5月9日(金) 曇、風強し (「出雲ゑびす屋ユース」~松江市 「松江レークサイドユースホステル」)
ゆっくり朝食をとって出発。
8時05分、ユースの奥さんがいつまでも見送ってくれる。空は、「八雲たつ出雲」の通りの曇り空で、空気は肌寒い。勢溜を経て、県立出雲古代博物館の前を通り、国道431号線を行く。
8時20分、「天平古道」という案内板がある。説明によると、北側の山々と国道431号線との間にあり、「古くからの山地の生活道であり、駄賃馬が町に炭を運び、帰りに塩や海産物を運んだ道でもありましょう」とある。今回は無理だが、いつか機会があれば歩いてみたい。
8時40分、島根ワイナリー通過。城福寺ユースで一緒になった男性に、出雲を通るなら寄って試飲して行きなよ、と言われていたが、未だ開いていなかった。それに、心中秘めるところもあったし。
八重桜はとっくに散ってしまい、ツツジもよく見るとだいぶ枯れた花びらが目立つ。アヤメの類も然りである。田圃には水が張られて、早苗が風に揺れているところも多い。
季節が着実に移り変わりつつある。歩き始めて今日で29日目、全行程の約三分の一が過ぎたことになるが、宗谷岬まではまだまだ先が長い。
9時20分、右手やや遠くに出雲ドームの白い屋根が見えるあたりで、二つ目の「天平古道」の案内板。
10時30分、道端に石積みの塔のごときものが祀られてあり、その傍を通る。説明を読むと「この古式宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、古来から地方の人達が『御所さん』と呼んであがめ敬っている。往古、この地方が『林木の荘』といって藤原氏(九條家)の荘園であった頃、やんごとなきお姫様(一説には村上天皇の孫阿野姫 九八六~一○五四年 の墓であるという)」と書いてある。どういういきさつなのだろうか。
さらに水田の早苗を見ながら歩く。
このあたりでは、食べる物を買おうと思っても、431号線にはここまでコンビニはないし、昔の万屋の如き、酒・タバコ・食料品・日用品と書かれてある「・・・商店」は、どこもシャッターが閉まっている。この地の人たちは、食料品などはどのようにして購入しているのだろうか。自動車で郊外のスーパーのようなところで一括購入するとしたら、高齢になって運転がままならなくなったらどうするのだろうか、などと考えつつ歩いていたら、
11時、雲州平田の町に入って、ようやくコンビニを発見。牛乳、おにぎり2個、スティックパンを買う。
11時35分、ギターを背負って自転車に乗った青年に出会う。彼は、小田原から日本一周をめざしているとのこと。こちらも川崎に住んでいて、鹿児島から歩いて来たと言うと感激していた。同じ神奈川県人同士でしばらく話をし、お互いに目的達成まで頑張ろうと握手をして別れた。
11時45分、「がんばれ、一畑電車。」という大きな看板がある。故郷電車を廃止させないために利用を呼びかけたもの。一畑電車は、地元では「バタデン」と呼ばれている。
水田の中を行く一畑電車。
12時50分、宍道湖が見えてくる。日本で7番目の広さの湖である。あいにく曇天で、寒々とした茶色っぽい波が打ち寄せている。
13時15分、一畑口駅通過。ここの北側へ行くと、一畑薬師というお寺があり、目の病にご利益があるといわれている。4年前の8月、白馬鑓の雪渓で転倒し網膜はく離になった身としては、お参りして今後のためにお願いを……とも思ったが、やや距離があるので残念ながら先を急ぐ。
13時45分、湖岸を走る青い一畑電鉄北松江線。
13時50分、出雲市をあとに松江市に入る。
14時10分、津ノ森駅で小休止。こちらも青い一畑電車。
14時40分、松江フォーゲルパーク駅で、駅舎やちょうど来た黄色い一畑電車の写真を撮る。
14時55分、宍道湖沿岸の「秋鹿なぎさ公園」道の駅。風が強い中で高齢者たちが庭の手入れなどをしていた。
道の駅からの宍道湖。
15時20分、長江駅で小休止。
15時40分、線路の向こう側、田圃の中の白鷺。九州では何羽も見かけたが、久しぶりである。いつ見ても美しい。
頭上を行く一畑電車。
15時50分、宍道湖湖北自転車道が431号から分かれる。自転車道に沿って行く。
16時05分、朝日ヶ丘駅付近でユースの場所を丁寧に教えてもらい、
16時20分、松江レークサイドユースホステルに到着する。
夕食時に、ユースのオーナーが缶チューハイをサービスで出してくれたが、せめて旅の行程の半分まで行って目鼻がつくまでは、などと柄にもなく殊勝に思い、せっかくのご好意をお断りしてしまった。あ~ぁ。
明日は休養日扱いでユースに連泊。松江郵便局に局留め郵便物を回収に行きがてら、市内見物の予定。
経費 9,769円 累計 110,931円
歩数 47,290歩 累計 1,313,856歩
距離 33km 累計 843km
(途中から当ブログにこられた方は、右バー「最新コメント」欄の「◎はじまり◎/ブログを始めました」をクリックして旅のはじめのページに飛び、「次の記事」へと進みつつ、徒歩の旅をお楽しみください。--管理人より)
ゆっくり朝食をとって出発。
8時05分、ユースの奥さんがいつまでも見送ってくれる。空は、「八雲たつ出雲」の通りの曇り空で、空気は肌寒い。勢溜を経て、県立出雲古代博物館の前を通り、国道431号線を行く。
8時20分、「天平古道」という案内板がある。説明によると、北側の山々と国道431号線との間にあり、「古くからの山地の生活道であり、駄賃馬が町に炭を運び、帰りに塩や海産物を運んだ道でもありましょう」とある。今回は無理だが、いつか機会があれば歩いてみたい。
8時40分、島根ワイナリー通過。城福寺ユースで一緒になった男性に、出雲を通るなら寄って試飲して行きなよ、と言われていたが、未だ開いていなかった。それに、心中秘めるところもあったし。
八重桜はとっくに散ってしまい、ツツジもよく見るとだいぶ枯れた花びらが目立つ。アヤメの類も然りである。田圃には水が張られて、早苗が風に揺れているところも多い。
季節が着実に移り変わりつつある。歩き始めて今日で29日目、全行程の約三分の一が過ぎたことになるが、宗谷岬まではまだまだ先が長い。
9時20分、右手やや遠くに出雲ドームの白い屋根が見えるあたりで、二つ目の「天平古道」の案内板。
10時30分、道端に石積みの塔のごときものが祀られてあり、その傍を通る。説明を読むと「この古式宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、古来から地方の人達が『御所さん』と呼んであがめ敬っている。往古、この地方が『林木の荘』といって藤原氏(九條家)の荘園であった頃、やんごとなきお姫様(一説には村上天皇の孫阿野姫 九八六~一○五四年 の墓であるという)」と書いてある。どういういきさつなのだろうか。
さらに水田の早苗を見ながら歩く。
このあたりでは、食べる物を買おうと思っても、431号線にはここまでコンビニはないし、昔の万屋の如き、酒・タバコ・食料品・日用品と書かれてある「・・・商店」は、どこもシャッターが閉まっている。この地の人たちは、食料品などはどのようにして購入しているのだろうか。自動車で郊外のスーパーのようなところで一括購入するとしたら、高齢になって運転がままならなくなったらどうするのだろうか、などと考えつつ歩いていたら、
11時、雲州平田の町に入って、ようやくコンビニを発見。牛乳、おにぎり2個、スティックパンを買う。
11時35分、ギターを背負って自転車に乗った青年に出会う。彼は、小田原から日本一周をめざしているとのこと。こちらも川崎に住んでいて、鹿児島から歩いて来たと言うと感激していた。同じ神奈川県人同士でしばらく話をし、お互いに目的達成まで頑張ろうと握手をして別れた。
11時45分、「がんばれ、一畑電車。」という大きな看板がある。故郷電車を廃止させないために利用を呼びかけたもの。一畑電車は、地元では「バタデン」と呼ばれている。
水田の中を行く一畑電車。
12時50分、宍道湖が見えてくる。日本で7番目の広さの湖である。あいにく曇天で、寒々とした茶色っぽい波が打ち寄せている。
13時15分、一畑口駅通過。ここの北側へ行くと、一畑薬師というお寺があり、目の病にご利益があるといわれている。4年前の8月、白馬鑓の雪渓で転倒し網膜はく離になった身としては、お参りして今後のためにお願いを……とも思ったが、やや距離があるので残念ながら先を急ぐ。
13時45分、湖岸を走る青い一畑電鉄北松江線。
13時50分、出雲市をあとに松江市に入る。
14時10分、津ノ森駅で小休止。こちらも青い一畑電車。
14時40分、松江フォーゲルパーク駅で、駅舎やちょうど来た黄色い一畑電車の写真を撮る。
14時55分、宍道湖沿岸の「秋鹿なぎさ公園」道の駅。風が強い中で高齢者たちが庭の手入れなどをしていた。
道の駅からの宍道湖。
15時20分、長江駅で小休止。
15時40分、線路の向こう側、田圃の中の白鷺。九州では何羽も見かけたが、久しぶりである。いつ見ても美しい。
頭上を行く一畑電車。
15時50分、宍道湖湖北自転車道が431号から分かれる。自転車道に沿って行く。
16時05分、朝日ヶ丘駅付近でユースの場所を丁寧に教えてもらい、
16時20分、松江レークサイドユースホステルに到着する。
夕食時に、ユースのオーナーが缶チューハイをサービスで出してくれたが、せめて旅の行程の半分まで行って目鼻がつくまでは、などと柄にもなく殊勝に思い、せっかくのご好意をお断りしてしまった。あ~ぁ。
明日は休養日扱いでユースに連泊。松江郵便局に局留め郵便物を回収に行きがてら、市内見物の予定。
経費 9,769円 累計 110,931円
歩数 47,290歩 累計 1,313,856歩
距離 33km 累計 843km
(途中から当ブログにこられた方は、右バー「最新コメント」欄の「◎はじまり◎/ブログを始めました」をクリックして旅のはじめのページに飛び、「次の記事」へと進みつつ、徒歩の旅をお楽しみください。--管理人より)
ワイン・チューハイ 諦めた心中をお察ししますw
同じような志で旅をされている方が結構おられるのですね。
特に若者がいたりすると、この時代もまんざら捨てたものじゃないなと嬉しくなります。
酒断ちは、固い決意というほどのものではなかったのですが。今にして思えば、せっかくのご好意だったのだからいただいておいてもよかった気がします。
翌日(5月10日)には、日本一周自動車旅の中高年の方にも、ユースでお会いしました。