里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

我が家の春の山菜③~コシアブラの芽

2021年04月28日 | 山菜

コシアブラの芽は殆どタラの芽と同時期に採れます。
コシアブラはタラノキと同じウコギ科の植物で、新芽の見かけもタラの芽を細身にしたような感じと言えなくもない。


タラの芽と違い、コシアブラの芽にははっきりとした香り、独特の風味があります。
また、タラノキは林の周りや土手などに生えますが、コシアブラは普通の雑木と同様、林の中に生えます。


放置すれば10メートル以上の高木になります。


タラノキと同じように管理すれば毎年採りやすくできるのでしょう。
しかし、わざわざ林の中まで行って管理もできず、近くで容易に採れるものだけを採っています。

枝は軟らかく、引けば容易にしのる。


伐採すると途中から芽が吹いてきます。


どういうわけか、この辺りでは単にコシアブラと言えばコシアブラの芽のことを指します。
木の方がコシアブラの木です。
それも昔からコシアブラの木と言っていたわけではなく、普段は「削り花の木」と言われていました。
生花が少ない春の彼岸ごろ、木質の柔らかいコシアブラの枝を花びら形に削って色付けし、墓参り用の造花を作っていたからです。今も作られ販売もされています。
そもそも、この辺りではコシアブラの芽を食べる習慣はありませんでした。
「メホ」と呼んでごく一部の人は食していたようですが、普通に食べられるようになったのは近年です。


コシアブラの芽は山菜の女王と言われるらしい。
隣県の山形県が、そのように言い出したと聞きますが、真偽の程はどうなのか。
山形県の影響を受けていることは確かです。
ごく普通に林の中に生えている「削り花の木」が「山菜の女王」なのですから。
タラの芽は味にほとんど癖がなく嫌う人もあまり聞きません。
コシアブラの芽には独特の香りがあるので、好まない人もいるかもしれません。


右がタラの芽、左がコシアブラの芽。


小生は香り大好き人間なので、喜んで食します。
定番はやはり天ぷら。素揚げもいい。
山菜らしい独特の風味を味わえます。ただ、ボリューム感となると天然タラの芽にはかないません。