ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

6 韓国の英雄

2005年12月22日 21時36分36秒 | Weblog
 いま韓国で話題沸騰といえば、生命科学の最先端をいく幹細胞培養で一躍有名になったソウル大も黄教授だろう。
 もっとも科学分野では権威のある『サイエンス』に載せた論文が間違いがあることをMBCの看板番組「PD手帳」が取り上げてから火がついた。ところがその番組に広告を載せるなという抗議がインターネットを通じて殺到した。とうとう広告ゼロになる事態に。なぜなら韓国最大の英雄に疑義を申し立てたのだから、ということだろう。
 ところが黄教授が論文に誤りがあることを認めた。これで事態は急変。とにかく英雄が誤りを認めたことになるのだから大変なことだ。週1回の名物番組の行く末も心配されたが、これで息を吹き返した。
 生命科学については私はあまりわからないが、とにかくこの間、連日黄教授にかかわるニュースが社会を覆っている。卵子を提供した病院では黄教授がいう卵子の数のなんと2倍近い800だと報道が出たから(「ハンギョレ」12月20日)、これは女性の人権と当然かかわってくる。「なにもしない政府の対策はどうなっているのか」と女性団体から批判がでているという(同「ハンギョレ」12月20日2面)。当然だろう。
 さらに今度は政府の資金支援の額が報じられた。これをあきらかにしたのは民主労働党で、その額が驚くべき何百億なのだ(「朝鮮日報」12月22日)。また卵子を提供している病院側から卵子は黄教授が主張するような数ではないと告発、「どうなっているのか」と韓国人は気をもんでいるのがいまの状況だろう。
 連日の報道のヤマはソウル大の調査委員会が23日に中間報告を出すから、そこでだいたいの線がでるとみてよい。それが明日に迫ったわけだ。
 連日最低気温が零下10度を下回るソウル。そしてあまり雪とは縁がない全羅道では記録的な大雪に見舞われている。高速道路は不通、農作物への甚大な被害と連日報道が続いている。その雪も害を受けながらも韓国は熱く燃える問題が多い。そういえば国会は野党が私立学校法改正をめぐり審議を拒否、来年度予算や重要法案審議はストップしたままだ。
 なお。あまりニュースの脈絡がわからない私が知人に教えてもらったところによると、黄教授は論文の誤りは認めたものの、肝心の生命科学で注目を集めている幹細胞問題では「1点を誤り、曇りもない」と日帝時代の詩人ユン・ドンジュの詩の1節を引き合いに出して語ったという。それほどいうのだから幹細胞問題での後退はないとみる向きが多いという。21日には関係者4人が調査委員会に話を聞かれている。もう一定の結論は出ているのだろう。
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