■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

【 Infomation 】


【 F1GP 2017 最終戦:アブダビGP 今日から開催中 】

■ F1GP 2017 最終戦:アブダビGP
【 11月24日(金) 】   ■ フリー走行1回目 【 リザルト 】     セバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)   ■ フリー走行2回目 【 リザルト 】     ルイス・ハミルトン選手(メルセデスAMG) 【 11月25日(土) 】   ■ フリー走行3回目 【 リザルト 】     ルイス・ハミルトン選手(メルセデスAMG)   ■ 公 式 予 選 【 リザルト 】     バルテリ・ボッタス選手(メルセデスAMG) 【 11月25日(日) 】   ■ 決     勝 【 リザルト 】     バルテリ・ボッタス選手(メルセデスAMG) (*)メルセデスAMGがコンストラクターズ    タイトル、ルイス・ハミルトン選手(    メルセデスAMG)がワールドタイトルを    獲得しています。
【 今シーズンのレースカレンダー 】 【 今シーズンのチーム&ドライバー 】  


 SUPER-GT 2017年シーズン終了。  GT300はグッドスマイル初音ミクAMGが  タイトル獲得、GT500はKeePer TOM’S  LC500がタイトル獲得となりました。
【 Super GT Round 8 ツインリンクもてぎ 】


【 11月11日(土) 】


  〇 公式練習
 
■ GT300 【 リザルト 】 

  4 グッドスマイル 初音ミク AMG
    Mercedes AMG GT3 / M159

    谷口 信輝選手
    片岡 龍也選手
 

■ GT500 【 リザルト 】

  37 KeePer TOM'S LC500
    LEXUS LC500 / RI4AG

    平川 亮選手
    ニック・キャシディ選手



   〇 予選Q1【 リザルト 】

  ■ GT300

   【4】グッドスマイル 初音ミク AMG
      Mercedes AMG GT3 / M159

      谷口 信輝選手
      片岡 龍也選手

  ■ GT500

   【46】S Road CRAFTSPORTS GT-R
      NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A

      本山 哲選手
      千代 勝正選手




   〇 予選Q2 【 リザルト 】

  ■ GT300

   【4】グッドスマイル 初音ミク AMG
      Mercedes AMG GT3 / M159

      谷口 信輝選手
      片岡 龍也選手

  ■ GT500
   【23】MOTUL AUTECH GT-R
      NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A

      松田 次生選手
      ロニー・クインタレッリ選手


【 11月12日(日) 】
 

   〇 決  勝

  ■ GT300【 リザルト 】

   【65】LEON CVSTOS AMG
      Mercedes AMG GT3 / M159

      黒澤 治樹選手
      蒲生 尚弥選手


  ■ GT500【 リザルト 】
   【23】MOTUL AUTECH GT-R
      NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A

      松田 次生選手
      ロニー・クインタレッリ選手


(*)GT300はグッドスマイル初音ミクAMGが
   タイトル獲得、GT500はKeePer TOM’S
    LC500がタイトル獲得となりました。
 

【 今シーズンのレースカレンダー 】

【 今シーズンのドライバー&チーム 】








■ 交通情報などのリンク
http://blog.goo.ne.jp/kay-nea_l-u
e/8f3d1b94262f05bfe2eee971786294f0

【 最近アップした動画 】

【 差し替え 】Power Director 10 Ultraの2D-3D変換してみた。

■ とある 仮称 【 モノカキ 】 の独り言(talk to oneself )

2011年02月08日 | へたっぴな小説もどき


 今年一発目のリハビリ的に書いたモノです。以前のがいい加減前に書いたモノだったの

ですが、久しぶりに書いた見ました。

 と言うか、やっつけで数時間で書いたのですがどうでしょう...。

 今回は、設定とかなしで書いているので結構雑かも....。

 とりあえず、2.1万文字程度ですからサラリと読める範囲のモノかなと...。

 ポジティブなモノを書けそうな感じではなかったのもあり、ネガティブなモノになってる

感じですね。

 病気が唐突過ぎたかなぁとか...。色々ありますが、思いついたが吉日で書いていこうか

なと思っています。

 フィクションで書いてるモノって、実体験が全くないこと書いてるので、作り物です。

 実際、家庭環境から言うとこの手のモチーフは全くないので一から構築する感じなんです

が、現実を書くのと作り物を作るのではモノが違う感じですね。

 まぁ、ジャーナリストが嘘書くようになったらおしまいだし、現実意外書いていないと言

うのは文学否定ですから、【 我輩は猫である 】 とか読みやすいモノもそうですし、古

い作品だと 【 今昔物語 】 とかもフィクションですから文学は作り物になります。

 と言うよりも、フィクション書いてる人が現実で嘘を書くと言うのも不思議な話ですし、

その誹謗中傷を行う人間の頭の構造を考えると


  【 情報操作に弱い 】


って事になるでしょ。つまり、情報流入が自分の知り合いだったとした場合、その人間が

仮に敵に回ったとしてその情報を隠蔽していたとしたらその人間は嘘を真実と信じ、現実

を虚偽と認識してしまうって事です。そうなると、自分の思考というのは正確な情報でな

くてはないし、この


 【 その人間の書くモノは虚偽というNOT演算回路 】


のような振る舞いは、シーケンサがコントロールすればどうにでも動くものでしかない訳

ですから、情報という戻り値に関して言うと信憑性に欠けると言えます。

 と言うのも、今のメモリーモジュールってNAND形式でNOT+ANDの二つの論理演算が合わ

さったモノだからです。つまり、NOT回路程度だと既にシーケンサで処理できているモノ

ですから、結果的にその手のモノって単純な通電で戻り値吐いてるだけのシロモノでしか

無い訳です。

 そう考えると、情報でも何でもないモノを集積して得られるモノは情報ではなく文学など

のようなフィクションであると言えます。

 そう考えると、世の中は現実なんだけど嘘を言う輩も居ますからフィクションじみてると

も考えられます。

 今回書いたモノですが、失った誰かの惜別の念なんですが、


 【 想い出 】 


にポイント置こうと思って病室の部分を太くとりました。と言うか前半部分でタルくなる位

想い出書いておいたほうが良かったかな?と言うのもありましたけど、病室が弱くなるかな

と思って書きませんでした。

 今回は、


  【 命は終わっても魂はここにあって心があなたに答えている 】


と言うのを持ってきたかったのでソレを置いてみました。

 多分、リコリスがヒアヤシンスに変わる事はないんですけど、ECUで言葉も出ない中、

きっと彼女は伝えたくても伝えられない、日記を書いた後にその後のいろんな思いを持

っていたんじゃないかなと...。

 主人公は今回リコリスを自分の罪による悲しさだと思い込むように書きました。

でも、彼女の咲かせたリコリスは、


 【 主人公の悲しんでる姿しか見えなくて悲しい日々 】


の象徴だったのかも知れません。

 そして、その場所に眠る彼女に、あの一緒に過ごした日々のような思い出が宿り、


  【 青いヒヤシンス 】


が咲いたのかも知れませんね。もしかすると、あのリコリスは


  【 約束守れなくてごめんなさい 】


と言う言葉だったり、彼女の思い描いていた未来が崩れた悲しみだったのかも知れません。

 そして、姿は変わってしまったけど、あの一緒に過ごした時間のような


   【 想い出 】


がそこにあって、その花を咲かせる事で主人公に教えたのかも知れませんね。

 最後の忘れな草は、夢で見た自分の姿をと言う理解で主人公は解釈していますが、もしか

すると


   【 ずっと愛してるから。 】
   【 その青い花の花言葉は変わらないから。 】
   【 苦しいときも悲しいときも一人じゃないからね。 】


と言う彼女の優しさだったのかも知れません。

 実際、実体験でモノ書くとボクの場合、人の知るよしを遥に越えて凄惨なのになってし

まうので、この手の恋愛モノは絶対に書けないし、単に孤独なだけな話なんてストーリー

にもなりませんから、こうしたモノは書けないですね。

 それに誰かが想いを馳せるような感じで、ボクが遮蔽敵な人間だったとして、ひたすら

すれ違うって状態があったとすると、その話って


  【 箱男 】


ですよね。w

 これって結構昔の作品なんだけど、ソレがあるから、仮に、ボクが引きこもりを始めた

としてその恋愛を文字列にすると


  【 単なるパクリ 】


でしかなくなるので、書く価値もないかなと...。

 つまり、モーチーフって現実からでてくるモノでもないように思います。

多分、脚本のキャラの設定段階でのキャラ作りの部分位しか現実の人間ってでて
こない

んじゃ無いかな?とは想います。と言うのも、人がその通りに動いたら作り物ですから

既に、実車映像や舞台の世界で、これを文字列にしたものを世の中ではフィクション

と呼んでいるからです。

 そして、そうでないものをまるごと書いたのがノンフィクションですね。

ただ、テクニカルライターは現実を書いていますが、アレをノンフィクション作家と呼

ばないのは確かです。w

 やっつけで書いたので、文章の手直しとかしていないので読みにくいかなぁと言うのは

感じましたが、とりあえず、今回はこんなのを書いてみました。



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■ 最近書いた文章など

2011年02月08日 | へたっぴな小説もどき


 とりあえず、モノカキごっこってことで、フィクション(完全な架空のお話)

のモノを置いておこうかなと思います。
 

 ■ Lost My World (2011/02/08) 【 NEW 】

   少し寂しい感じのお話を書いてみました。


 ■ Believing(2010/08/25)

   オモイデノイロの後のお話で、高校生活の事を書いてみました。

 ■ ヒカリノハナ(2010/08/21)
   ちょっと違う恋の話を書いてみました。


 ■ ツナグキオク(2010/08/19)

   とりあえず、フツーに書いてみました。

 ■ Latter(2010/08/17)

   誰宛かはスルーしてもらって...。今回は、単なる手紙を
   書いてみました。


 ■ Memorys(2010/08/16)

   今回は、前回と異なる二人のお話です。


 ■ オモイデノイロ(2010/08/14)

   今回は、学生を主人公にして長めに書いてみました。
   

 ■ フリツモルアメ(2010/08/12)

   今回は、長くないモノなんですけど、意味通じなかったら
   フツーにスルーしてください。  

 ■ Promise(2010/08/11)

   今回は、前回とは違う悲しくないお話です。
   

 ■ 向日葵(2010/08/10)

   今回は、モチーフなしのオリジナルです。


 ■ No Your Smile No Life(2010/08/08)

   前作で主人公が旅に出たのですが、その旅の前のお話です。Little Travelerに直接
   繋がっています。(リンクも繋がっています。)


 ■ Little Traveler(2010/08/07)

   ボーカロイドの楽曲で眼が腫れる位泣いた楽曲なんですが独自解釈で歌詞
   見て文章にしてみました。作品のイメージぶち壊してたらゴメンなさい。





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■ 【 Lost My World 】(4)

2011年02月08日 | へたっぴな小説もどき


 久しぶりに一筆書いてみました。

ちなみに、フィクションです。

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 【 Lost My World 】(4)
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 翌年...。ボクは、急性白血病になり、そのまま入院する。キミと同じ病気を体験

することになる。そしてボクは、キミと同じ道を選んだ...。


  ボク 【 きっとコレはキミへの免罪符なんだ...。 】


そう思い、闘病生活を始めた...。苦しい時間が続き、孤独な時間も増え、キミの日

記を思い出した....。


  ボク 【 ゴメン...。こんな思いをさせていたんだね...。 】

  ボク 【 寂しかったね...。辛かったね...。 】

  ボク 【 こんなに苦しかったんだね。ゴメンね...。 】


ボクの身体の痛みよりも、彼女はこんな状態なのにボクに笑顔で話しかけてくれてい

て、ボクを勇気づけてくれていた事を知り心が苦しかった....。


  ボク 【 治るって言葉でどこまで傷つけてたんだろう...。 】


勇気づける言葉が、絶望の前ではこんなに痛いなんて知らなかった...。

 怖い、苦しい、辛い、悲しい、寂しい...。

いろんな感情の溢れる中、彼女は日記や手紙を書いてくれていた...。


  ボク 【 あんなの出来ないな...。本当にごめん...。 】


そんな思いばかりが募る...。衰弱する身体、そしてやせ細っていく自分を見て、

死期を悟った...。面会に来た両親にボクはこう伝えた...。


  ボク 【 もう長くないから、一つだけ一生のわがままを聞いてくれ 】

  父  【 何だ? 】

  ボク 【 ボクは、死んでも彼女と一緒に居たい。 】
  
  ボク 【 だからあの墓に入りたい...。 】

  父  【 そうか、でも、向こうのご両親に相談しなければ....。 】


そう言うと、相談を始めてくれた...。


  父   【 ほら、向こうのご両親だ....。 】

  ボク  【 ごぶさたしております。お久しぶりです。 】

  彼女の母【 あなたまで白血病になるなんて....。どうして...。 】

  彼女の父【 どうしてキミまで...。息子と娘が同じ病気になるな
        んて...。 】

  ボク  【 ボクのせいで彼女は居なくなってしまいました。でも、
        ボクは死んでも彼女と一緒に居たいんです。 】

  ボク  【 ムリなお願いなのは承知の上です。でもお願いします。
        もう一度彼女と一緒に居させてください。 】


無理を承知の上で相談すると向こうのご両親はこう言ってくれた。


  彼女の父【 知ってるよ。キミは毎日娘の墓に行ってくれてるんだ
        ろ。娘もキミが居ないと寂しいかも知れない。 】

  彼女の母【 あなたが一緒に居てくれたら喜ぶと思うわ。 】

  ボク  【 ありがとうございます。 】


電話を切ると、父はこう語り始めた。


  父   【 ただ、まだ死んだ訳じゃないんだ。だから、生きる
        希望だけは捨てるなよ。 】

  父   【 娘さんもまだ、生きてるお前を待ってるんだからな。 】

  ボク  【 そうだね。生きてもう一度報告にいかないとね。 】

  父   【 それに、向こうのご両親もお前をもう一人の家族と
        思ってるんだから、死ぬなんて思うなよ。 】

  ボク  【 解ったよ。 】


ボクを勇気づける為に言ってくれたのだろう。解ってるよ。ボクは簡単に

死ねないんだ...。彼女はこの辛さをボクと一緒に生きるために命の欠片も

なくなるまで頑張ったんだから...。


  ボク  【 そうだ、母さん。 】

  母   【 なぁに? 】

  ボク  【 青いヒヤシンス買ってきてくれないかい。 】

  母   【 お花なんて好きだったかしら? 】

  ボク  【 いや、見つめていたんだ...。元気なうちにね。 】

  母   【 縁起悪いこと言わないの。明日持ってくるわね。 】

  ボク  【 ありがとう。 】
  

そして、翌日、青いヒヤシンスの花が一輪挿しで病室に置かれた...。


  ボク  【 キミの答えだったのか解らないけど、ボクの答えも
        この花だよ。 】

  ボク  【 キミの居る場所にはまだ遠いのかも知れない。でも
        その場所がどこなのか少し見えてきた気がするよ。 】

  ボク  【 キミに会ったらどんな事を言われるんだろう?少し
        怖いよ。 】

  ボク  【 ほら、ペアリングも持ってきてあるんだ...。 】

  ボク  【 あの時誓ったままだよ。 】

  ボク  【 不思議だね。キミと同じ病室なんて...。 】

  ボク  【 二人だけの結婚式をあげた場所に眠っているなんて。 】

  ボク  【 キミはこんな孤独な時間を耐えていたんだね...。 】
 

消灯後の暗い病室。孤独感だけ溢れるその場所で一人考えていた。ボクは

本当にキミを幸せにしていたのだろうか?と言うことを...。

 病室の中、キミの夢を見ることが増えた。あの楽しかった日々ばかり、

流れていく...。ボクはこの幸せな時間に包まれて生きていたんだな...。

 病室で過ごす時間が長くなる程、今日という時間の意味が解らなくな

って行った。キミを失って降り積もる今日は、同じ時間の繰り返しで、

何が出来る訳でもないボクはただ衰弱し、時間を費やしていた....。

 2年後...。骨髄移植に成功し、退院しているボクが居た...。転移して

いない状況が幸いし自宅療養だけど命を繋いでいる...。

 キミの多くの苦しみをボクは完全に理解出来た訳じゃないけど、キミの

強さと優しさに包まれて生きていた事をボクは以前よりももっと強く感じ

ている...。

 退院前にボクは不思議な夢を見た。

 
  彼女 【 ねぇ、起きてる? 】

  ボク 【 えっ、誰?? 】

  彼女 【 誰じゃないでしょ?!私!! 】

  ボク 【 えっ?? 】


夢枕にキミが立っていた。


  彼女 【 この青い花。これが私の答えなの。 】

  彼女 【 もう一度愛して欲しいって言ってたけど、
       もう一度じゃなくてずっと好きだったんだよ。 】

  彼女 【 この青い花。これが私の答えなの。 】

  彼女 【 あなたの答えはやっぱりこの花?? 】

  ボク 【 そうだよ。ここで誓ったようにボクはキミの事
       を愛してる。今も変わらないよ。 】

  彼女 【 そうなんだ。嬉しいな....。 】

  彼女 【 私もずっと愛してるから...。 】


            :
            :
            :



夢はここで終わったけど、あの時のキミの姿がそこにあった。そして、

ボクが止まった時間の中に置き忘れたキミの笑顔と声がそこにあった。

 退院する日、看護師さんがボクを呼び止めてこう語った。


 看護師【 あらっ?退院前にお花を誰かが変えられたんですね。 】

 ボク 【 えっ、昨日は誰も来ていませんが? 】

 看護師【 変ですねぇ...。確かヒヤシンスだったような...。 】

 ボク 【 そうですが...。なぜです。 】

 看護師【 いや、この花違うでしょ。 】

 ボク 【 あっ、確かに....。 】


その場所には青いヒヤシンスではなく忘れな草が添えられていた。


 ボク 【 私を忘れないでね...。か...。 】


忘れな草の花言葉。その言葉の意味を考えると、あの夢は本当に夢だっ

たのだろうか?と思ってしまう。

 ただ、ボクがキミに出会い、そして、キミを見つめその優しい風に包

まれた春のような時間を紡いだのは確かだ。

 
 ボク 【 忘れる訳ないじゃないか...。 】

 ボク 【 ずっとキミを愛してるんだから...。 】


退院して1年が経過した。ボクはやっと外に出れるようになり、久しぶり

にキミに会いに行った。

 そこには青い絨毯のように咲き誇る青いヒヤシンスが並んでいた。あの時

よりももっと強く愛してくれているかのように。


 ボク 【 久しぶり...。 】

 ボク 【 身体は完全に良くなってないけど、キミに会いに来れる
      ようにはなったよ。 】

 ボク 【 あっ、そうだ...。忘れな草の答え。ボクの答えはコレ
      だから...。 】


そう言うと紫色のチューリップを飾った...。


 ボク 【 この色あんまり好きじゃないかも知れないけど、ボクの
      答えはコレだよ。 】

 ボク 【 この花言葉は、永遠の愛。 】

 ボク 【 忘れたりしないし、愛さなくなるなんて事もないから。 】

 ボク 【 じゃあ、また来るよ。 】


ボクは彼女が背負った病気を抱え生きている。ただ、弱りつづける身体が

ボクを彼女の居る場所から遠ざけつつあるのは確かだ...。

 病になると心が弱くなり生きる場所が見えなくなり、キミの居る場所を

探したくなる時がある。キミへ続くドアはどこにあって、キミに会いに行

くにはどうすればいいのか?

 キミは生きる事でボクとの時間を作ってくれた。だから、ボクも命の続

く限り生きて、キミの眠るその場所に行こうと思う。

 夜空を見つめると星が綺麗だった。その空に流星が流れていた...。

星に願いを込めて二人で空を見つめたあの日。そんな時間が懐かしく感じ

た。

 
  【 キミがいてくれたなら...。 】


そんな事を星を見る度に考えてしまう。ボクの生きる理由はきっとキミの

生きていた時間で終わりを迎えていて、ボクの時間はキミへの謝罪の時間

へと変わっている。

 キミが見る世界は本当はもっと広くて、キミが居る時間はもっと長かっ

たのかも知れない。でも生きてしまったのはボクで、ボクは何もできない

無力な存在として今を生きている。

 冷たい風...。冬の吹きつける風を感じ、一人で居るその場所。少し冷

たい空気に揺れる青いヒヤシンス...。

 僕達は、必然で出会い、必然でつながり、永遠の愛を誓い、そして今、

遠い場所で時間を費やしている...。

 キミの時は止まり、ボクの時はキミの居た時間で止まっている。
 
違う時間軸に居て、違う時を刻み、同じように時が止まっていたとしても

一つだけ確かなのはボクの心が変わらないこと。

 あの日、あの場所で愛を誓い、そして今もキミを愛していることだろう。

月の優しい微笑みが青いヒヤシンスを照らす。優しいキミの笑顔はこの部屋

にはもうないけれど、優しく微笑む月と愛に満ち溢れたこの花がここにある。

 さよならももう一度会う約束もないまま遠くに行ったキミ。空の星を探せ

ばキミにつながる事ができるのか、キミの眠る場所に思いを馳せればキミに

届くのかは解らない。ただ、キミへの想いが届くと信じて、ボクは祈りつづ

けるんだ...。

 キミの笑顔がそこにあることを...。そして、二人の愛が永遠であること

を...。なぜなら、これが今、ボクの生きている意味だから...。


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■ 【 Lost My World 】(3)

2011年02月08日 | へたっぴな小説もどき


 久しぶりに一筆書いてみました。

ちなみに、フィクションです。

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 【 Lost My World 】(3)
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 ボクの傍にあったモノはいつの間にか消えて、ボクとキミを繋ぐモノはキミの手紙と

病院にあったキミの日記だけになってしまった。

 刻んだ写真の中のキミはずっと笑顔で、ボクを見つめてくれているけど、今のボクは

きっとあの時のようにキミに笑顔で笑い返せない気がする...。

 彼女がくれた手紙はボクと彼女を繋ぐモノだった。彼女が一人の時に何を思っていた

のか知りたくて、日記を開いてみた...。


  彼が来てくれた。治ると信じて生きるんだ!
  彼の為に!そして私の為に!

 
ボクが彼女の心の中にあって何時も思っていてくれた事が解った...。


  並木道を見た...。懐かしいなぁ...。
  私、本当にあそこ歩けるのかなぁ...。


  結婚の話をした...。私、本当は結婚してたんだよね。
  彼と一緒に居て、一緒にご飯食べて...。
  一緒にいろんな想い出作ってたんだよね...。
  でも、ムリなのかなぁ...。
  祝ってもらえてたんだよね...。
  幸せになれていたんだよね...。


水性ボールペンでかかれた文字が滲んでいた...。


  ボク 【 こんな事抑えていたんだ...。 】


彼女は、悲しい顔を見せないようにボクの前では笑顔で居てくれたようだった。


  彼が結婚式をしてくれた。嬉しかった。
  チャペルじゃなかったけど、ずっと愛してくれる
  って言ってくれた。
  治るのかなぁ...。治って幸せになりたい...。


読み返すほどに悲しくなってきた...。助けてあげたい、でもボクの力では何もできな

かった。もうダメだった...。読み進めると、


  痛い...。身体が痛い...。助けて...。

  どうしていてくれないの??傍に居てよ...。

  寂しいよ...。不安だよ...。助けてよ...。

  嘘つきだ...。みんな嘘つきだ...。嫌い...。


と投薬治療の苦しみが書かれていた...。


  ボク 【 ...。ごめん...。一緒に居れなくて...。 】

  ボク 【 ...。嘘つきだったね..。ごめん...。 】

  ボク 【 ...。ご..めん...。 】


ボクは、彼女の痛みも悲しみも解らないままずっと傍に居ただけだった...。ボクの孤独

を彼女が支えてくれていただけで、彼女の悲しみも苦しみも解らないまま時間を過ごして

いた...。


  ボク 【 ボクは愛してるって言ったのに何もできてなかった....。 】


ボクは無力で、彼女を苦しめて...。彼女が一緒に居た時間はボクだけの幸せの時間で、

彼女の苦痛の蓄積の時間でしかなかったように見えた...。


  彼女 【 治らないかも知れないけど、こっちの方が長く生きれるから。 】

  彼女 【 こっちのほうが一緒に居れる時間が長くなるでしょ。 】

  彼女 【 だから、こっちを選んだの...。 】


彼女はボクの為に、苦しい選択をしてくれたのに、ボクは何もできず、彼女を苦しめた

だけだった...。


  ボク 【 ボクで良かったんだろうか? 】


解らなくなった...。


  ボク 【 ボクで無かったら彼女は生きてて...。 】
  ボク 【 彼女は笑顔で居て....。 】
  ボク 【 家族で仲良く生きてて...。 】
  ボク 【 そして...。そして...。 】


涙が溢れてきた...。自分は何て事をしてしてしまったんだろう?彼女の人生を壊した

のは自分なのではないか?彼女が生きれる選択を消してしまったのではないか...。


  ボク 【 キミを殺してしまったのはボクなのかな...。 】


ボクは自分の存在価値が解らなくなっていた...。

 キミに出会えた時、ボクは一人で感じる孤独を忘れ、そして二人で居る優しい時が

ある事を知った。

 そして、その時が重なる程に、ボクは愛されていると感じ、キミを大切だと感じた。

ボクの心に嘘は無いけど、ボクの想いはキミの悲しさや苦しさを理解できずに、キミの

苦痛を与えて、命も奪ってしまった。

 
  ボク 【 本当に愛されていたのだろうか? 】


永遠の愛を誓ってくれたあの日。でもその後にボクは耐えがたい孤独感と悲しみを与え

ていて、彼女の命を奪ってしまった。見えないように苦しみを抑えて笑っていた...。

 本当に、ボクの一方的な声しか届かなくなる前にキミはボクを愛していてくれたのだ

ろうか?綴られた日記を読み進める程に、解らなくなっていった。

 キミと寄り添っているのは、写真の中のボクとペアリングだけ。

 あとは、ボクの心だけが、数日前のキミの声のあるその時に寄り添っている。今を

漂うボクの抜け殻はキミという存在をなくし何も見えなくなっている。

 流れる時が、ただ悲しみを増幅させて、思ってくれた誰かの期待を裏切ったボクの

心を削って行った...。

 ただ、部屋に篭もり、暗いその空間で何も見ず時間を費やす...。ただ、惰性で刻む

時の山がそこに佇んでいた...。

 食すモノは喉を通らず、生まれて今までの時間を費やした自分と言う名前も何もない

抜け殻となったボクが居た...。


  ボク 【 もう、ボクはキミの傍に居ることも出来ないんだろうか? 】


そんな事を感じていた。命が消えると出会えるのかな?そんな淡い期待さえも、今は消

えて、永続する孤独の中でボクは生きるしかなくなっていた....。

 時を刻むほどに、キミとの距離が出来て、想い出となったキミの姿しかボクの前には

残っていない。

 祈りさえも虚しく消え、望みさえも届かなかった...。ボクの無力さがボクの大切な人

を遠ざけ、永遠に会えない状態にしてしまった...。

 数日後...。抜け殻のようなボクは彼女の眠る場所に向かった...。ただ、謝る為だけ

に。


  ボク 【 久しぶり...。ボクの事愛してくれてるかな...。 】

  ボク 【 リングはキミと一緒の方がいいと思って寄り添ってる
       けど、ボクじゃもうダメなのかな...。 】

  ボク 【 ボクは無力でダメで、キミを苦しめてばかりで...。 】

  ボク 【 でも、やっぱりキミの事が大好きで、キミ以外居ないんだ。 】

  ボク 【 愛していてくれるよねって言わない。 】

  ボク 【 でももう一度愛して欲しいんだ...。 】
 
  ボク 【 キミに出会えたその時にもう一度傍に居てほしいんだ 】

  ボク 【 あの時のように...。あの思い出を紡いだ頃のように...。 】


墓石の回りにはリコリスが咲いていた...。キミに与えてしまった悲しい思い出と、ボク

が知ってしまった悲しい思い出。その花がその場所に佇んでいた...。


  ボク 【 リコリスか...。 】

  ボク 【 悲しい想い出...。今積もる時間ってそうなのかな? 】


ボクにはその場所に佇む花が、彼女の記憶のように見えて辛かった...。


  ボク 【 キミの心がこの花を咲かせたのかな...。 】

  ボク 【 ...。ゴメン....。 】

  ボク 【 この花を置いていくよ。もう一度キミに愛が届くように...。 】
  

黄色いナルシサス。その花を手向けた。愛しいその人にもう一度愛して欲しい。その思

いしかなかった。
 
 その後、ボクは罪を滅ぼすように黄色いナルサシスを持って墓前に会いに行った...。

 キミの悲しみを知らず、キミの苦しみも知らなかったボクが出来る唯一の罪滅ぼし。

 きっと、ボクの心の中で今も美しく咲いてる花の面影を投影してここに来ているのだ

ろう...。


  ボク 【 また、会いにきたよ...。始めて会った時の事覚えてる? 】

  ボク 【 一緒に面接して、同じバス乗ってさ...。 】

  ボク 【 学校のレベルが高くて驚いちゃったけど、フツーに接して
       くれたよね。 】

  ボク 【 バイトで一緒に怒られたのがこの間の事に思えるよ。 】

  
まるで、ECUに居たキミに話しかけているかのような状態だが、キミの姿はもうそこに

はない...。

 
  ボク 【 今日も黄色いナルサシスを置いてくね。また来るよ...。 】


ボクが毎日その場所を訪れるようになり、1年の月日が経過していた...。すると、その

墓の周辺にあったリコリスはなくなり違う植物が伸びていた。


  ボク 【 何だろう?コレ? 】


花が咲くまで解らないが、リコリスではない植物が墓の周辺に伸びていた...。

 秋。風に木の葉が舞い散り、樹木の色が色づく頃、赤や黄色の木の葉が墓石を彩って

いた...。


  ボク 【 何時もはモノトーンなのに、秋になるとおしゃれになるんだね。 】

  ボク 【 おしゃれなキミだから、この時期はどんな服選んでたんだろうね? 】

  ボク 【 でも、このままじゃ酷いから綺麗にしてあげるね。 】


木の葉を払い、掃除を終えると、足元に植物が...。

 以前はリコリスが咲いていたその場所に青いヒヤシンスが咲いていた...。


  ボク 【 へぇ~。ヒヤシンスって多年草だけど野性で生える事も
       あるんだ...。 】

  ボク 【 青いヒヤシンスかぁ...。 】

  ボク 【 花言葉は....。 】

  ボク 【 .....。 】


花言葉を思い出した瞬間涙で前が見えなくなった...。


 【 青いヒヤシンス : 不変の愛 】


彼女の思いかどうか解らない。偶然かもしれない...。でもボクは何かキミが

こう言ってくれたような気がした...。


  彼女 【 コレが黄色いナルシサスの答えだよ。 】


と...。ボクの思い込みかもしれない。勘違いかも知れない...。でも嬉しかった。

悲しみの花が愛の花に変わっていただけでもボクは嬉しかった....。


  ボク 【 ボクも変わらないよ...。同じだよ...。 】


翌年にはその墓石を囲むように青いヒヤシンスが咲き乱れ、まるで青い絨毯のよう

になっていた。不変の愛で満ちたその場所は姿は無いけどキミの愛を感じる場所に

なっていた。


  ボク 【 この色好きだったよね。似合ってるよ。 】

  ボク 【 本当はさ...。いろんな所に行っていろんな思い出が
       欲しかった...。 】

  ボク 【 でも、キミだけを見つめていた時間でキミをもっと知
       れたし、ボクはどれだけキミに守られて居たのか解っ
       た気がするよ。 】

  ボク 【 ありがとう...。キミが居てくれなかったらボクの人生
       はもっと暗いものだったかも知れない...。 】





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■ 【 Lost My World 】(2)

2011年02月08日 | へたっぴな小説もどき



 久しぶりに一筆書いてみました。

ちなみに、フィクションです。

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 【 Lost My World 】(2)
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 夏...。日差しを遮るカーテンが優しい光でキミを包み、少しやつれぎみのキミを優しく

包んでいた。ボクが届けた向日葵の花を優しく見つめながらこう言った。


  彼女 【 ねぇ、結婚式ってどんなのかなぁ...。 】

  ボク 【 えっ。 】

  彼女 【 私達こうなってなかったら結婚式あげてたかなぁ...。 】

  ボク 【 ...。 】

  ボク 【 多分あげてたと思うよ。 】

  彼女 【 結婚指輪とか見に行って...。ドレス選んで....。 】

  彼女 【 結婚式あげたらみんな来てくれたかな...。 】

  ボク 【 みんな来てくれて、おめでとうって言ってくれてたよ。 】

  彼女 【 そうだよね。そして赤ちゃんが生まれて幸せになってたのかな? 】
 
  ボク 【 そうだね。キミに似た男の子かも...。 】

  彼女 【 違うよ。あなたに似た女の子だよ。 】

  ボク 【 じゃぁ、二人に似た双子にしておこうか...。 】

  彼女 【 そうだね...。w 】

  ボク 【 でも、治ったらあげれると思うよ。 】

  彼女 【 うん。だったら、一生懸命頑張らないといけないね。 】


彼女からこんな言葉が出てくるとは思わなかった...。そうだ...。もう彼女には時間が

無いんだ...。

 翌日、宝石店に行き、ペアリングを買った。自分の為ではなくてボクに降り注ぐ今は

彼女に捧げようと思った...。

 そして、病院に向かった。個室の病棟の彼女とは二人っきりで話せる状況だった。


  彼女 【 今日は遅かったね。 】

  ボク 【 うん。少し寄り道したから。 】

  ボク 【 ねぇ、目を瞑ってくれる? 】

  彼女 【 えっ、どうして? 】

  ボク 【 ないしょだよ。 】

  彼女 【 そうなの?? 】

  ボク 【 そう。 】


彼女が目を閉じるとボクはポケットからリングを取り出した。


  ボク 【 目を開けていいよ。 】

  彼女 【 うん 】


そう言うと彼女は目を開いた。


  ボク 【 今日は特別なプレゼントだよ。 】

  彼女 【 えっ?何コレ?? 】

  ボク 【 リングを買ってきたんだ。 】

  彼女 【 どうして?? 】

  ボク 【 付き合って5年経つから、ちゃんとプロポーズしておこうかと
       思ったから...。 】

  ボク 【 それに今日は、特別な日だし....。 】

  彼女 【 ....。覚えていてくれたんだ...。 】

  ボク 【 当然だよ。ボクにとって一番大事な日だから...。 】


二人が出会って付き合い始めたその日。ここ数年は特別な事をしてなかったけど、ボクに

とって特別な日だった事は変わらなかった。


  ボク 【 披露宴とか結婚式はここでは開けないけど、二人だけの
       結婚式をあげようかと思って...。 】

  ボク 【 ボクは、頼りないかもしれないけど、ずっと好きだし、
       側に居るから。こんなボクで良かったら一緒に居てくれ
       ますか? 】

  彼女 【 うん。私もこんな感じになっちゃったけど、ずっと愛し
       てくれますか? 】

  ボク 【 うん。キミでないとダメなんだ...。 】


そう言って、ペアリングを薬指にはめると、キミはしばらく左手を眺めていた。


  彼女 【 ねぇ、似合ってるかな? 】

  ボク 【 うん。似合ってるよ。と言うか何でも似合いそうだけど。 】

  彼女 【 一緒にお店みたかったなぁ...。 】

  ボク 【 ごめんね。 】

  彼女 【 治ったら一緒に行きたいな...。 】

  ボク 【 その時には一緒に行こうね。 】


すると彼女は驚くような事をいい始めた...。


  彼女 【 ねぇ、結婚式ってキスするんだよね...。 】

  ボク 【 うん。そうだけど...。 】

  彼女 【 ねぇ、この結婚式はないの?? 】

  ボク 【 えっ?!/// 】

  彼女 【 だって、誓いのキスでしょ...。 】

  ボク 【 いや、ここ病院だし...。/// 】

  彼女 【 誓うんじゃないの? 】

  ボク 【 そ、そうだけど...。/// 】

  彼女 【 ねぇ、お願い...。 】

  ボク 【 うん...。/// 】

  ボク 【 大好きだよ。/// 】

  彼女 【 私も...。/// 】


と言って、彼女に近づこうとしたとき、いきなりドアをノックする音が...。


  看護師【 ○○さん。検温に来ました...。 】

  ボク 【 @*ー#$%&’( 】

  彼女 【 !%’(&#$‘+ 】


ドアが開くと看護師の女性が入ってきた...。


  看護師【 どうかされました? 】

  二 人【 い、いえ...。べ、別に....。 】

  看護師【 あら?リングされてましたっけ? 】

  彼 女【 あっ、貰ったんです。彼に。 】

  看護師【 優しい彼氏でよかったですね。 】

  彼 女【 はい。w 】

  看護師【 じゃぁ、熱と血圧測りますね。 】


しばらくすると看護師さんが検温を済ませる。


  看護師【 元気にならないといけないですね。 】

  彼 女【 はい。元気になって一緒になります。 】

  看護師【 頑張ってね。 】

  彼 女【 はい。 】

  看護師【 キミも彼女を大事にしてあげないとね。 】

  ボ ク【 はい。 】


そう言うと、部屋の外に出て行った...。


  彼 女【 行っちゃったね。 】

  ボ ク【 そうだね。 】

  彼 女【 ねぇ...。一生愛してくれる? 】

  ボ ク【 誓うよ。ボクの事も一生愛してくれる? 】

  彼 女【 うん。誓います。 】


そして、彼女との唇が近づいたとき、いきなりドアが勢いよく開きさっきの看護師の女性

が戻ってきた。


  看護師【 ごめんなさい、聴心機忘れちゃってたんで取りにきました。 】


慌てふためく二人...。


  ボク 【 @*ー#$%&’( 】

  彼女 【 !%’(&#$‘+ 】

  ボク 【 あ、あぁ~。ね、熱はないみたいだねぇ...。 】

  彼女 【 う、うん...。熱っぽかったけど気のせいみたい...。 】

  看護師【 ??? 】

  看護師【 どうしたんですか? 】

  二人 【 い、いやぁ~。べ、別に....。 】

  看護師【 あっ、お邪魔だったかしら...。 】

  二人 【 いえいえ、そんな事はないです。 】

  看護師【 それじゃお大事に。 】


そう言うと、看護師の女性は病室を後にした...。


  彼女 【 び、ビックリしたぁ~。 】

  ボク 【 心臓に悪いし...。 】

  彼女 【 もう来ないよね。 】

  ボク 【 ちょっと見てくる...。 】


外にもう誰も居ないことを確認し彼女の元へ戻る。


  ボク 【 もう、来ないと思うよ。 】

  彼女 【 じゃぁ、約束だよ。 】

  ボク 【 うん、約束だね。 】


牧師さんもいないし、チャペルでもない白いカーテンのある病室で、ただベッド脇の

一輪挿しになった向日葵の花に祝福されながら、二人で永遠の愛を誓った。

 ボクの責務でもキミの短くなった時間への思いでもなく、本当に永遠に続く愛を誓

った。奇跡が起きて二人で約束した時間が来ると信じて....。

 そして秋になった。色づく季節の色彩は病室からは見えず、ただ、少し優しい風が

病室に流れるようになっていた。

 ただ、秋風とともに木の葉が落ちていくように、彼女の時間も徐々に短くなって行

っていた。

 起きている時間が短くなり、眠る時間を取ってあげるようになってから会話の時間

は少しづつ短くなっていたが、彼女の手紙だけは毎日あった。ただ、その文字数も徐々

に少なくなっていた。

 冬。治療もキツくなり、身体も弱っていても彼女はボクに笑顔を振りまいてくれた。

ボクの心の中に咲く、どの季節のどの花よりも美しく咲いているその華に出会うために

ボクはその場所に赴いた。

 この頃から病室で手を繋ぐ時間が増えた。冷たいキミの手をボクの体温で温めてあげ

たくて。


  【 一人じゃないよ。ボクが居るから。 】


そんな言葉をかけるように、傍に居る間ずっとその手を握っていた。

 ただ、手の振るえから感じる彼女の心の動きが悲しかった....。

 木枯らしが全ての樹木の葉を奪い、そしてモノトーンの世界が広がる頃、ボクの世界

も彩度を失っていった...。

 面会時間の制約が入り、容体も変化するようになっていた...。その場所に花を飾る

ことも許されず、彼女は一人の時間を費やすようになっていた。

 ボクの部屋で感じる一人の時間。その部屋でただ祈る奇跡...。ボクは無力で愚かな

人間だと強く感じながら、ただ部屋に漂う白い吐息とため息の数だけを数えていた。

 そして、年を跨ぎ寒さが増す1月。集中治療室へと移動した...。その日から、キミの

声とキミの笑顔がボクに届かなくなった。

 キミの手紙も見れず、ボクはただキミへの一方通行の想いだけを紡ぐ人になっていた。

遠い場所に居る誰かに想いを伝えるように、目の前に居るキミにいろんな事を語り、そし

てほとんど無いような面会時間の間、ただ語っていた。


  ボク 【 ねぇ、起きてる? 】

  ボク 【 今日さ、仕事でさ....。 】


キミに日常を語って終わるキミが闘病生活を始めた頃のような状況に戻っていた。

 ただ、変わってしまっていたのは、キミの笑顔と笑い声と、そしてずっと続いていた

キミの手紙がなくなっていた事。

 ボクはキミと一緒に居る前のボクに戻ってしまったような気分だった...。

 帰り際、ボクは必ず言っていた。


  ボク 【 ボクはずっと愛してるから...。 】

  ボク 【 ずっと待ってるから...。 】

  ボク 【 だから帰っておいで...。 】


 触れ合うこともできない、言葉も笑顔もなく、そして違う時間を刻む現実。この時ボク

はキミに生かされていたんだなと気づいた...。

 ボクの時間の中にはキミが居て、ボクの思い出の中にはキミが居た。そして今も消えそ

うな二人の時間を消さないように一緒に居るボクが居て、その時間を1秒でも長く繋ごうと

しているキミが居た。

 寂しさと孤独感があふれる日々が続いた。ボクを優しく包んでくれるのは、その場所で

眠っているキミしか居なかった...。

 白いナルシサスの花のようなキミが眠るその場所。ボクがキミを感じ、そして、キミと

の時間をもう一度刻む奇跡を信じる為にボクはその場所に向かった。

 ただ、そのナルサシスの華は日を増す毎に弱っていき、ボクの心の中の想いと逆らうよ

うな現実がそこにあった。そして、想いを募り、約束した未来が消える日が訪れた...。

 病室の機材だらけになった部屋で、嗚咽する両親の姿と一緒にキミが居た。

機材のついていないキミがそこに居て、ただ優しい顔で眠っていた...。

 触れたその手には体温があって眠っているかのようにさえ思えた...。そう、あの寒い

夜空の中でイルミネーションを見た時始めて繋いだその時の暖かな感触がボクの手の中に

あった...。

 
  ボク 【 あの時のままなのに、どうして? 】

  ボク 【 約束したじゃないか...。一緒にお店見にいこうって...。 】

  ボク 【 もう一度桜並木歩くって言ったじゃないか...。 】

  ボク 【 また、一緒に....。 】


言葉を重ねて行くほどに、涙が溢れてくる...。現実を認めたくないボクの最後の抵抗。

 ボクの心は、この暖かな掌を触ったとき命が戻ってくれるんじゃないか?と思い信じ

ていた。でも、心電図は止まり、脳波計も動いてなかった...。

 涙が堰を切ったように溢れ出す...。思い出が逆流していくかのように脳裏を駆け抜け

る。

 紡いだ想い出、交わした言葉、そして、触れ合ったキミのぬくもり...。その全てが、

渦巻いていた....。

 
  ボク 【 ....。 】



言葉を失ったボクに彼女の両親が優しい声をかけてくれた...。


  彼女の父 【 ありがとう。約束を守ってくれて...。 】
 
  彼女の父 【 私だけだったら、あの子は悲しい時間を過ごして
         いたかもしれない。 】

  ボ  ク 【 でも、彼女に何もしてあげられなかったです。 】
 
  ボ  ク 【 すみません。ボクは一緒に居たのに...。 】

  彼女の母 【 あの子は幸せだったと思うわ。あなたのせい
         じゃないから。 】

  ボ  ク 【 すみません...。 】


 ボクのせいだ...。あの時もっと早く気づいていたら、こんな事にならなかった。

悲しみは罪の意識へと変わっていた...。

 翌日、彼女は久しぶりに実家に帰っていた。笑顔で話している家族団らんの姿はなく、

そこには眠りについたキミの姿と悲しみに暮れる家族の姿しか無かった...。

 久しぶりに両親と過ごす彼女は何も言わず、ただ冷たくなったままでそこに居た...。

 狭い棺の中、美しい華の中に、ボクの中で咲いていたどの華よりも美しい華が佇んで

いた。そして、その棺の蓋が閉められ、本当にボクの前から消えようとしていた...。

 見えない扉が開き、その扉の向こうの知らない世界に旅立つキミをただ、見つめるし

かなかった。悲しくて泣き明かしたのに、心が揺れて、おかしくなりそうだったのに、

ボクの中で揺らぐ心さえもなかった...。キミと一緒にボクの心も何処かに行った気が

した。


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