開演した公演は、前半に4人のサムルノリ創始者たちが、すべてチャンゴを叩く「三道ソルチャンゴカラク」、そして、私の耳にもなじみのある「三道農楽カラク」が、奏者たちが本来の四楽器(ケンガリ、チャンゴ、プク、チン)に分かれて演奏されました。「異界の音楽」とも呼ばれる韓国伝来の音楽には、アニミズムの宗教感が投影され、天空、大地、水、大気との交感が、バラエティ豊かなリズムと、個性的な四楽器の音色によって表現され尽くすという感がありました。延々と続くバチの連打、緩急が激しく転変し、リズムは千変万化します。一糸乱れぬというより、気配で微妙にずれながら、その変化に同化していく奏者達。その妙技に会場は大きく沸き上がります。
 後半は、頭につけた韓紙のテープがくるくると円を描くあの「サンモ」をかぶって、踊り回る「パンクッ」、続いて個人の名人芸を披露しながらそれぞれの楽器を叩いて踊り遊ぶ「個人ノリ」、そして、最後は、大団円の「ティプリ」が演奏されました。会場は熱狂的な歓声に渦巻き、サムルノリ創始者の金徳洙さんが「アンコール」への呼応を求めますと、答える観客のアンコールの合唱の中で、客席から観客が次々とステージに呼び出されていきます。ケンガリを叩きながら客席に呼応を促す李光壽さんが私を見つけました。目が合ってしまいました!李光壽が招く。隣のお客さんが「カバン預かってあげるからステージステージ!」と促す。そうして、私もステージ場で踊り回るひとりとなってしまったのです。韓国禮山でのいつもの大団円のように・・・。
 この一体感が、サムルノリの本質なのですね。偉い芸術家達が尊大にではなく、演奏者と聴衆の垣根を取り払ったところでひとつに溶け合うことを心から楽しんでいる。我らがサムルノリと聴衆も心から楽しんでいる。日本の民謡もきっとそうなのでしょう。
 全霊を注ぎきった李光壽さんは、ステージを降りた4人から離れ、ステージのわきで私ににっこりと握手を求めてきました。開口一番ジェスチャーを交えて「これから一杯飲みに行きましょう!」金沢から良く来てくれたというねぎらいの言葉でした。汗でずぶぬれになった李院長と握手を交わし、ステージを降りました。隣の席に座っていた韓国ファンだという会社の社長さん夫人(熟年!)と名刺を交換し、興奮さめやらぬ楽屋に向かいました。チャンゴグループ「ハンヌリ」で面識のある方々も、駆けつけていて、再会を喜び合いました。

 楽屋では、李光壽さんから、サムルノリ創設メンバーである、チャンゴの金徳洙(キム・ドクス)さん、プクの崔鐘實(チェ・ジョンシル)さん、チンの南基文(ナム・キムン)さんを紹介され、初めて四天王と面識を持たせて頂きました。

 会場を離れ、夕食会場の焼肉店「カルビ大将」で、在日の支援者や東京のプロモーターの方々と、金沢とユン・ボンギル義士の関わりや韓国禮山郡との交流はもちろん、民族音楽院との交流など話に花が咲きました。新しいネットワークが生まれたことを感謝しています。

 ところで、春日井市民会館は、1100人ほどの収容能力をもつホールですが、その前半分を仕切って観客を集中させていました。入場観客数は、500人弱と見ました。春日井市の財団法人かすがい文化財団が、30周年記念全国実行委員会とともに主催したもので、人伝えによるこまめな売券活動が余り行われなかったようにも聞きました。金沢でサムルノリの公演を企画するとしたら、この辺りのことも、気になるところです。
 李光壽院長はじめ、皆さんと再会を誓い合ってホテルへと戻りました。
 この「心の熱さ」が、また私を突き動かすのですね。

 終わりにコメントに洞爺湖サミット2と銘打って、サミットに異議を申し立てる市民団体の動きを掲載しておしまいとします。

 

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1 コメント

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洞爺湖サミットに2 (森 かずとし)
2008-07-02 22:35:51
皆さまへ(お友だちに転送してください)

チェレンジ・ザ・G8サミット 1万人のピースウォーク

7月7日から9日まで北海道洞爺湖でG8サミット(主要国首脳会議)が開かれます。北海道など行政は「おもてなしの心」を強調しています。しかし世界の軍事支出の70%、武器輸出の90%を占める軍事大国の集まりを、「もてなす」ことはできませ
ん。
 私たちは「チャレンジ・ザ・G8サミット、わたしたちの世界をつくろう」を合言葉に、世界に真の平和な世界をつくることを求めるピース・ウォークを行ないます。「核も戦争もない世界をつくろう、世界から貧困と差別をなくそう、子どもたちにみどりの地球を残そう」の共通スローガンで、非暴力を原則に、私たちの主張を世界に向けて発信します。
 世界から貧困と戦争をなくし、G8諸国に代表される大国による力の支配をなくし、地球規模での民主主義と公正な世界秩序を実現することを、G8諸国に求めます。
あなたの主張を、あなたの思いを、G8諸国政府にぶつけてください。世界の人たちに投げかけてください。
 みなさんの参加を心からお待ちしています。

日時 2008年7月5日(土)午後1時から 集会、午後3時から ピースウォーク
 場所 札幌市 大通西8丁目広場
 ピースウォークは、札幌中心街をあるきます。
 主催 ほっかいどうピースネット、北海道平和運動フォーラム、平和サミット北海
道連絡会 (連絡先 札幌市中央区南1条西5丁目愛生舘ビル2階 ピースカフェ TEL/FAX 011-261-6883)
 賛同 G8サミット市民フォーラム北海道、G8を問う連絡会、2008年G8サミットNGO
フォーラム

午後1時 オープニング 「乱拍子」の太鼓演奏
主催者あいさつ
海外ゲストスピーチ(予定者)
グスタヴァ・アッサ(アフリカ市民委員会代表)
ウォールデン・ベロー ( Focus on the Global South )
ミニー・デガワン ( Indigenous Peoples Network for Change)
ヘンリ・サラギ(ビア・カンペシーナ農民の道)
ビノッド・ライナー (Jubilee South)
イラクリス・ツァヴァディス(ギリシャ、世界平和評議会)
パク・ミンウン(韓国、全国農民会総連盟)
ほか

国内ゲストスピーチ 各賛同団体から
途中で音楽が入ります。
午後3時 ピースウォーク 北大通→西4丁目通りを南下→三越前→ススキノ→中島公園(解散地点)

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G8サミット市民フォーラム北海道
http://www.kitay-hokkaido.net/
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