オープンソースと言う形で配布され、多くのディストリビューションが 存在するLinuxですが、GPLライセンスだったり、オープンソースのソフト ウェアで素晴らしいものは多く存在しています。 多分、個人が仕事意外でスプレッドシートやワープロソフトなどを利用 してみようかと思った場合、数万円の出費は必須と言うのが20世紀の環境 だったと思うのですが、OPEN-XMLでの受け渡しで良ければ現在クロスプラ ットフォームのOpen Office.orgを使えば、無料で、 ・ ワープロ ・ スプレッドシート(表計算) ・ データベース ・ プレゼンテーション のパッケージングされたソフトウェアを使うことが可能です。 このソフトは、クロスプラットフォームなので、環境を選ばず、 ・ WINDOWS ・ MAC ・ Linux で利用が可能です。コストがかかるソフトにはそれ相応のメリットは確か にあるのですが、フルで機能を使わない場合、選択肢の幅は広がるので製 品ににコストをかけるべきかどうかと言う部分で内容的に変わってくると も言えます。 Linuxには、現在KDEとGNOMEと言うデスクトップマネージャーが存在し ていて、それぞれのデスクトップマネージャーのパッケージには、オフィ ースソフトが選択できるようになっています。 フツーにオフィースソフトだと、クロスプラットフォームのものを選 べばいいのであまり触れる必要もないのですが、そのパッケージに収録 されていて単体で選択できる面白いソフトがあったので紹介します。 Kofficeは、KDEのオフィースソフトなのですが、その中には、グラフ ィックツールが存在しています。 KDEの環境で構築すると、デフォルトだとWINDWS 95時代のような業務 用端末みたいな構成になりがちだったのですが、KOfficeでは、 「 Krita 」 と言うペイントソフトが付属します。 Linuxには、フォトショに慣れていると確実に迷うのですが多機能な ペイントソフト 「 Gimp 」 があるのですが、このソフトはGimpにはない機能を持っています。 その一つが、 「 パース 」 です。確かに、フォトショも現在のバージョンでは3Dレイヤーとか利用で きるのでパースどころかAffterEffectの作業を連番作業で行う感じで作業 が可能となっており、GIIMPも変形を利用すればパースペクティブな画像を 作成できなくもありません。 しかし、このソフトは、 「 露骨にグリッドそのもが消失点に向かってパースが付く 」 と言う、 「 リアルなパース 」 で、消失点を合わせれば何点の透視図法でも可能となります。 また、ペイントソフトではタブレットはお友達で、マウスでグリグリと 描いて絵が描けたり、トラックボールで絵が描ける人間(僕はそんな人を 存じませんが...。)の方が特殊で、通常はペンタブレットを利用します。 確かに、マウスでも、 「 指先ツール 」 「 消しゴム 」 をうまく使えば、綺麗に絵は仕上がるのですが、TOONやセルシェーダーで 吐かせたようなようなモノや漫画やアニメのような 「 輪郭線がしっかりと出るようなもの 」 は苦手です。 この場合、出力サイズに合わせて描く(何dpiで用紙サイズはどの程度 かをフツー考えるのですが印刷だと300dpi程度ですからそれ以上の密度に 設定したほうが無難かもしれません。とりあえず、綺麗に出力してくれる 場所を選び、どの程度で出すのが綺麗かを相談すると仕上がりに問題は出 ない十もいます。)必要があるのですが、フツーは引き伸ばすことも考え てIllustratorのようなベクターグラフィックツールで処理をします。 この場合、カリグラフィーのように手書きでガリガリ描く事も可能です が、絵を描いているような処理ではなくなるのが問題点です。 しかし、Kritaでは、ペイントソフトでありながら、 「 パスによるラインの生成 」 が可能となっています。確かに、WINODWSに標準で付いてくる 「 PAINT 」 にも、絶望的に使いづらいですが、曲線生成を可能とする機能があり 「 選ばれしモノか、鋼の精神を持つモノ 」 でなければ、その操作の不快感には耐えきれず挫折するようなモノだ った訳ですが、このツールでは、 「 Inkscapeでパスを使う感じでラインが引ける 」 と言う嘘のような機能があります。 つまり、原稿を最下位レイヤーに取り込み、 「 kritaでトレース 」 と言う事も可能な訳です。 「 Krita 」 の場合、 ・ パース機能を利用してパースの付いた空間を構築し背景を描く ・ キャラクターの背景をマット(通常のイラストの場合、透過レ イヤーを背景に選ぶ)で抜き、パースを利用して描いた風景と 合成。 と言う方法で、背景とキャラクターが一緒に存在する画像を作る事が 可能です。 興味深いのはカラースペースで、 「 RGB32bit 」 と言うカラースペースと、 「 sRGB 」 対応と言うカラー自体もNTSCよりも広い階調をフツーにサポートしてい ます。 とりあえず、パスは、描ききった所でダブルクリックをすれば、設定 したブラシの幅で描画してくれるようで、調整によって閉じた状態でも ただのラインでも大丈夫となっています。 パース機能ですが、これは、初期段階で基本となる面を生成し、その 生成した面の4辺のどれかを立ち上げる事により、隣接する面が生成され る仕組みになっています。 つまり、一点透視図法のように奥に消失点がある場合だと、台形を最 初に整形して、その底辺と上底以外に存在する辺(つまり、左右の辺) をパースが付くように立ち上げると立体的な空間が構築されると言う訳 です。 また、このパース機能で立ち上げた面にパースに沿ったグリッドが表 示されており、それを目安に描いていくと非常に便利です。 出力は、Tiff,XML,PNGとなっているようです。 作業によってはいくつかのソフトと連携させて使う事になるとは思うの ですがGIMPとは違った切り口のアプローチがあり、面白いソフトだなと 感じました。 流石に、慣れは必要なので、使い込んでいく必要はあるのですが、ど ことなくFLASHで絵を描いているような感覚で描画できるのは、新鮮に 感じました。
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