あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

中村稔著「与謝蕪村考」を読んで

2024-05-15 15:19:04 | Weblog

 

照る日曇る日 第2046回

 

先般、知り合いの高橋、池戸両氏が、「蕪村の名句の批評を、次々に紹介しながら、次々にケチをつけ、最後に自説をどうだと突き付ける。そんな本だね」と本書を語っていたので、そんなケッタイナ論考があるわけないじゃないかと怖いもの見たさで手に取ってみたら、その通りの本なので驚きました。

 

ちなみに著者に刺身のツマのようにやっつけられる文芸評論家、俳人は、「蕪村全集」編集者の尾形仂、「新潮日本古典集成」版の清水孝之、「完訳日本の古典」版の栗山理一、正岡子規、内藤鳴雪、高浜虚子、萩原朔太郎、安東次男、中村草田男、水原秋櫻子等の面々。

 

ですが、中でもその著「郷愁の詩人与謝蕪村」においてその独創的、天才的な閃きを随所で発揮しているのは詩人萩原朔太郎選手でしょう。

 

もちろん御年94歳になられる、著者の中村選手も有名な詩人ですが、高名な弁護士でもあられる。本書における独断と偏見に満ちた鋭い論法は、法律家の面目躍如と評せましょう。

 

ものみなが激しく値上がりする朝に歯磨きチューブを尻まで絞る 蝶人


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