あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

かこさとし作「からすのパンやさん」を読んで

2018-05-24 14:08:27 | Weblog


照る日曇る日 第1072回



顧客ニーズを忘れてびんぼうになっていたからすのパンやさんが、4人の黒くない!子供たちの思いつきとアイデアで一転して大繁盛する楽しく愉快な絵本です。

いろいろ読みどころはありますが、なんといっても「とってもすてきなかわったかたちのたのしいおいしいパンをどっさりたくさん」つくるところが素晴らしい。

いちごパンとかスターパン、テレビぱん、ペンギンパン、かみなりパン、ちょうパン、サボテンパン、ピアノパン、えんぴつパン、いかパン、ぞうパン、たいこパン、わにパンなど、こうやって書いているだけでも心踊るような何十種類もの面白いパンの数々がていねいに描かれている有様は壮観です。

むかし私もいろんなパンについての詩*を書いたことがあるのですが、この疾風怒涛のアイデアの洪水には降参です。

そして大人気のパンを求めてあっちこっちから飛んでくる子供カラスに驚いて、大人たちや消防車やお巡りさんまでパンやさんに殺到するシーン、そんなお客さんに上手にパンを売りつけてしまうシーンも抜群に面白い。

これは、かこさとし選手の最高傑作のひとつではないでしょうか。

 *http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929676928&owner_id=5501094


   むざんやな完膚なきまでに壊されし鎌倉二階堂清水家の豪邸 蝶人

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