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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

鍵(2回シリーズその2)

2014年11月30日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 鍵は生活の場でも多くの事象を表現する場合に用いられている。問題を解く糸口としては、難解な問題を解く鍵、事件の真相解明の鍵となる報告書、航空機事故発生の鍵となるフライトレコーダー、経済成長発展の鍵、物事の正否、発展の意味では投手力や、打撃力が必要な鍵となる。選挙などでも浮動票動向が勝敗の鍵となる。等の用語使用例がある。

 鍵管理社会は、鍵を開閉できることが、役目となり、管理者と称される独特の権限を与え得る。つまり、鍵によって開閉の権限は、倉庫や金庫、家屋等を使え、内容物そのものの取り扱いまで権限が及ぶからである。その意味では鍵の紛失や、鍵の複製は犯罪発生に繋がりやすく、その取り扱いは慎重を期すことになる。

 現職の時に学籍簿は永久保存として、耐火金庫を設置し、厳重な管理が行われていた。学歴詐称が発覚して、海外からの問い合わせがあった。幸い事件には結びつかなかったが、この事件は、海外で英文の学籍簿を自作した卒業生が、海外での資格を得るために考えた偽造証書が発端であった。それまでは職員室の観音開きのロッカーに収納していたが、卒業証明や、在籍証明の請求が卒業生から良くあったため、厳重な施錠はしていなかった。上層部から指示を受けて、以後、学籍簿の管理の徹底を行った次第である。

 鍵は万能ではなく、施錠することによる事故は、夏場の乗用車内に放置された幼児やペットが、車内の高温で出られなくなり、死亡した事件、夜間外出を禁止していた老人ホームが焼失した事件があったが、管理人が不在で、出火当時外側から鍵がかかっていて、内部に閉じこめられて施設利用者が火災によって全員死亡したことがあった。管理不行き届きがもたらした悲劇と言うだけでは済まされない、身につまされる事件であった。

 上述の事件まで行かなくても、鍵にまつわることは総じて人間の知恵比べのような所があり、安心感が得られる反面、悲惨な事故を引き起こす原因にもなり得る。生活面での極端な鍵社会は人に対する不信感を増長しやすく、鍵社会を歓迎はしないまでも、犯罪に巻き込まれない自衛策は必要である。反面、鍵による不信感が蔓延する社会はかえって住みにくい。

参考:錠前は「錠(じょう)」の意の口語的な表現で、扉・戸などに取り付けて、他人に開けられないようにするための金具で、鍵を掛けて錠が開かないようにする。鍵は錠の穴に差し込んで、開けるための道具をいう。鍵は誤って錠のことにも使っている。「鉤」と同じ意味である。かぎ裂きなどではこの漢字を使っている。

(このシリーズ最終回です)