6月30日(月) 曇のち晴 (「スペースアップルよいち」~小樽市銭函・民宿「まつよ」)
目を覚まして見ると、公園内には他にもいくつかチャリダーたちのテントがある。
4時45分、早朝の「スペース童夢」の写真を撮り、出発。
昨日の道を少し戻り、羊蹄国道の国道5号線を東進する。余市湾に沿って、JR函館本線と並進する。
5時50分、畚部(ふごっぺ)橋をわたる。手前の岩の塊が畚部半島、その向こう遠くは忍路(おしょろ)半島。空は曇っており、海はまだ灰色である。
後方はシリバ岬方面。
5時55分、小樽市に入る。
啄木が
「かなしきは小樽の町よ
歌ふことなき人人の
声の荒さよ」と歌った小樽である。
忍路トンネル(505メートル)、桃内トンネル(370メートル)と過ぎ、
6時50分、桃内海岸。桃岩が特徴的だ。
7時、笠岩トンネル(370メートル)、
7時15分、塩谷トンネル(541メートル)と抜けていくと塩谷浜である。塩谷漁港の向こうは立岩方面。
7時35分~50分、海を一望するゴロタの丘の上に伊藤整の文学碑があり立ち
寄っていく。
文学碑には「海の捨児」の詩が刻まれている。
「私は浪の音を守唄にして眠る
騒がしく絶間なく
繰り返して語る灰色の年老いた浪
私は涙も涸れた凄愴なその物語りを
つぎつぎに聞かされてゐて眠ってしまふ
私は白く崩れる浪の穂を越えて
漂ってゐる捨児だ
私の眺める空には
赤い夕映雲が流れてゆき
そのあとへ星くづが一面に撒きちらされる
あゝこの美しい空の下で
海は私を揺り上げ 揺り下げて
休むときもない」
傍のベンチで小休止。よい香りを放ってウツギの花が満開である。
その後は40分ほどの長い上り坂を行く。
8時30分、オタモイを通過。北原ミレイの「石狩挽歌」の舞台はこの辺の浜かな。
木材を満載した大型トラックが走り抜ける。
9時05分、長橋トンネル(1000メートル)を抜ける。
9時25分、砂留トンネル(460メートル)を抜け、小樽港に向かって坂を下り始める(歩道橋の上から進行方向)。
9時30分、稲穂の交差点で国道5号線と分かれ、小樽運河方面へ行く。
9時40分、運河の傍の倉庫。
9時45分、小樽運河。
小樽運河は、1923年に完成した水路で、一時埋め立ての方針が出されたが、保存運動の力により今では特別景観形成地区に指定されている。
はじめは人通りもまばらだったが、徐々に観光客が増えてくる。
遊歩道の横の壁にはニシン漁のレリーフなども。
運河プラザをのぞいたり、人力車の写真を撮ったりしてしばし過ごす。
10時20分~40分、ミニマップに載っていた運河の畔の小樽運河食堂「大地」で、バターコーン入り味噌ラーメンを食べる。920円。麺はもちろん、ひき肉のたっぷり入ったスープの味もよく、奮発した甲斐があり大満足。
10時45分、晴れて暑くなってくる中を、日本銀行旧小樽支店や、
手宮線跡地などを見る。
小樽文学館にも行くが、残念ながら閉館日。
11時、国道5号線に戻り銭函(ぜにばこ)方面に向かう。
JR南小樽駅のカーブあたりから人通りも少なくなり、市中心部の喧騒から解放される。小樽市街は、観光客も多いが、高齢者が積極的に外出している姿が印象的。杖をついたり、リュックを背負ったりした高齢者を多数見かける。
11時45分、札幌自動車道の下を通り、
11時50分、小樽築港(おたるちっこう)駅通過し、平磯トンネル(408メートル)を抜ける。12時10分、石狩湾は青く、小樽の街はもう遥か後方である。
12時20分、朝里(あさり)橋をわたり緩く上りきった先で、
13時35分、新張碓(しんはりうす)トンネル(669メートル)を抜ける。
13時45分~14時00分、景勝園バス停で小休止。
14時05分、張碓橋の上から、石狩湾の彼方に明日歩く予定の石狩市方面が白く見える。
道は下り坂に入りどんどん下っていく。
さらに、国道5号線の広い道路を民宿へ曲がる目印を探しつつ進み、道道225号線との交差点を左折。
15時15分、ニセアカシアの花びらが散り敷く坂道を銭函駅方面にだいぶ下ったところで、今日の宿である民宿「まつよ」に到着する。
「銭函」の地名の由来はいろいろあるようだが、むかし鰊の豊漁地で、漁民の家にも銭函があったから和人がつけたというのが通説。縁起がよいというか、アイヌの地名に比べるとちょっと即物的というか……。
民宿は、部屋は清潔、奥さんも親切な感じのよい人。6日分の着替えを洗濯し、ゆっくりと久しぶりの風呂に浸かる。風呂上りの缶ビールを飲みながら、明日の宿の予約。夕食のデザートでは今年初めてスイカを食べる。ベッドで寝るのは大沼のユース以来6日ぶり。宿泊代、一泊二食5560円。
経費 6,785円 累計 301,640円
歩数 59,274歩 累計 4,054,167歩
距離 37km 累計 2,680km
(本日の到達地点――小樽市銭函)
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目を覚まして見ると、公園内には他にもいくつかチャリダーたちのテントがある。
4時45分、早朝の「スペース童夢」の写真を撮り、出発。
昨日の道を少し戻り、羊蹄国道の国道5号線を東進する。余市湾に沿って、JR函館本線と並進する。
5時50分、畚部(ふごっぺ)橋をわたる。手前の岩の塊が畚部半島、その向こう遠くは忍路(おしょろ)半島。空は曇っており、海はまだ灰色である。
後方はシリバ岬方面。
5時55分、小樽市に入る。
啄木が
「かなしきは小樽の町よ
歌ふことなき人人の
声の荒さよ」と歌った小樽である。
忍路トンネル(505メートル)、桃内トンネル(370メートル)と過ぎ、
6時50分、桃内海岸。桃岩が特徴的だ。
7時、笠岩トンネル(370メートル)、
7時15分、塩谷トンネル(541メートル)と抜けていくと塩谷浜である。塩谷漁港の向こうは立岩方面。
7時35分~50分、海を一望するゴロタの丘の上に伊藤整の文学碑があり立ち
寄っていく。
文学碑には「海の捨児」の詩が刻まれている。
「私は浪の音を守唄にして眠る
騒がしく絶間なく
繰り返して語る灰色の年老いた浪
私は涙も涸れた凄愴なその物語りを
つぎつぎに聞かされてゐて眠ってしまふ
私は白く崩れる浪の穂を越えて
漂ってゐる捨児だ
私の眺める空には
赤い夕映雲が流れてゆき
そのあとへ星くづが一面に撒きちらされる
あゝこの美しい空の下で
海は私を揺り上げ 揺り下げて
休むときもない」
傍のベンチで小休止。よい香りを放ってウツギの花が満開である。
その後は40分ほどの長い上り坂を行く。
8時30分、オタモイを通過。北原ミレイの「石狩挽歌」の舞台はこの辺の浜かな。
木材を満載した大型トラックが走り抜ける。
9時05分、長橋トンネル(1000メートル)を抜ける。
9時25分、砂留トンネル(460メートル)を抜け、小樽港に向かって坂を下り始める(歩道橋の上から進行方向)。
9時30分、稲穂の交差点で国道5号線と分かれ、小樽運河方面へ行く。
9時40分、運河の傍の倉庫。
9時45分、小樽運河。
小樽運河は、1923年に完成した水路で、一時埋め立ての方針が出されたが、保存運動の力により今では特別景観形成地区に指定されている。
はじめは人通りもまばらだったが、徐々に観光客が増えてくる。
遊歩道の横の壁にはニシン漁のレリーフなども。
運河プラザをのぞいたり、人力車の写真を撮ったりしてしばし過ごす。
10時20分~40分、ミニマップに載っていた運河の畔の小樽運河食堂「大地」で、バターコーン入り味噌ラーメンを食べる。920円。麺はもちろん、ひき肉のたっぷり入ったスープの味もよく、奮発した甲斐があり大満足。
10時45分、晴れて暑くなってくる中を、日本銀行旧小樽支店や、
手宮線跡地などを見る。
小樽文学館にも行くが、残念ながら閉館日。
11時、国道5号線に戻り銭函(ぜにばこ)方面に向かう。
JR南小樽駅のカーブあたりから人通りも少なくなり、市中心部の喧騒から解放される。小樽市街は、観光客も多いが、高齢者が積極的に外出している姿が印象的。杖をついたり、リュックを背負ったりした高齢者を多数見かける。
11時45分、札幌自動車道の下を通り、
11時50分、小樽築港(おたるちっこう)駅通過し、平磯トンネル(408メートル)を抜ける。12時10分、石狩湾は青く、小樽の街はもう遥か後方である。
12時20分、朝里(あさり)橋をわたり緩く上りきった先で、
13時35分、新張碓(しんはりうす)トンネル(669メートル)を抜ける。
13時45分~14時00分、景勝園バス停で小休止。
14時05分、張碓橋の上から、石狩湾の彼方に明日歩く予定の石狩市方面が白く見える。
道は下り坂に入りどんどん下っていく。
さらに、国道5号線の広い道路を民宿へ曲がる目印を探しつつ進み、道道225号線との交差点を左折。
15時15分、ニセアカシアの花びらが散り敷く坂道を銭函駅方面にだいぶ下ったところで、今日の宿である民宿「まつよ」に到着する。
「銭函」の地名の由来はいろいろあるようだが、むかし鰊の豊漁地で、漁民の家にも銭函があったから和人がつけたというのが通説。縁起がよいというか、アイヌの地名に比べるとちょっと即物的というか……。
民宿は、部屋は清潔、奥さんも親切な感じのよい人。6日分の着替えを洗濯し、ゆっくりと久しぶりの風呂に浸かる。風呂上りの缶ビールを飲みながら、明日の宿の予約。夕食のデザートでは今年初めてスイカを食べる。ベッドで寝るのは大沼のユース以来6日ぶり。宿泊代、一泊二食5560円。
経費 6,785円 累計 301,640円
歩数 59,274歩 累計 4,054,167歩
距離 37km 累計 2,680km
(本日の到達地点――小樽市銭函)
(途中から当ブログにこられた方は、右サイドバー「最新コメント」欄の「★はじまり★/ブログを始めました」をクリックして旅のはじめのページに飛び、最上段の「次の記事へ」から順に、日本縦断徒歩の旅をお楽しみください。--管理人より)