ノンリニア編集ソフトが来たのもあるので、ちょっと動画への編集に
ついて書こうかと思います。
今のVTRと言うのはエジソンの特許なんだけど、その時代から考える
と映像と言うのは凄く歴史を刻んだなぁと思います。
ただ、VTRが今のように家庭に下りてくるには結構時間がかかってて
映像を撮る機材と言うのは、VTRではなく、初期はフィルムだったよう
です。
フィルムというのは、レンズつきフィルム(写るんですとかのよう
に観光地とかで売ってる、簡単に撮れるアレ)や、一眼レフなどで使
うモノと同じなので、すが、コンシューマに降りてきたのは映画で使
う35mmやドラマ撮影で使われていた16mmとかではなく、8mmというモノ
でした。通常8mmというとフィルムのコトだったりします。
フィルムの場合、写真を撮ったことがある人だと経験があるかと思
いますが、 【 現像 】 という作業が必要になります。この個人
で購入できる8mmというヤツもフィルムなので基本的にクッキーの缶み
たいな丸いケースに収めて現像してもらう感じになります。
当然、枚数が凄まじく長さも相当なモノですから、現像をしてもら
うのも場所を択んだりするし、何よりも出来上がってから現像が終わ
るまでに時間がかかる感じでした。
ちなみに、8mmというのは5分の尺しかなくて、トーキンになったの
は後期型。つまり、初期の製品はサイレンスだったので、文字を入れ
込んで作らないとクチパクのままだった訳です。
今ではトーキンの映像が撮れるようになっているのですが、今市場
に出ているコンシューマのカムコーダというのは、完全なるデジタル
DATAで記録するモノとなっています。
とりあえず、8mmの場合、
【 現像されたネガに光を当ててプロジェクターで
照射している 】
感じですから、コンポジット+RCAでテレビに送れるようなモノでは
ありません。多分、8mmという言葉でひっくるめて耳にするのは
【 VTR-8 】
のコトではないかな?と思います。実は、このVTR-8と8mmというの
は全く別物で、
【 8mmフィルム 】
写真のネガのように、1コマごとに像が刻まれたモノが
そこにある
【 VTR-8 】
磁気記録方式のテープに映像DATAを記録しているモノ
です。つまり後者は当時のベターやVHSのビデオデッキとかで編集
できるのですが、前者は、全然異なる感じだったといえます。
フィルムの場合、物理的な切り貼りをしますから。w
実際は、縦にコマが並んでいるモノなんですが、今回はブログ
の都合上横で画像を作っていますが、フィルムというのはこんな
感じで
【 それぞれのコマが写真として刻まれている状態 】
です。
■ フィルムのイメージ('▽')フィルム!
そして、それを切り貼りしていきます。例えば、赤い部分が不要
だったとしましょう。
■ 不要な部分 (°△°;)
その場合、フィルムカッターで位置合わせて裁断します。
■ 切り取り('▽')ノシ キッタ~♪
これが 【 トリミング 】 の作業です。この絵では後ろの方
を切っていますが、前後にある不必要な部分を切り取り、必要な
部分だけを残す作業をそう言います。
そして、この後に、必要なショットと繋いでシーン構築を行っ
ていきます。フィルムの場合、セロテープで繋げる作業になりま
す。
■ 貼り付ける('▽')シーン、デキタ~♪
VTRの場合には、デッキが2つあってソースを入力する機材と
録画する機材があって、その二台で必要なショット部分にスチ
ルかけながらVTRとして保存する感じだったといえます。
当然、VTR-8はVHSとかと同じ磁気記録方式ですから、フツー
にコンポジット+RCAで送れたと言えます。
では、この映像ですが、互換性ってあったのか?というと、
ヨーロッパみたいなPAL圏だと違うと思うんだけど、日本やア
メリカのようにNTSC圏では、あからさまに互換性がありませ
んでした。
フィルムとVTRの段階で物理的にも記録してる方式にも互
換性はなく、その片鱗すら見当たらないような状態なんです
が、一番の違いは方式とフレームレートです。
VTRと言うのは、基本的にテレビの放送を意識したソース
なのですが、NTSC圏では、インターレーススキャンを採用し
ています。(PALは24Pじゃなかったかな?)つまり、
【 走査線ごとに映像を入れ替えながら表示させること
で単一の画像を送るビットレートを稼いでいる状態 】
です。この時代はアナログなのでビットレートって概念すら
ありませんが、そんな感じです。そして、数字でみても全然
異なります。
8mmと言うのは15fpsのプログレッシブスキャン相当(写真
に走査線が入っていたら故障ですから...。)なんですが、
VTRの場合29.97iという数値なので全然互換性がないんです。
また、フィルムですから、VTRにする場合、フィルムスキ
ャナーで読み込んでそれをシーケンシャルにして処理する
感じなんだけど、この手の事が、VFXを使う時代になってボ
トルネックになりました。
ジョージ・ルーカス氏がこの部分を解消すべくデジタル
シネマを提唱されコトに望まれたおかげで配信とかがラク
になったのもあるのですが、それまでの作業というのは
【 24F→29.97i 】
VTRでコンポジションする為
【 29.97i→24F 】
VTRでは上映できないのでフィルムに
書き出せる形式にする
という非常に手間のかかる作業をしていた訳です。つまり、
フィルムスキャナー通さないと編集すら出来ないという状態
ですから、
【 1フレーム分の取り込み速度 x24 x映像の時間 】
という3DCGのレンダリングみたいなのが二重にかかってた感
じです。それでも、スケジュール通りに作品が上がってくる
のですから映画製作というノアh凄いスタッフの集まりなん
だなというのをつくづく感じます。
フィルムで上映という流れだと、ここは変わらないのです
が、今のコンシューマでは、VTR用のテープはまず使いません
から、そこは変わった部分だといえます。
テープについて言うと、VTR-8やHi8というのはアナログ記
録で、当時のテレビの解像度相当ですからアップスケーラー
でもかまさないと今のケータイのディスプレイでも汚く写り
ます。
汚いというよりユルくなります。これは解像度が圧倒的に
足りていないからです。この理由は一つあって、アナログ時
代にNHKはアナログハイビジョンという放送を行っていたので
すが、この時の解像度が、実はDVDよりも低いんです。
当然、Hi8やVTR-8はその解像度よりもはるかに低いモノで
すから、サイズ的には昨年度で終了となったMovaの3GPとか
で利用されていた 【 QVGAサイズ 】 というのが近いと
言えます。
では、DVカムはどうかというと、テープというメディアが
似てても全く別物で、これはDVDにそのまま使えるような
【 720x480/29.97i 】
で記録できていました。そして、ビットレートも圧縮率が
今のハイビジョンハンディーカムよりも断然低かったので
とんでもなく高いビットレートが割り当てられています。
ただ、その状態でも非圧縮のAVIコンテナを使ったモノよ
りも断然軽かったのは言うまでもありません。
この方式で記録するDVカムもコンポジット+RCAで取り
込みができるのですが、業務用もコンシューマもノンリニ
アやる時にそんなアホなコトをしている人は居ません。w
業務用だとBNCですし、コンシューマだとIEEE 1394aの
端子(MacだとFirewireと呼んでました。確かbまで出たん
だよね。アレって...。)にて取り込む感じで、それをDV
コーディックでとりこで編集する感じです。
コンポジット端子やS端子の場合、映像はD1固定っぽい
入力になるので、露骨に汚いのですが、IEEE 1394だとソ
レがない感じです。
というか、コンポジットやS端子でアナログソースだと
ノイズ噛むので、そこが痛々しい感じです。
このIEEE 1394を使ったモノですが、ソニーのHC1の登場
で変わります。
【 流れて言った時間を、思い出という自分だけ
の中で劣化させるよりも、そこに残った時間
として、何度も思い出せる機材 】
ハイビジョン時代がその機材でコンシューマに降りてきた
のですが、当時はHDVカムということで、mini DVテープ
を使うソリューションでした。
なので、取り込みもIEEE 1394でした。というより、シ
ョルダーマウントもmini DVテープ使っていましたから、
業務用ほどではないですが、圧倒的な解像度を得られる
機材だったのは確かです。ただ、これも変なテープ使う
とフロッグとか出てボロクソになるので、書き換えて使
うようなユーザーには使いにくいモノだったようです。
この時にSD解像度に引導を渡すような機材が登場しま
す。それが 【 DVDカム 】 です。
民生のDVDプレイヤーやレコーダーでそのまま使える
というコンセプトなんですが、
【 所詮は、MMPEG-2_PS 】
です。映像ソースの段階で8Mbpsとかで記録して綺麗な
わけもなく、DVカムのほうがマシという
【 地獄の使いのような機材 】
でした。多分、当時VISTAとMeがあったら
【 死と恐怖と旋律の不幸を呼ぶ劣悪御三家 】
として恐れられたかも知れません。当然、こんなモンは
サックリと死亡し...。AVCHDカムが登場します。
この時にエンコーダが二つ搭載されていて、通常のDV
Dプレイヤーでも再生できるような状態になっていました。
ただ、画質と記録時間は酷かったですが...。というの
も、DVD自体が4.7GBしか記録できないにも関わらず、シ
ングルサイズのDVDに焼くモンですから、今のネットブッ
クを拡張したような容量しか記録容量がないという恐る
べしモノが出来上がった訳です。
そう、既に、内部処理で使う物理メモリー領域みたい
なのに動画記録しようって発想ですから上手く行くわけ
がありません。
また、DVDを作る工程って業務用のカムコーダで高画質
なのを撮影してソレをDVDにしていたり、フィルムをキネ
コで落として、デジタルリマスターしてDVDにしてる感じ
ですから、全く別物なんですよね。
業務用のソレだと機材のメカニカルな部分が載ってし
まうからあの当時のビデオカメラはとにかく重たく
【 撮れば撮るほどに強くなる 】
という 【 酔拳なのか? 】 というようなシロモノ
でした。一眼レフって重たくてもその機材の性能が高い
から重さがあっても提供してくれる絵を見れば納得でき
るのですが、このDVDカムについては、ソレがなかった
感じです。
というのも、MPEG-2の特性が出てしまう酷いモノだっ
たからです。まず、MPEG-2と言うのは、ざわめく画像の
処理を行った場合、とにかくノイズが出ます。
また、圧縮率を上げたJpegみたいにモスキートまで出
る特性もあります。
これをビットレート上げて処理部分で消す必要がある
のですが、そうなっていないので、噴水とかを撮影する
と
【 Niveのパーティクルテストですね。わかります。 】
('▽')ワァ~、コンポジットダァ~!ハジメテ ミタ~!
とトンでもない勘違いをされかねない代物でした。
ブロックノイズって地デジ環境でテレビ見てらっしゃ
る方だと経験済みだと思うのですが、電波状況が悪くな
ると四角いノイズが出て破綻するアレがブロックノイズ
です。
これって大変な内容で、てんぷらを揚げるような映像
を撮るとした場合、衣をつけるまではフツーなんですが、
【 油に入った瞬間にモザイクかかった感じになる 】
ので
【 天ぷら...。どこまでグロかったんだ? 】
【 放送禁止コードにひっかかる天ぷらって一体? 】
という状態になります。そして、油から上げるとフツー
の天ぷらになるので
【 グロかったので差し替えですね。わかります。 】
と、再び何が何だか分からないような勘違いをされる
可能性があるような代物でした。ソコまで酷いのが残
るわけもなく、後期では
【 HDD記録型のHDカムで残っていた 】
という感じです。これにAVCHDが載ってくる流れで今
に至る感じなんですが、デジタル記録方式になってか
ら大きく変わったのは
【 USBでDATAを送信できるようになった 】
というコトです。HDMI出力と言うのは映像取り込み
なので映像の尺と同じだけの取り込み時間がかかる
のですが、今のカムコーダとかはフツーにDATAの
フォルダーがあるので、ソレを使う感じです。
それをそのまま編集してもいいのですが、フォト
レタッチと同じように不可逆圧縮ってのは劣化する
ので、コンポジットとかが入る場合には、劣化を抑
えたくなるモノです。
そこで、非圧縮で取り込みするとか、ロスレスを
使う訳です。とりあえず、
【 MAC:Final Cut Pro 】
Apple Pro Ress
【 WINDOWS:Edius 】
Canopus HQ
とかで取り込んで編集するとろすれすなんどえ劣化
が少ない状態で編集できます。ちなみに、ロスレス
は可逆圧縮なので圧縮はしてあるけど元のモノに近
い状態で展開できる方式となっています。
とりあえず、今の段階だと業務用は別ですが、コ
ンシューマでは、USBを使う感じで、ロスレスを使う
時だけ考える感じかなと。
最初に、編集はトリミングと接続で出来ているの
を書きましたが、この基本的な部分はデジタルでも
同じです。
ただ、それがテープとかフィルムカッターとかを
使わない状態で行える感じですね。ノンリニア編集
ソフトはPCだけで使うようなモノでしたが、今は、
タッチパネルのタブレット端末でも使えるようにな
っています。
Eee Pad Transfomer TF201とか新しいiPadとかで
も動画編集ソフト(有償のヤツが便利)もあります
し、実は切り貼りとタイトルとか追加する程度しか
できないけど、PLAYSTATION 3でもファームウェア
のアップデートで動画編集ソフトを使いでき、USB
経由で内臓HDDに動画を送り込むとソレを編集して
YouTubeとかにアップできるサイズの動画を作る事
ができます。
とりあえず、この手のモノって、基本的に
【 それぞれのトラックが1本しない 】
のですが、この編集って
【 カットやショットが出来てる上での作業 】
だからなんですよね。つまり、
【 ソレができていることが前提条件だと
ソレで大丈夫 】
という内容です。では、PCのソフトだとどんな感じ
なのか?と言うと、動画編集ソフトではトラックが
1本のモノが多いですが、複数のトラックを使える
モノもあります。
【 オーバーレイトラック 】
と言うのがノンリニア編集ソフトでは使えるのです
が、これが、
【 平面のコンポジット 】
だと大丈夫だったりする訳です。
X5が出るVideoStudioですが、このソフトでは、12
の頃からオーバーレイトラックの
■ 自由変形
■ 移動
■ キーマスク
が可能でした。
先日購入した、Power Director 10 Ultraでは、
オーバーレイトラックのコントロールがGUIで自由
に動かせるようになっていて、時間軸に合わせて、
座標変化とかサイズとかをコントロールできる感
じになっていました。
Niveやjavieはコンポジットツールなので、長い
尺は作れませんが、この二つのソフトでは、座標変
化と回転などをキーフレームの間でその振る舞いを
行わせるようなつくりになっています。また、カメ
ラも入るので面白い動きをつけれます。
AfterEffectsやCombutionとかと違うのは3D形状
サポートの有無じゃないかなと。
ただ、ノンリニア編集ソフトも簡単なコンポジッ
ト機能程度だと実装している感じですね。
映像ってデジタルの場合にはやり方は様々だと
思うのですが、ザックリと書くと作るものが決ま
ってる場合
(1)ショットを作る
(2)トリミングとカットで繋ぐ
(3)音を入れていく(ミックス済みの音)
(4)カラコレ&音の調整
という感じじゃないかなと。
PC使う場合で、フリーウェアだと
■ AviUtil
■ AviDemux
とかになるんだけど、Ubuntuとかである程度HDとか
が動く場合や、処理能力がある程度見込める場合に
は
【 3DCG 】
■ Blender(パーティクルとかを使える)
【 ノンリニア 】
■ KDENLive(マルチトラック編集)
■ AviDemux(エンコード&フィルタリング)
【 DAW 】
■ Ardour(MTR)
■ LMMS
【 波形編集ソフト 】
■ Audacity(高性能な波形編集ソフト)
【 写真・GIFなど 】
■ GIMP
【 タイトル・ロゴ 】
■ Inkscape(PNGで出力)
【 DVD化 】
■ DVD Styler(オーサリング可能)
とかそろえるといいかなと。これに、Javieとか
が増えると、Ubuntu Studioとかでも映像が面白
くなるかなと..。(ソレがない場合には、Blend
erのコンポジションでどうにかしていく感じです
ね。)
ちなみに、WINDOWS環境だとKDENLiveとArdour
以外はWINDOWS版があるので、これに
■ Nive
■ Javie
を追加して、ショットを作り、AviDemuxとかで
繋ぐ感じになるかなと。
今の段階で、Blu-RayやBD3Dに関してのみライ
ンセンスの関係で、無料のソフトがないのです
が、とりあえず、DVD製作までの流れだとソレが
可能です。
ちなみに...。DVDにはDVD Audioとマルチアン
グルと言う機能があるのですが、コレは市販の
ソフトで使えそうなのは高音質ソースのDVD Au
dioのほうだけで、マルチアングルのソレを作る
場合には、業務用のバカ高いヤツを使う感じに
なります。
また、ソレを行う場合、複数のカメラを同時
に入れる撮影になるので、アレはコンシューマ
のハンディーを持ち歩いただけの人だと厳しい
と思います。少なくともカメラの台数だけ人が
居て、その上で撮影する訳ですから、照明が難
しいと思います。
とりあえず、ネットにアップするだけだと、
トランスコーダーって結構ありますからやりや
すい時代になったように思います。
基本は、不用な部分を削除して必要な部分を
繋げて、それが良く見えるようにしてシーンを
作り、ソレを繋げて完成させると言う感じです。
リアルタイムの放送は違うけど、録画された
映像やファイルとなっている映像で考えると、
コンポジションとかタイトルとかPinPとかは最
終的な編集ではなくて、
【 ショットやシーンの構築の段階の処理 】
であって、それが出来ている素材を組み合わせ
る作業は、最初に書いたアレが基本です。
トラック数の多さと言うのは何かが重なる場
合に必要になるのですが、実際はやり方のお話
になります。この手の事はまた別の機会に書こ
うかな?と思います。
あっ、そうそう。映像って
【 1フレーム違うと結構印象が
変わってしまうコトがある 】
ので、この切り貼りする作業と言うのも実は
テキトーにやってるモノではなくて、考えて
行われているモノだったりします。
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